第4話 キャプテン語録
第3話 キャプテン語録
2022年1月14日 V.1.01
2022年3月13日 V.1.03
「形より上なる者、これを道と謂い、形よりして下なる者、これを器と謂う」
現象を超えたもの、現象の背後にあるもの、根源的なものを形而上(道)と謂い、五感によってとらえられるものは形より下にあるので器といわれる。
目に見える形としての技術や体力とその根幹となる心。
俗に「メンタル・ケア」なんて言いますが、欧米流のマニュアル化による(上から目線の)ケアなんてものでは、真の解決にはならない。
やはり、日本人らしく、自分の心の鏡に相手の心を反射させて一体化し、自分の問題として消化するというスタイル(精神面の解決から肉体的な困難の克服)こそ、私たち縄文人に最適な道なのです。
早い話が、彼女の後輩たちが強くなったのは、「巨人の星」で父一徹が息子飛雄馬に千本ノックで血みどろになるまで鍛えたという、そういう上からの強制的なスパルタ教育によってではない。
このキャプテンの人格・性格・愛と侠気に励起された彼女たちの素直な心と強い精神が先で、それに引っ張られて苦しい肉体的な鍛錬に自ら積極的に飛び込んでいった成果ではないでしょうか。目に見えない形而上的働きかけ・努力によって、目に見える生きた人間が活性化する。拳法どころか礼儀も作法も身の処し方も知らない、新入生という木の人形に魂を吹き込んだ、「かぼちゃを馬車にした」ようなもの(大事業)といえるでしょう。
「講釈師、見てきたような嘘を言い」
なんでお前(平栗)にそんなことがわかるんだ、と言われるかもしれませんが、3点の物的証拠(2つの試合映像と、彼女の最後のブログの文章と写真)から導きだされた真実がこれだよ、ワトソン君、なんて。
彼女のブログからすると;
後輩たちが、自分から学ぶことが楽しいと感じる姿勢。これを第一義においていたのではないか。
自分自身が女子一人の一年生であったこともあり、鬱々とした受身の日々であったのが、あるきっかけから積極的に拳法をやる気になり、どんどん強くなっていった。その経験から、キャプテンとなってからは、まず彼ら彼女たちとの心の同期を心がけ、その上できめ細かな技術指導でじっくりと育てる。同期(同学年)や先輩、家族や友人たちにもそういう気配りをしてきた。
中国には「抜苗助長」という故事があります。成長を早めようとして、苗を手で引っぱって(枯らして)しまった、という嘘みたいな大昔の話です。自分から成長しようという気がなければ、一生懸命教えることが返って負荷・重荷・逆効果になってしまう。
○ 地は名なきの草を長ぜず (名は名誉の意から繁栄の意に用いている)
大地はすべての草を恵み養う考えはあるが、さりとて自力で繁茂する力のあるものでなければ、育てようもない。
自分で繁茂しようという気のない草は生長させることはできない。無理に教えても枯らしてしまうだけ。
こちらの学校がミッション系だからか、このキャプテンがそういう育ちなのかわかりませんが、「愛をもって育てる」ことになったのでしょう。
愛と言って、辛抱強く相手に付きあってあげるような「愛」。
帰り道、バスで駅へ行けるのに一緒に歩いてあげる。カラオケに付き合う。
とことん、付き合う、時間を割く、気を配る、心を遣る(使う)、心で寄り添う、それが彼女のstand point精神的な立脚点なのだと思います。
○(リーダーとしての)観察
見た目の姿だけではなく、その裏に存在する彼や彼女たちの心を見て・看て・診ている。
「勝ちたいという気持ちが前面に出ていて素晴らしかったです。」
「いろんな人の期待を背負って戦うプレッシャーもあったと思います。」
「拳法をすごく楽しんでくれてるのが伝わってきたよ。」
「熱い気持ちをもって一つ一つの試合に臨める齋藤は、これから絶対強くなるよ。」
「高いコミュ力で先輩と後輩の架け橋のような存在になってくれたね。」
「開米の一番の魅力は、・・・、ハートの熱さや人間性だと私は思う!」
「・・・先輩が拳法が好きってことはよく伝わりました!」
「・・・、拳法への愛が伝わった嬉しさが勝りました。」
「トレーニングはすごくストイックにこなします。誰より楽しそうに戦う姿が印象的」
「髙見の優しさとコミュ力で後輩のみんなを引っ張っていってね。」
「これからもその向上心を忘れずに」
「まりあは拳法もバレエも全力で、忙しい中でも笑顔を絶やさず、心から応援したくなるような人」
「ふわふわしている見た目と反して間違っていることは間違っているとしっかり言える芯の強さを持ち合わせていて」
「自分の仕事じゃなくても嫌な顔一つせずこなし、利他の心に満ち溢れていました。」
「部のみんなには見えにくかったかもしれないけど、拳法部の中で一番多くの仕事をしてくれました。」
○ 評価の仕方
ただ口で評価するだけではなく、心からその気持ちを伝える。
単に「よかった」と言うのではなく、私は心からあなたを賞賛し・感激し・感謝しているという気持ちを伝えることが、彼女の人に対する評価の仕方。
◎ 心からの賞賛(本当に素晴らしい、素直に人を賞賛する)
「敬以て内を直(なお)くし、義以て外(ほか)を方にす」
慎みを以てわが心を真っ直ぐにし、義理の道を以て外部に対する行動を方正にする。
「果敢に攻める姿勢に胸を打たれました。勝ちたいという気持ちが前面に出ていて素晴らしかったです。強くなったね、齋藤!!」
「齋藤がいい試合をできたのは開米のおかげでもあると思います。頼もしい姿になったよ。」
「思わず「兄貴!」と呼びたくなった」
「一年間真面目に部活に取り組み、沢山努力した成果だね。本当によく頑張ったね。」
「めちゃめちゃかっこよかったよ!!」
「本当によく頑張ったね。」
「どの技も惚れ惚れしたよ。」
「めちゃめちゃ仕事できて超頼り甲斐あったよ。」
「入部してまだ数日にも関わらず、パンチが重くてびっくりしたよ!」
「人間味あふれる髙見だからこそ応援したくなりました。」
「あみちゃんはとても責任感が強くて、真面目で、ちょっと抜けてて、それもまた可愛くて、自分が男だったら誰と付き合いたいかと聞かれたら真っ先にあみちゃんと答えていました(笑)」
「一度決めたことは最後までやり遂げるところ、とても尊敬しています。」
「自分の仕事じゃなくても嫌な顔一つせずこなし、利他の心に満ち溢れていました。部のみんなには見えにくかったかもしれないけど、拳法部の中で一番多くの仕事をしてくれました。きょーちゃんがいなかったら拳法部は回ってませんでした。」
◎ 心からの激励(ものを生かそうという心)
「天地の大徳を生という」
天地の徳のうち、もっとも大いなるものを生という。万物の生を遂げさせようとして生成発展させてやまないもの。
「辛い時は無理しないで、たまには弱音を吐いてもいいんだよ。」
「これから、楽しいことも辛いことも沢山あると思う。全部満喫して、拳法部での時間を楽しんでね!また練習行くからね!」
「熱い気持ちをもって一つ一つの試合に臨める齋藤は、これから絶対強くなるよ。自信持ってこれからも頑張ってね。次会う時にどれだけ強くなってるか楽しみにしてるね。ファイト!」
「めちゃめちゃ仕事できて超頼り甲斐あったよ。これからもみんなのことよろしくね!」
「拳法部で過ごす時間をどうか楽しんでね!これからの成長を楽しみにしてるよ。」
「これからの島田の活躍を大いに楽しみにしてるよ!!頑張ってね!」
「これからも全力で突き進んでいってね。黒帯取ったら見せてね!」
「怪我をしっかり治して、来年バリバリ面蹴りをキメまくる姿を見せてね!応援してるよ!」
「自信を失わず、自分を信じて前に進み続けてね。開米ならきっとどんな困難も乗り越えていけるよ。ファイト!」
「これからも拳法部を愛して、みんなを沢山笑顔にしてね。!」
「最後の一年、拳法や仲間との時間を目一杯楽しんで!拳法部をよろしく頼んだよ!」
「これからは団体戦で大将を務めることになるね。大丈夫、みゆかは強い!だから自信持って、昨日の試合みたいに前に出続けて、いつも通り戦ってね。楽しむことが一番大事だよ。また応援に行くからね!」
「髙見の優しさとコミュ力で後輩のみんなを引っ張っていってね。最後の一年、拳法を楽しむことも忘れずにね!また部活に顔出すね。」
「これからはあんまり周りに迷惑かけちゃダメだよ、もう近くで怒ってあげられないからね。これからの活躍、期待してます。」
「これからもその向上心を忘れずに、みんなのことを頼みます。あみちゃんならきっと大丈夫!」
「仕事が落ち着いたらいつでも拳法部に戻っておいで!まりあのこと、遠くからずっと応援してるよ!」
「体育会でしか追えない夢、拳法部でしか見れない景色があります。あなたもぜひ、一緒に夢を追いかけませんか。」
◎ 心からの感謝(心から人に感謝するから、知らず、自分も人に感謝される)
「麗澤は兌(だ)なり。君子以て朋友(ほうゆう)講習す」
二つの沢が並んで互いに潤しあうことは慶びだ。それに倣い、互いに講習し合って徳を磨きあう。
「勝って当たり前の試合なんてない中、しっかり期待に応えて決勝まで上がっていくみゆかが本当に誇らしかった!素晴らしい試合をありがとう!」
「多くの方々の応援の中最後の試合ができたことが心から幸せでした。」
「沢山の温かいお言葉をありがとうございました。今日という日を一生忘れません。」
「お家遠いのに入部してくれて本当にありがとう」
「めちゃめちゃ仕事できて超頼り甲斐あったよ。これからもみんなのことよろしくね!」
「拳法部に来てくれてありがとう。」
「私は井上には努力を継続する力があると思うし、そんな井上を尊敬してました。コロナで大会が無くなって私自身目標を失いかけたとき、無人の道場でトレーニングする井上を見て私も頑張ろうと思えたんだ。」
「澤田のおかげで、コロナ禍でも楽しい思い出をたくさん作ることができたよ!本当にありがと!!」
「高いコミュ力で先輩と後輩の架け橋のような存在になってくれたね。澤田にたくさん話しかけてもらえてすごく嬉しかった!」
「大会で勝つたびに開米が嬉しそうに声かけてくれたこと、本当に嬉しかったよ。ありがとう。」
「コロナ明けの去年の秋、練習辛くない?と聞いたら「部活楽しいです!」と笑顔で返してくれたね。めちゃめちゃ嬉しかったなぁ。」
「拳法部大好きです!と愛を振り撒いてくれて本当に嬉しい!!これからも拳法部を愛して、みんなを沢山笑顔にしてね。今まで本当にありがとう!」
「振り返ると後輩の中で一番長く時間を共有したのは桑原かも。今までありがとう!!」
「後輩への指導もたくさんしてくれたし、私にもいろんなアドバイスをくれたね。私がここまで成長できたのは紛れもなくみゆかのおかげです。今年団体戦で二度も優勝できたのは、みゆかが成長し続けて、勝ち続けてくれたからだよ。一人では絶対に見られない景色を、みゆかが見せてくれました。本当に、本当にありがとう。みゆかとチームを組めて幸せだった。」
「寂しそうな人を一人で放っておかない優しさがあったり、レポートは余裕を持って終わらすしっかりした一面があったり、実は部で一番拳法の動画を見ていていろんな技に挑戦したり、知れば知るほど優しくて真面目な八木。今までありがとう。」
「ライブに誘ってくれて一緒に行ったね。めちゃめちゃ楽しかった!!一緒に過ごした時間は他の人より短かったけれど、すごく濃い時間を過ごせたと思ってるよ。」
「うまくいかないことがあるとよく相談に来てくれて、その度に成長していくのがわかりました。短い間によく頑張ったね。ありがとう。これからもその向上心を忘れずに、みんなのことを頼みます。あみちゃんならきっと大丈夫!」
「まりあがいるだけで、周りの人はみんな笑顔になっていたね。私も何度も元気をもらったよ。ありがとう!」
「1年の頃はめちゃめちゃ練習がつらくて、毎日鬱々とした気分で面をつけていたけど、まどかがいつも明るく…明るすぎるくらいに励ましてくれたおかげで悩んでる自分が馬鹿らしいなと思えるまでポジティブになれました。彼女の笑顔とトーク力は拳法部全体を明るくする力があって、彼女に救われた部員も多いはずです。」
「ふわふわしている見た目と反して間違っていることは間違っているとしっかり言える芯の強さを持ち合わせていて、髙橋の言い方はキツすぎるよ!とよく指摘してくれたのもまどかでした。今まで本当にありがとう。」
「秋山がいなかったら間違いなく最初の1年で部活辞めてました。そんなことないと君は言うかもしれないけど、今までたくさん支えてくれてありがとう。」
「練習中は沢山私に声をかけてくれて、いつも心配してくれました。自分が主将になってからは、怪我すると「無理しちゃダメでしょ!」と唯一怒ってくれる存在でした。怒ってくれるの内心めちゃめちゃうれしかった(笑)自分が試合に出て勝ち進むたびに「かっこよかったよ」「拳法部に入ってよかった」と言ってくれるきょーちゃんが、私にとって大きなモチベーションになって、誰かのために頑張ろうと思わせてくれるきっかけでした。」
「きょーちゃんがいなかったら拳法部は回ってませんでした。今まで本当にありがとう。」
「1年の頃からずっと同期の女子選手がいなかった自分は、青学や明治、東洋などの女子選手の存在にたくさん元気をもらっていました。練習がどんなにつらくても、みんなに負けないように頑張ろうといつも自分を奮い立たせていました。」
「同期はみんな強くてモチベーションも高くて、みんな最高のライバルでした。青学のももち、もこちゃん、明治のぴちこ、のぞみとはたくさんご飯にも行ったし、昇段級や大会でたくさん戦ったね。今までありがとう。」
「東洋のしーちゃんは3年から部の主将という自分と全く同じ境遇で、お互い辛いことが沢山あったと思うけど一人じゃないと思うだけで心が軽くなりました。」
「1年生の頃からずっと、面倒を見てくださってありがとうございました。」
「田畑先輩の言葉はいつも力強くて、私の自信を補ってくれました。人生でこんなにも家族以外の誰かに期待されたのは初めてで、私が拳法部にいる意味を田畑先輩が教えてくださいました。」
「4年間で教わったことは今後の人生に生かします。本当にありがとうございました!」
「本日は第5回となる体験会を開催し、4人の新入生が来てくれました拍手
ミット打ちを体験して、その後練習を見学してもらいました!
何より楽しそうにミット打ちしてくれてすごく嬉しかったです!」
◎ 部員全員とすべての人へ
「本大会をもって、4年生は引退となります。この場をお借りして、今までお世話になった方々にお礼を伝えたいと思います。」
「人生うまくいくことばかりじゃありませんが、桜を散らす雨のように、物事の見方を変えて何事も楽しんでいけたらいいですね」
https://ameblo.jp/rikkyo-kempo/entry-12668761329.html
◎ このキャプテンが2年間実践してきた「心と心のふれあい」という助け合い
仲間たちの気づかないことに気づかせてあげる、意識しないでやっていることを意識させてあげる。そういう(精神面での)サポートが自分への教え・助けとなって返ってくる。先輩・後輩、キャプテン・マネージャーといった、器としての(上下)関係はきちっとしているが、心と心という形而上(道)では、完全に平等。
◎「高橋五輪書」
地:自信をつけてあげる(自分のやっていることは間違いではない、というしっかりとした意識を持たせる)
水:落ち込んだ気持ちを和ませてあげる(冷静に・ロジカルに自分と状況を見る)
火:自分で向上しようとさせる(前向きな気持ち・もっと頑張ろうと奮い立たせる)
風:(そよ風のように)皆をさわやかにし、迷いの雲を吹き払い、心を明るくしてあげる
空:自分の欠点(自他に厳しすぎる)をカバーしあう(空白を埋める)
「一人では絶対に見られない景色を、みゆかが見せてくれました」
これは実に深遠な。
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