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教室に入ると、二人の女子が会話もなく、ただ席に座り本を読んだりスマホを触ったりしていた。
正直、私はこの二人が苦手だった。
一人目は、月待遥香ちゃん。私は去年一年を使っても彼女をうまく動かすことが、できなかった。
話しかけてもあまり期待した答えは返ってこないので、何度も彼女とぶつかった。
たまに奏多が彼女のことを見てること知ってる私は、奏多も同じこと考えているのだろうと思っている。
二人目は、青葉りんごちゃんだ。彼女は去年クラスが違ったが、噂で風紀委員に属していることを知っていた。
実際話したことはないが、風紀委員に属している人とは、私とはそりが合わないことが多い。
例えば、私は制服着崩す系女子で風紀委員はそれを許さない。
一言で言えば、頭が固いのだ。
校則をもうちょっと現代に合わせて欲しものだ。
二人に挨拶する必要性がないと判断した私は、黒板に書かれていた、自分の席にそのまま向かうことにした。
五分もすると去年も同じクラスだった面子が固まって入って来た。
とりあえず、こいつらに混ざり会話に花を咲かせていると、奏多が入っていきた。
私は、一瞬無視するか話に行くかを迷った。
やはり話に行くことを選ぶことにした。
うまくこの場所から抜けるにはお手洗いが有効と考えた。
「ちょっと、お花積んでくるから」
「りょうか~い」
私は、すれ違いざまに奏多に声を掛けたのだった。
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