第15話 そして、ヤングケアラーの、愛の結末へ…。こういう不思議なストーカー話も、あって良いのかもね?

 JKと、バブルのじゃまおば。

 そして…。

 その子は、裁判に勝った。

 バブルの、負け。

 裁判所は、その子の世話になった病院の、近くだった。

 裁判のアドバイスしてくれた医師は、そっと、病院の窓から、裁判所を出ていくその子の様子を、見ていた。

 「…うれしそうだな。裁判に、勝ったんだろうな。朝見たときは、ちょっと、心配したものだがな」

 いや…。

 うれしそうだったのには、他に、意味があった。

 「それって、本当ですか?」

 「お静かに」

 裁判で、弁護士から、ある驚きの事実を告げられていた。

 医師は、その日、裁判所に向かうその子の姿までも、そっと、見ていた。

 裁判所も、病院も、その子が日常的にいく場所とは、いえない。だから、ストーカー規制法でいうストーカーではなかった。

 医師は、その子にとって、どんな存在だったのだろうか?

 裁判に勝ち、その子は、謎の給食センターから、慰謝料として、510万円の支払いを得られるよう決まった。

 裁判に勝って得られたその金は、介護に使った。

 翌日、その子は、病院に向かった。

 外は、寒くなってきた。季節は、すぐに、すぎていくんだ…。

 「ありがとう…」

 医師に、ほっかほかのマフラーを、手渡した。

 「こんなの、良いのに。…でも、ありがとうな」

 「うん」

 「他の、金は?」

 「傷付いている女性たちを支えるために、使います」

 「そうか…」

 「同じ、女性だもの…」

 「君は、変わったよ」

 「そうでしょうか?」

 「良い顔に、なったよ」

 「ありがとう…」

 「うん」

 「いつでも、帰ってきてね?」

 「ああ…」

 「待ってるからね…」

 「ああ」

 「ありがとう、お父さん…」








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