168 秘匿ダンジョンへ!

「で、何がいいか?情報なら王宮の図書とかあるが、場所ならおすすめの場所があるぜ?」

「場所!場所でお願いします!」

「じゃあ、とっておきの場所があるぜ?」

「どんな場所ですか?」


つい前かがみで尋ねてしまう。

けど仕方ないよね?

面倒事が解決するかもしれないという希望と、公開されていない秘密の場所に好奇心が疼いてしまう。


「それはな、ダンジョンだ!」

「ダンジョン!?」

「敵はまあそこそこ強いけど、その分見返りは大きいダンジョンだぜ?」


まさか秘匿されているのがダンジョンだとは。

私とクリスはヴェッレットのダンジョンには行ったことがある。

同じようなダンジョンであればちょっとがっかりなのだけど。


「ヴェッレットのダンジョンとは違うんですか?」

「ヴェッレットのダンジョンとはちょっと違うな〜まあ行ってからのお楽しみだな!」


お楽しみとか気になる〜!

ギャレンさんは自信満々の顔で言うので、そのダンジョンの場所を報酬にしてもらうことにした。

金欠という訳ではないし、むしろダンジョンならまた珍しいものを手に入れることができるかもしれない!


帰り際にもダンジョンについての情報を聞いてみたが、次の日には案内すると宥められてしまった。

ちょっと不安だが楽しみに待つことにした。


翌日、宣言通り朝からギャレンさんが迎えに来てくれた。

馬車でその秘密のダンジョンまで案内してくれると言うのはありがたいけど、王家の紋章が入っている馬車は遠慮して欲しかった。

乗り込むときにかなり注目されるんですよね〜


そこまで目立ちたくないのに。

王家の馬車に乗るなんて身分違いも甚だしいのに困ったものだ。


気が遠くなりそうな気分を首を振って切り替える。

今からダンジョンに行くんだからね!


「今から行くダンジョンって公開されてないんですよね?そこそこ強いだけならなんで他の人に公開していないんですか?」

「ちょっと特殊なのもそうだが、場所が場所だからな?」

「場所?」

「そう。もう少し進んだところの下にな」


この先って、向かっているのは昨日通った道のりっぽいんですが?

その下ってことは城の地下?!


「そうそう。だから公開するわけにはいかないんだよ?」

「いやいや、城の下にダンジョンができているなら避難しましょうよ!」


あまりの重大な情報に大きな声を上げてしまったが、ギャレンさんは軽く首を横に振った。


「首都ってこともあって簡単には遷移もできないし、攻略を進めていれば魔獣が溢れるってこともないみたいだからな。それに首都にダンジョンがあるなんて公表しても怖がらせるだけだろう?」

「まあ、確かに」


今まで首都に魔獣が出たことがあるなんて聞いたことないから、きっとダンジョンから魔獣が溢れて出てきたと言うことはないのだろう。


いつからあるのか知らないけど、魔獣が溢れないように調整できるノウハウがあるのかもしれないな。

あれ、でも?


「ギャレンさんがなんでそんなこと知っているんですか?」

「王族と高位の貴族には共有されているからな〜俺はまあ王族と血筋が近くて爵位とかにも興味なくて、冒険者としてそこそこ強かったから定期的に潜る冒険者として都合が良いんだよ。あと一応王族はあそこで訓練代わりに潜るようになっているからな」


王族なのにダンジョンに潜るの?

この国の王族は意外と武力寄りなのかもしれない。

クソ母国の王はいつも玉座でふんぞり返っていて、とてもダンジョンに挑めなさそうだったもんな〜


「まあそんなに気にすんな?報酬代わりなんだからタンジョンを楽しめよ?」

「はい!」


ギャレンさんの言う通り、教えてもらったダンジョンを楽しもう!

秘匿されているからダンジョにいる人もそんなにいないだろうし、こそこそせずに探索できそうだ!

いっちょやりますか、ダンジョン攻略!


「じいじ、クリス、アンさん!行きますよー!」


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これにてチートじいじといく出奔勇者の諸国漫遊を一旦完結とさせていただきます。

まだ他の国への漫遊とか、じいじの正体とか、魔王(魔王国の王様)との戦いなど書きたいことはありますが、諸事情で更新が難しくなりそうなので。


ここまで愛読いただき、ありがとうございます!

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チートじいじと行く~出奔勇者の諸国漫遊~ ささのはな @shinox2

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