160 クリス男性の姿

あぁ〜そういえばクリスは姿を変えられたね!

ずっと女の子の姿だったから忘れていたけど、基本的には世界樹だから男女の性別なんてないって言っていたね〜


「ということで、姿を変えてみるね!」


じゃーん!と一回転して現れたクリスの姿はキラキラの王子様みたいなスタイルだった。

金髪碧眼で耳が尖っていればエルフだと言われそうな姿だ。


「すごいですね!幻ではないんですよね?変身する魔法ですか?身長や服装まで変えられるんですね?」

(パチパチパチ)


初めてクリスの姿変更をみたアンさんはラノベ愛読者(確定)なので普通に受け止めていた。

パックちゃんも素晴らしいと鳴らない拍手をしている。

普通はもっと驚くところなんだけどな(白目)


「クリスは世界樹だから姿形を好きに変えられるんだよ。普通はそんな魔法ないからね?」

「まあ、そうなんですね」


ちょっと残念そうにしないで。

ラノベ愛読者(確定)だからってラノベにあったような魔法はそうそうないんだよ!

…多分。


「リサお姉ちゃんどう?」


声までちゃんと王子様ボイスだー(白目)

クリスに言われて男性の姿を再度見るけど…ないな。

思わず顔を横に振る。


「えぇ〜ダメなの?」

「口調がダメなのでしょうか?姿はとても美しいと思いますが?」

「それもそうだね?えっとリサって呼べばいいかな?」

(?)


アンさんの助言にしたがって前髪をフサっと払う仕草をすると決め顔でこちらをみた。

うっ顔がいいな…!

男性の姿にかわいい口調は合わないし、背が高いクリスからお姉ちゃん呼びは違和感しかないので呼び捨てがいいけど、問題はそこではないのだよ!


「あれ?ダメなの?」

「ダメなのですか?」

(?)


3人とも首をコテンと傾けないで!


「そもそも絡まれないためにクリスは男性に変えたんだよね?」

「そうだね」

「えぇ」

(コクコク)


さあ振り返って見よう!

お嬢様風の女性2人とご年配の執事風が1人。

そして美形の男性がいるパーティーを見て、Dランク以下の燻っている冒険者はどう思うか?


「妬みと嫉妬が増えて絶対に絡まれる!特にクリスが!」

「「な、なんだってー!!」」

(ガーン!)


わー見事な揃った反応〜

3人とも思いもよらなかったんだね。

絡まれないためにクリスが男装?するのに、それが目的になっているよ!


「絡まれないためクリスが男性になるならもっと厳ついムキムキ筋肉の男性にならないと無理だね」


どこかのギルドマスターまではいかなくても、もう少し顔の彫りは深くしないとダメだろうな。

今の美麗な細めのスタイルの男性だと、姿を変えても意味はないのだ!

それにだ。


「場合によってはクリスだけじゃなくて、私とアンさんも絡まれるの増えるかも…?」

「今以上に絡まれるようになるの!?なんで〜?」

「…あー私はちょっとわかったかも知れません」


うんうん、多分アンさんの考えていることで合っているよ。

さっすがラノベ愛読者(確定)!

恋愛もの系の冒険小説だとよくあるよね!


「うえ〜なになに?2人だけでわかり合わないでよ〜」

「簡単なことですよ!美麗でスタイル抜群でしかも若いのにすでにDランクの男性を女性の冒険者は放っておかないってことです!」

「そんなクリスの周りにいる平凡な私はもちろん、美人なアンさんも絡まれると思う!」


優秀な冒険者がいれば一緒のパーティになりたいと男女関係なく思うだろうし、さらにそれが美形で有望な男性冒険者なら女性の冒険者は逃さないだろう。

もちろん良心がある人は勧誘はしても断られたら引いてくれるだろうけど、絡んでくるような冒険者にそんな期待はしてはいけない。


「どうする?もっと厳つくムキムキにできる?」

「あーちょっと無理かも?体積って言うのかな、成長が足りないから望むほどムキムキにはなれないな〜あと厳つい顔はちょっと好みじゃないんだよね〜」


ありゃ〜好みじゃない姿になるのは嫌だね。

それは仕方ない。

なら絡まれた時に実力行使で黙らせたほうが結果的に早いか。


「じゃあ前の姿に戻っておくよ!この街ではその姿で一緒にいたしね」

「急に別人が一緒にいたら怪しまれますね」


あー気づかれたら説明するの面倒だね。

特にギルドマスターに見つかったらまた騒動を起こすなー!って小言を言われそうだ。

それは勘弁して欲しい。


「それなら絡まれたらどうする?いっそギルド内では気配を消しておく?」

「それをすると冒険者ギルドの依頼を受けられないのではないですか?」


気配を消して冒険者ギルドにいるなんて怪しいなんてものじゃないだろう!

燻っている冒険者どころか腕に覚えのある冒険者にも絡まれる案件だよ!

依頼を受ける受けないの前の話だよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本作のリサと同じように白目むきたい。

次回、間に合うかとっても不安です…(白目)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る