4-勉強中

「『竜の翼』って、グループ、クラン?」


セリが尋ねる先には、狼の耳と尻尾を持つカナンが居た。


「うちの規模はグループ止まりだなあ。クランは複数のグループが集まって名乗ってる。他は、パーティって言い方もあるよ。」


冒険者としては知っておきたい知識。先輩であるカナンを相手に問題に出そうな事を確認していた。試験を受けて、指名依頼を回してもらえる種類も増える。


セリの受けられる仕事は、採取と調合。他の仕事もできるとアピールできた方が、冒険者ギルドランクも上がりやすい。


名前が知られれば、仕事が増えるその前には冒険者ギルドに貼り出される依頼を狙うものだが。

『竜の翼』に所属しているので、悪目立ちする。セリの存在をまだ隠しておきたい。せめて竜人の番である事を広まるのは防ごうと決めている。

セリ自身、身を守れる力ができるまでは、冒険者の活動は細々とやていきたい意向だ。


それができるかは別だが。


獣人の国に入って、セリは最初に商人ギルドの証明を持った。薬草などの扱いは、冒険者ギルドより種類が多い上に紹介で得やすい。


シュルトの紹介ですんなり手に入った。


採取した場所が場所だけに、持ち込んだ採取物は珍しい物も多かったのでしばらく暮らすのになんとかなるくらいの金額はこの時点で手に入った。


冒険者の登録をするのは、体制が整ってからとお願いのされていたのも理由の一つだ。

主に、国の方が忙しく働いていた。その一環で騎士であったカナンも『竜の翼』で冒険者業を現在している。


「まー、潜入とかで冒険者、やってた事もあるしい。仕事内容は楽になった方かなあ。」


騎士と言っても特殊な仕事だったらしく、潜入や情報収集を行う部署。

今は、竜人ロードの監視に高貴な御方の護衛役である。


「“好奇な”御方の間違いじゃないだろうかね?」


そう言われた人は、自室にしている部屋に篭ってしばらく見ていない。


“竜人の番”を受け入れるのに、権力者へ繋ぎが必要だった。そfrに受け入れ側も準備時間が欲しかった。水面下でどうなったのかは分からないが、セリが学ぶのに良い環境を与えてもらっている。


カナンの配置は、なんらかの思惑があっての抜擢だが本人は、なかなかに伸び伸びと過ごしていた。


「護衛対象は、部屋に篭りっぱなしでえ。ロードもセリちゃんの動きに合わせて大人しくしてるからね。」




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