第5話 ストーカー被害を受けて泣いちゃった女性が、立ち上がったよ!

 どうして、恋愛感情がなければストーカーにはならないんだなんて、法律に、書かれちゃったんだろう?

 とりあえず、法律を決めた国のほうは、こんなことを言った。

 「ストーカー規制法を作ったときは、誰かを付きまとうっていうことは、ほとんどのケースで、恋愛感情があるときだったから」

 「だから、恋愛感情があるときじゃなければストーカーじゃないよって、わざわざ、書かなかっただけ」

 言い訳っぽい。

 言い訳っぽい言い方、だなあ。

 「私たち国は、国民に、優しくするべきと考えました。国民を、がんじがらめにしてはいけない。規制を、少なくしてあげたかった。だから、恋愛感情がなければならないって書かないで、わかりやすくしてあげたんです」

 …え?

 何、言ってるの?

 ストーカー被害を受けて泣いちゃった女性が、立ち上がった。

 「恋愛感情がなければいけないとか、決めないでください。やめてください。わかりやすくも、何とも、ありませんから」

 被害を受けた女性なら、怒るだろう。

 立ち上がったその女性は、元カレから、SNSを通じて、何度も、痛い思いをさせられたことがあったらしい。

 元カレは、闇掲示板に、彼女の殺害をほのめかすような内容の投稿をおこなったから。

 「…マジ、うざい女。あいつを、狙え!」

 これって、どうなの?

 これは、ストーカーなの?ストーカーじゃないの?

 ストーカーにならないとしたのなら、女性が、気の毒でしかならないもの。

 困ることは、まだ、あったはず。

 ストーカーっぽいような怪しい事件が起きると、こう言う人も出たし。

 「自己責任!そういう男を交際相手に選んだほうが、悪い!」

 そうかなあ?

 「あなたが、悪いから」

 そんなことを簡単に言っちゃって、良いんだろうか?

 「バカな先生が、悪い!」

 学校、みたい。





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