10
なんで、私が頑張っていることになっているんだろうか。
でも実際、私は私なりに頑張っているのは確かだ。
この人は私の何を知っているんだろう。
「私と会ったのって、今日が初めてですよね」
「多分、始めてだと思いますよ」
「じゃあ、何で私のことを知っている感じになってるんですか」
「だって、君の手の指に血豆ができています。おそらくお琴をやっていますね。それも一生懸命に、そんな東雲さんを私は凄いと思っていますし、ものすごい努力家だなと感心しています。」
確かに、今の私の手の指には血豆ができていた。
手の平に血豆ができることは、あっても指に出来ることはなかなかない。
彼は、私が努力していることを一瞬で見抜いたのだ。
今まで、告白してきた連中は私が努力していたことなんて知らないだろう。
でもまだわからないこともある、何で血豆を見ただけで琴をやっていることを見抜いたのだろう。
指に血豆ができることは、琴以外にもあるはずだ。
彼が相当な血豆マニアとでも言うんだろうか。
そんなはずは、ないだろう思いながら質問してみた。
「音海くんは、指を見ただけでなんで私が琴をやっているのがわかったの、もしかして血豆マニアの方だったり………しませんよね」
彼は、笑いながら答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます