14-キースの動き

そう。


囁きから、情報を得た。


速く


正確だが


全てを把握できるわけじゃない。

やり取りには便利だ。



番のセリを懐柔して

面白くないよね?


そんな未来、つまらないなと思う。


僕は今、自由に動ける。それにあの件にも進展が見込める。

今の状態を保つにはどう動けば良いか。


まずは、勧誘


シュルトは付いてきてくれるし、グスタフはどうかな?

あのお守りは、グスタフの興味を惹くしシュルトも販路開拓できる。


すごく、おもしろいものだね?


それを竜人の番がキッカケだって言うのに運命めいたものを感じるよ。


才能を開花させる。


セリもその片鱗があるのだろう。

環境を用意する。番を最優先させるロードには最も効く、報酬だ。


セリと仲良くなる必要があるかな?

熱い紅茶を淹れてくれるけど、おしゃべりは少なめ。


学びも提供したいところ。

シュルトは、どうするのかなー?


学園に入れるとかは、ロードが抵抗しそうだけど。まあ、セリが乗り気なら行くだろう。


ちょっと楽しい未来に、変化の起こる出来事に僕は喜んだ。


帰りを催促する手紙が置かれている。

まだ戻らない。まあ?僕が居なくても何とかなるんだから。頑張って?



シュルト達が戻ってきた。


「セリ、紅茶を頼める?」


淹れてくれる

番にやらせるなんてと怒りそうなものだけど、セリが喜んでやるから止められないんだよね?



「冷たいお菓子?」

セリから、デザートスライムなるものの話を聞く。

興奮している?子供っぽいのを微笑ましいと言うんだろうか。


年相応っぽいね。


「氷菓子は高級品ネ」


「水の魔石を魔導具で強化して使っているのだろう。」


部屋から出てきたグスタフも濃いめの紅茶を飲んで、ひと言添えた。


気づくかな、氷魔法で氷菓子を作れるって事だよ?

僕も食べれるかなと楽しみが増えた。



お子様は早々に寝るらしい。楽しそうだけど寝れるのかな?



ーーここからは大人の時間、だね。

僕は紅茶をもう一杯。今度は、ブランデーを入れた。


カナンに座るよう促す。シュルトも話があると分かったのか茶菓子を出して座った。


「僕の配下はどう?」

「引き抜きかー」


カナンは、自然と裏を考える。お貴族様の会話というには面倒だ。


「ひとつはロード、というよりセリの専属護衛。ロードとに相性はもちろん、腕も必要」


「買ってくれてるんだねー。」


嬉しそうな顔を作るが、警戒中だろう。


まあ実際、動きが良い。セリを守るために動ける。

良い働きをしてくれそうだね?


僕は断らないよねっと微笑んだ。

少し頬が引き攣ったカナンは、グイッと酒を飲んで視線を外した。


逃げられないのにね?


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