かわいいこ
バブみ道日丿宮組
お題:ロシア式の表情 制限時間:15分
かわいいこ
彼女は日々無表情。白い髪を持ち、青い瞳を持つ彼女は幻想的。ロシアと日本のハーフ。
でも、日本語しか喋れない。
可愛いお人形。いい意味でいえば、異国のお姫様。
そんな彼女は幼馴染だった。
同じ布団で寝たり、お風呂に入ったり、ご飯を食べたりを数年間繰り返した。目を瞑れば、いろいろなところを思い出せる。少し陰毛が生えてきたところや、乳首がきれいなピンク色をしてたところ。記憶にはそんなものが残ってる。
中学生となった今はご飯を食べるくらいしかしてない。もっとくっついてそれ以上の進展がしたいとは思うものの無表情以外の顔で返されたらと思うと、動けなかった。
「……」
だというのに今日は親がいないので、一緒に寝ようと彼女が言ってきた。
ドキドキした。
あまり成長してない彼女だけれど、魅力はたくさんある。まずいい匂いがする。これを嗅げば誰でも彼女の魅力に取りつかれる。まずそんなことはさせはしないのだが。他にも髪が綺麗だとか、意外に几帳面だとか、ほんとにたくさんある。きりがないほどに彼女の良さをアピールできる。
「……寒い?」
「そんなことないよ」
「……ぎゅする?」
もぞもぞと彼女がこちらによってくる。
ふわっと桃のような匂いが。
「いいの?」
「……うん、こっちのが安心できるから」
思い切り抱きしめられた。
自分も腰に手を回すべきだろうか。セクハラにならないだろうか。
自問自答。
「……ぎゅして」
「っ……!」
どうにでもなれと、彼女の身体を抱きしめた。
「……ちょっと強い」
「ご、ごめん」
少し緩めたら、彼女が胸のあたりにおでこをつけた。
幼稚園の頃、よくこうしてた気がする。
どうして今になって一緒に寝てくれるのかわからなかった。
「……ママがいないと」
うん。
「……寂しくてムズムズするの」
そうなのか。ムズムズはわからない。
「……三日間だけだから」
頭を動かし、見上げてくる彼女。
「……ダメ?」
「そんなことない。ずっとしてたっていい」
本心だった。
「……そっか」
花が咲いたというべきなのだろうか、可愛らしい笑みが一瞬だけ浮かべると彼女はまた胸におでこをつけた。
そのまま一緒に朝までぐっすりだった。
かわいいこ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます