④ 仕事量
獣人の国に帰る、キースについていくと決まってもセリはどうして良いかわからなかった。
「特にやることが無い」
ほとんどそうだったのだ。帰る準備も何も持ち物も少なく、身軽だ。
教会で過ごした習慣からか?冒険者を志してのことか。
荷物をまとめてすぐ出られるようになった部屋。保存食を持ち歩いている。
ロードが餌付けのようにセリに与えていた。カナンは食事の時間が近いと告げる役割りだった。
「グスタフの様子を見に行ってみる?」
セリはここで別れてしまうのか気になった。
もう少し話してみたい気持ちは、お守りのことだけだろうか?
あの落ち着いた声をきいてみたい。
別れはあっさりな方のセリだが、何か思うところがあるのだろう。
ロードの強固な守護に、グスタフは受け入れられていた。
子供への教え、知識への探究にセリとの関係が邪魔されないからか。
「ゼッテェ、贔屓だー。」
邪魔者扱いをされているカナンは、当たりが強いのに文句がある。
「可愛いんだから頭を撫でるくらい良いだろー。」
ロードが冷えた視線で見た。
キースは今日は部屋におらず、兵士達の会議室に使われている北の砦の方に行っているらしい。
兵士をまとめる立ち位置でもあるため、予定を詰めるのだろう。
獣人の国へいくために皆、動いている筈だ。
セリは、もう外の森に出かけることはないが洞窟内を見て回る事にした。
なかなか、洞窟の趣きある雰囲気は味わえないと聞く。
「ダンジョンなら、洞窟型もあるんだけどねー。」
「危険がある。」
カナンの言うダンジョンの洞窟型は多いらしいが。ロードの言う通り危険地帯でのんびり歩けることはないだろう。
セリの散歩に2人がついていく。
「居なくても良いぞ?」
「まだ任務中なの!」
カナンを追い出したいロードとに会話はいつもの事だ。確かに、部屋の外洞窟部分なら危険も何もない。
ドワーフの小道と呼ばれるようになった場所は賑やかだ。
ここに居るのは極北の城から来ている獣人の兵士が多い。
パン屋、お酒以外の飲み物、食べ物。
食堂もあるが、楽しみとして商人が店を開いている。
シュルトが商人達と打ち合わせをしているのが見えた。
出ていくにあたって引き継ぎの話だろう。新しい商売の話をしているのかもしれない。
獣人の国とおはどんなところだろう?まだ、どう行くかも決まっていないけど。
ドワーフの職人が休憩中のところで挨拶をして、ちょっと休憩。
干し果物を食べ、仕事の話を聞いていた。
機構が、修復には素材がとわからない内容が多いけど。ざわざわと人の動く場所になったと感じさせる。
隣にロードとカナンに挟まれ、のんびり甘味を味わう時間も心地よかった。
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