第2話  女神と転生①



「ここは、どこ?」

 気がつくと、何やら神秘的な空間だった。それに甘い香りもする。

『コツッ、コツッ』

 何かの足音が聞こえる。

 誰か来る。

 その音はどんどん近づいてくる。とても不安で仕方なかった。


「そこにいるのは、健太くん?健太くんなのよね」

 というので僕は咄嗟に

「はい、健太ですけど。」

 と急いで答えた。


『良かったやっと会えて』


 そう言った途端眩い光と共に世界3代美人に入るであろう美貌を持った神々しい女神が現れた。

「初めまして。私はマリン、世界の生死を司る神ですわ。」

 なんて美しんだろうと、しばらく見とれていると、生死の神と聞き僕は驚いた。

「僕、死んだんですか?」

 と聞き返すと、マリンは

「ええ、あなたは死にました。その証拠にあなたの体を見てみなさい」

 とマリンは鏡をむけてきた。するとそこには、髪だけ生えた骸骨が立っていたのです。それを見た健太は

「これが、僕。。。?」 

 と不思議そうにしていたのでマリンは

「あなたって面白い人なのね」

 と笑いながら言った。

 続けてマリンは言った。

 「あなたが電車で轢かれて亡くなった後の映像があるんだけど見ますか?見ませんか?」

 どうやら、死んだ人は死んだ後から、葬式が終わるまでの映像を見ることが出来るらしい。

「見たいです。」

 考える前に言葉が出た。僕の場合急な死だったし、みんなもどうなったのか見たいと思ったからだ。

 見たいと言った次の瞬間、霧のようなものが辺りを取り囲んだ。辺りが霧で一杯になると僕が死んだあの駅のホームが映し出された。

 「健太、健太、起きろよ嘘だろ。。。」

 この声には聞き覚えがある。そう、昇の声だ。

 その視線の先には、血で真っ赤に染まった僕の亡骸だった。

 すると映像が切りかわった。

「どうして、どうして」

 悲しみのあまり泣け叫ぶ女性がいた。よく聞いてみると、この声にも聞き覚えがある。『母』だ。

「僕は。母さんに何もしてあげる事ができなかったんだ。」

 今までに感じたことのない後悔と共に、ボロボロと大粒の涙が出てきた。

 これ以上映像を見たところで、さらに後悔することを確信した僕は、マリンに

 「もう、いいです。これ以上見ても悲しくなるだけなので」

 と言った。

 マリンは、「あら、そう。」と言って映像は止まり、景色はまた、神秘的な感じに変わり、僕の体から溢れ出していた涙も止まっていた。

 「僕が死んだ後にこんな風になってたなんて。後悔してもしきれないです。」

 と悲しげに言ったするとマリンは、

「何を言ってるの?もう前の人生には戻ることは出来ないけれど、まだこの先の新しい世界に転生することができるじゃないの。」

 と言った。

 この発言に僕は驚いた。転生なんて、アニメや漫画、ラノベでしか見たことないからだ。

「転生できるんですか?こんな僕でも?」

 と聞いた

 するとマリンは、

「転生すること自体には規定はないわ。」

 僕は確信した。人生は一度きり。それは間違っていないが、一度人生が終わったとしても、新しい自分の体で第二の人生を歩むことが出来ると。

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