131 裏ダンジョン4階層攻略
「それじゃいっきまーす!」
宣言通りに3人で火魔法を放ち、ある程度熱が回るまで待ってから氷魔法を放った。
さあ、これでいくらオリハルコンゴーレムとはいえ、砕けるはず!
そう思ってわくわくしながら見ていると、
なんということでしょう!
部屋いっぱいに氷の花が咲き乱れたではありませんか!ってあれ?
「やっぱりそうなった」
クリスがジト目でこちらを見てくる。
はは、部屋が少し凍るかなとは思っていたけど、まさかここまで氷魔法が強力とは思わなかった。
火魔法を使った後だし、薄っすら凍るくらいかと思ったら、意外と分厚い氷ができてしまった。
とりあえず、この氷を溶かしたほうがいいよね?
倒せているとは思うけど、ドロップも何も確認できないし。
さっきの氷魔法は上級魔法だったし、溶かすなら火魔法も上級魔法がいいよね!
「お姉ちゃんっストップ!」
「えっ?」
クリスが制止の声をあげたが、その制止も虚しく火魔法を放ってしまった。
止められた理由がわからず首を傾げたが、その疑問はすぐに解消した。
「リサ様こちらへ」
「ちょっ!」
じいじに腕を引かれ、クリスたちと一塊になりじいじの結界に包まれる。
瞬間、氷に着弾した火魔法がまばゆい光を放ちものすごい蒸気が辺りに吹き荒れた。
その煽りを受けて天井が崩れ落ちてくる。
じいじがとっさに結界で防いでくれたので、私たちに影響はないが、これ直撃していたら無傷じゃすまない威力だ。
多分起こったのは、水蒸気爆発だっけ?多分それだと思う。
魔法の他にも前世と同じような摂理があるから予想より大きな威力になってしまったのだろう。
じいじが守ってくれなかったら、どうなっていたか。
意図せず仲間を傷つけるところだった。
「じいじ、ありがとう〜」
「リサ様は強くなっています。だからその力をちゃんと理解しないといけませんよ?」
「うん…クリスとリアンさんもごめんね」
「リサお姉ちゃんも抜けているところあるからね〜次は気をつけてね?」
「ダンジョンが崩れるとは思いませんでした。とりあえずは上級魔法の連発は控えたほうがいいかと」
うん、上級魔法は連発しない!リサは、覚えた!
というかダンジョンも崩れたりするんだね?
天井が崩れて部屋の壁が壊れ瓦礫の山になった部屋を見渡す。
元あった守護者の部屋の面影はどこにもない状態だ。
「はっ!ドロップは…回収できないかな…」
「ボーナスドロップもあったか確認できないよね?」
例え、ドロップがあっても瓦礫の下に埋もれている可能性が高そうだ。
ゴーレムなら魔石の他にも鉱石などが落ちていたりしたかも知れないのに。
自分の考えなさに落ち込んでしまう。
「リサ様こちらを」
そう言ってじいじが床に置いたのは魔石と青白く輝く鉱石。
そして宝箱!
これはひょっとして!
「こちらで回収させていただきました」
「じいじー!ありがとう!」
やっぱりドロップ品だ!
本日2度目となる感謝をじいじに伝える。
回収できているなんて思ってなかったら、本当に良かった!
まさか宝箱まであるなんて…!
私のせいで全部ダメになったと思っていたから余計に嬉しい。
「リサお姉ちゃん良かったね〜とりあえずボーナスドロップ開ける?」
「あ、開けていいかな?」
危うく仲間に大怪我を負わせそうになったのだ。
それなのに通常ダンジョンでも中々でない宝箱を開けるのはちょっと気が引けてしまうのだけど。
「まあまあ失敗は誰にでもあることだよ!今まで規格外のおじい様しかいなかったから手加減とかいらなかっただろうし。これからだよ!」
「ありがとう〜」
クリスに抱きついてお礼を伝える。
昔は1人だったし、じいじが一緒にいてくれるようになってからも、チートなじいじについていく形だったから、まさか自分の魔法で周りの人を巻き込む事態になると思わなかった。
敵には油断はしないけど、周りを傷つけないように気をつけないといけない。
「さあさあ、ボーナスドロップの中身を確認しよう!」
「うん、クリス一緒に開けてくれない?」
「いいよいいよ!一緒に開けよう!」
怪我させかけたのに、疎まうことなく大らかに受け入れてくれるクリスが仲間で良かったよ。
うじうじしそうな意識を振り払って、気持ちを切り替える。
今は中身の確認に集中しよう!
さて何が入っているかな?
「それではお披露目〜おっ?」
「武器?」
中に入っていたのは細身の剣のようだ。
青白い鞘付きで少し魔力を感じるから魔剣かな?
手に取る前にまずは鑑定する。
【氷奏の細剣】
ミスリルで作られた氷の魔剣
魔力を通すと剣よりアイスアローを放つことができる
おぉ!魔剣で間違いない!
さっきも聞いたけど氷魔法の使い手は少ないらしい、この魔剣は結構なアドバンテージになるんじゃないかな!
クリスとリアンさんに鑑定結果を説明する。
私は氷魔法が使えるし、クリスは剣を使わないので、結果リアンさんに渡すことになった。
ちょっとした押し合いはあったけど、氷奏の細剣はリアンさんがもらうことで落ち着いたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます