第2話 出会い
あいつと会ったのは高校二年だった…と思う。
思うっていうのは一年の時も顔だけは時々見かけたことがあったから。
ちゃんと認識したのはクラスが同じになって初めての席替えであいつが私の前の席になってから。
前からプリントを回すとき、あいつは渡すときに相手と目が合うまでプリントから手を離さない、というゲーム?というかちょっとした遊びみたいなことをしていた。
回ってきたプリントを早く受け取って後ろに回す。それだけしか考えてなかったから、回したプリントを離さないあいつに驚いてバッと勢いよく顔を上げると私と目があったあいつがニッと笑ってさっとプリントから手を離した。
変な奴ー。
第一印象はただただそんな感じ。でも悪い感じではなくて、今まで会ったことないタイプの人というか。そんな感じ。
すごく喋るとか鉄板ネタがあるとかそういうわけじゃないけど、何か自分の周りを面白くしようと仕掛けるのがあいつのユーモアだったんだと思う。
それが私たちの出会い。
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