第10話 知ってる?ヤングケアラーの子を守ってくれるストーカーっていうのが、いるんだよ?「あなたを見守りますが、ストーカーじゃありません」「え?」

 ヤングケアラーの子を守ってくれるストーカーっていうのが、いるんだよ?

 「…あたし、将来、どうなっちゃうの?」

 ヤングケアラーの、疲れ。

 母親を施設に送って1人になったときは、身体を動かしたくなくなっていた。

 「…これって、プチ引きこもり」

 そうしたら…。

 そばに、見知らぬ男性が2人。

 思いっきり、怪しい風景じゃないか。

 「お身体は、平気ですか?」

 「引きこもりになってはいませんか?」

 その気の遣い方から考えて、役所の、福祉関係の人なんじゃないのかと、思えた。

 「あれ?でも…。ちょっと、待ってよ」

 役所の人が、付きまとうかな?

 今どきは、公務員が、ストーカー行為をするように、なっちゃったのか?

 まあ、学校の先生とかの、えちえちでやばい姿を見れば、公務員も、ストーカー予備軍なのだろうけれど…。

 「どうされましたか?」

 「心配で、なりません」

 「あの…」

 「福祉のことは、どうか、我々に、お任せください」

 「お母様のことも、心配ですからね」

 「…」

 「しっかりと、あなたを、見守っていましたからね?」

 「しっかりと、ね」

 「じゃあ、やっぱり、ストーカー…」

 「いいえ」

 「恋愛感情はありませんから、違います」

 「同じく」

 「ああ、介護疲れだ。幻でも、見ているのかしら…?」

 「ヤングケアラーとして悩み、何かを犠牲にしてまで誰かを支えなければならない気持ちが…、我々には、心配ですよ」

 「あなたには、鬼殺隊のメンバーに、なってもらいたいくらいですよ」

 「そりゃ、どうも…」

 男性2人と、しばらく、言葉を交わす羽目になった。

 「あなたは、実に、献身的なJKですな」

 「その通り」

 「ヤングケアラーの、痛み…。私たちを、助けて…」

 「もちろんです」

 「あなたを、助けにきたのですから」

 「本当ですか?」

 「ヤングケアラーを、守るべし」

 「一緒に、きてください!」

 「…はい?」










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