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それでも、私は彼のことを知っていくたび、好きになっていった。




その後も、どんなに私が距離を詰めても離されを繰り返した。




私は、彼を問い詰めることにした。




でも、彼を威圧しないように、できるだけかわいく。




「なんで、彼女なのにそんなに距離を置こうとするの?…………………わたしさみしいよ。


わたしは、体の関係になってもいいんだよ。むしろなりたいな」




少しぶりっ子ぽく言ってみた。






「多分僕は変われないと思う。正直、今もなんで君といるのかたまに疑問に思う。あの場では、そういうしかなかっただけで、君のことを好きかと聞かれると分からないかもしれません」






私は、ハッとした。








だって、こんなにハッキリと言われてしまったのだ。


好きかどうか分からないと。




もう夏休みが終わろうとしている。




付き合って一カ月近く経っていている。




彼は、ずっと私といるのがつまらないんだろうか。




彼に、私の気持ちを押し付けているだけの様な気がして怖くなった。




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