第3話女神と転生②

「さあ、貴方は何に転生するの?」

 マリンは聞いてきた。

「いや、僕は。。。」

 急に言われてもいきなり言われても、反応に困ってしまう。

 マリンはこう言い出した。

「貴方、前回の人生であまりいい経験をしてこなかったようね。かわいそうで仕方ないわ。」

「ちょっとひどくないですか、僕だって精一杯生きてきたつもりなんですが。」

 と、咄嗟に反論した。確かに僕は、人より人生は短いがそれなりに楽しんで生きてきたと自分で思っていた。続けてマリンが

「じゃあ貴方、初体験はしたのかしら?」と言った。

『ドキッ』

 心臓の鼓動が速くなり、顔が赤くなった。

「そそそそそんなこととと聞いてどうするんですかぁ?」

 ついつい早口になってしまった。なんてことを聞いてるんだ、こっちは思春期の高校生だぞ。そんなことを思った僕だったが、言い返すことができなかった。

「この反応は、まだ童貞のようね。」

 と言ってきた。さっきまでの女神はどこに言ったんだろう。

「ど、童貞で何が悪いんですか。」

 と僕はちょっとムッとした顔で言った。

「やっぱり童貞だったのね。」

 マリンはクスクスと笑っていた。

「僕はハメられたんですね。」

 と僕は口を尖らせて言った。マリンはいい女神だと思っていたのに、ちょっとショックだ。

「まあ、それが分かれば良かっただけだわ。」

 マリンはまたクスクスと笑いながら言った。

 するとマリンは

『転生の準備に入りましょう』

 と言った。

 僕はやっと転生できるのかと気持ちが高まった。

 僕は新しい未来の選択をすることが大変なのを知らずに。

 するとマリンが『転生契約書』と言うものを持ってきた。

「これから、貴方が転生する先を決めたいと思います。貴方は早くして死んでしまい且つ童貞であるためイケメン転生と言うものが可能です。」

 と言った。

「童貞で何が悪いんですか。」

 と言い返してしまった。

 でも、童貞を強調されるのは引っかかるが、イケメン転生ってなんなのだろう。

「イケメン転生ってなんですか?」

 僕はマリンに聞いてみた。するとマリンはいつものより真剣な顔でこう言った。

「イケメン転生とは、ざっくり言うとイケメンになる代わりにどこに飛ばされるかわからない。リスクはあるけど、その代わりその世界で一人だけの超絶イケメンになれるってことだわ。」

 僕は正直その転生方法はあまり気に食わなかった。でも、前世でちやほやされるわけでもない普通の人生だった。僕は前世の生活に正直嫌気がさしていた。だからこそ僕は、前世と同じような生活を送るよりイケメンになって次の人生ではもっと楽しく生きたいと思った。そうなると僕の未来は一つしかない。


『僕、イケメンに転生したいです。』


 と声を大きくして言った。そう言った瞬間契約書が光だし、僕の体は契約書の中に吸い込まれていった。

 するとマリンは

「これで、転生されるわ。貴方の決断は決して間違っていない。また死んだら会いましょう。未来での貴方の人生がより良いものになりますように応援しているわ。」

 とにこやか言った。

 僕は転生するんだ。この先の未来、何があるかわからないけど僕は、今度こそ何があっても生き抜いてみせる。僕は心に固く決心した。






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