第14話 ヤングケアラーのJKと、バブルのおばちゃんの戦い。

 「はい」

 「慰謝料は、500万円にはなると、思います。金が云々っていうのも、冷たい話でしょうが、今は、必要でしょう?」

 「ええ…」

 「人を助けられる金では、ありませんか」

 「人を助ける、金…」

 「金も、いろいろです」

 「…はい」

 「人を助ける手段になるのなら、輝ける存在で、あるはずです」

 「…」

 「それが、金の正体なんです」

 「…人を救う手段である金」

 「それが、慰謝料なんです」

 「…」

 「慰謝料を受けて、ヤングケアラーの足場を、堅めましょう」

 「先生…」

 「あなたとその家族に、良いことが、ありますように」

 「先生…」

 給食センターを取り締まる闇組織を相手にして、提訴。

 「私は…。無理矢理、連れ込まれました」

 法廷で、訴えた。

 すると、バブルのじゃまおばと呼ばれる人が、登場。

 「がひひひ…」

 「この人、給食センターのおばちゃん?」

 「その子は、自ら進んで、車に乗り込んでうよ?」

 「ウソです!」

 「お静かに」

 JKと、おばちゃんの戦い。

 「私…。前から、誰かに付けられていたんですよね…。それが、その女性と仲間たちだとわかったのは、1人で、部屋にいたときです」

 「ちょっと、あんた!デタラメを、言うんじゃないよ!」

 「お静かに、願います」

 「くそっ…」

 「私は、弱者。ヤングケアラーの弱みを、握られていました」

 「何ですって?」

 「母親の介護に必要な物を見にこないかって言われれば…。あの状況なら、普通、ついていっちゃうと思います」

 「ついていったあんたが、悪いのよ!」

 「違うわ!」

 「静かに、願います」

 裁判員裁判は、どろどろの呼吸。

 「こういうの、ストーカー行為に当たるんでしょうかねえ?」

 「何なの、この裁判?」

 「だから、JKと、おばちゃんの戦い?」

 「早く、帰りたい」

 「俺も」

 「ダメ!あなたを、付きまといますよ!」

 「…」

 「とはいっても、あなたなんかに恋愛感情はありませんから、ストーカーでは、訴えられませんけれどね?」

 「ふん」







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