130 ダンジョン生活
とはいえ、リアンさんがわざわざ希少だっていうのだから、独り占めはよくない。
欲しい人がいれば分配する約束だったのでリアンさんに確認すると、ちょっと迷った後欲しいと頷いた。
うんうん、リアンさんにも欲しいものがあって良かった。
やっぱり美味しいものはいつでも食べたいよね!
リアンさんもマジックバッグを持っているが、時間遅延タイプらしいので、正式な分配はダンジョンを出た後となった。
収穫したての新鮮な状態で味わいたいから当然だね。
お昼ごはんが終わった後はじいじに新たに作ったダンジョンの森に挑む。
前回の森と同じようにクリスは地図作成に集中し、リアンさんが魔獣の対処を、私はこっそり地図スキルを使いながら薬草や果実の採取をする。
そして時々じいじに助言をもらった魔獣を私が倒していく。
じいじから助言を受ける魔獣は私が欲しいと言ったものをドロップする魔獣だからだ。
じいじは難易度が上がる的なことを言っていたが、さほど苦戦はしなかった。
ただ倒す魔獣とドロップ品との関連性がないものばかりで、リアンさんもちょっと困惑していた。
希望のものをドロップする魔獣を配置するのではなく、その魔獣を倒すとドロップするように調整したように感じるのは気の所為でないと思う。
もうここまでくるとじいじがダンジョンマスターでしたって言われても驚かないよ。
クリスの地図作成の熟練度が上がると、役割を交代してクリスが魔獣討伐を行う。
基本は弓と魔法で倒していたが、森の中では障害物となるものが多い。
また群れで襲ってきた時は弓矢ではすべてを倒すことが難しくなってきた。
群れで倒しきれない魔獣は短剣を使い倒していく。
魔法を使えば群れでも難なく倒しきれるが、近距離戦でも対応できるようになるべく短剣も使うようにしていた。
このダンジョン探索を午前と午後に1回ずつ行い、空いた時間にはドロップした食材でスイーツを中心に食べたい料理を量産していった。
材料が足りなくなれば森ダンジョンに入ってすぐ供給できるし、食べすぎたと思ったら森ダンジョンで運動がてら魔獣を倒すことができる。
あと嬉しいのは魔法の練習が遠慮なくできることだ!
エルフの里でも練習していたが、練習できたのは主に初級と呼ばれる魔法が多かった。
それも魔力操作がまだ拙いため、中級以上の魔法は使えても威力の調整が難しかったのだ。
魔法の師匠のリディさんに魔力操作を教わり、徐々に改善されつつあったけど、エルフの里で本格的に中級以上の魔法を使うわけにはいかなかった。
けれどじいじの作ったダンジョンの森であれば木をなぎ倒そうが、森を消失させようが関係ないので安心して中級以上の魔法を試すことができる。
まあ試してみて、エルフの里で使わなくて良かったと思う威力だったとだけ報告しておく。
中級以上を使った後はリアンさんがビクついていた気がするけど、気のせいだと思いたい。
そんなことを繰り返しているとあっという間に予定していた10日間が迫っていた。
さてどうしようかな。
このまま森ダンジョンを満喫するのもいいし、裏ダンジョンの4階層を攻略してもいいかもしれない。
こういう時は多数決!
「最後に4階層に挑戦していいと思うー!」
「ゴーレムの修行もしていましたからね、いいと思います」
「うん、じゃあ4階層は明日は挑んで帰ろうと思います!」
ということで、今日は森ダンジョン最終日なので採れるだけ採っていく。
またダンジョンにくれば採れるんだろうけど、いくらあっても足りなく感じてしまう人間の性だね。
そうして翌日、気合を入れて裏ダンジョン4階層へ挑む。
通常の40階層の守護ボスはミスリルゴーレムと各属性(火・水・土・氷)のゴーレムが出るらしいんだけど、何が出てくるかと期待していたらまさかの!
「あれは…オリハルコンでしょうか?」
「うっわ!硬そう〜」
「これって物理じゃ無理そうかな?」
ミスリルゴーレムの強化種がでるかと思ったら上位種のオリハルコンゴーレムが出てきましたー!
オリハルコンはラノベとかで聞いたことはあるけど、実際に見るのは初めて。
ミスリルよりどう見ても硬そう。
魔剣でいこうかと思っていたけど、万が一刃が欠けたら嫌なので別の作戦を立てる。
作戦といっても単純なもので、オークの時と同じように魔法で攻めるだけ。
ただ、初級ではおそらく倒せないだろうから、ちょうど練習していた中級魔法を使ってみる。
練習しててよかった中級魔法!
1種類では倒せないと思うので、ラノベの知識を活かして倒そうと思います!
熱膨張?金属疲労だっけ?
正式な名称は忘れたけど、とりあえず高熱で炙ったあとで急激に冷やすと金属に亀裂が入ると言われているやつです。
「ということで、最初は火魔法で攻撃して、次に氷魔法で攻撃します!」
「はい!お姉ちゃん質問です!」
「クリスさんなんでしょうか?」
「なんでさん付け…は置いといて、氷魔法は使えません!」
「同じく使えません。というか氷魔法は使える人が少ないのですが」
ううううん?
氷魔法って使える人が少ないの?
じいじはもちろん、魔法の師匠であるリディさんや族長も使っていたよ?
何なら自分でかき氷作って食べていたような…?
「それは基準にする人が規格外だと思います」
「リサお姉ちゃんが言っている人は一応極めた人たちだからね?」
言われてみれば2人はエルフと里の族長と魔法の先生だった。
一般人と比較してはいけないのかな。
仕方ない氷魔法は上級魔法にして、1人で対応しよう。
上級魔法はまだ威力の調整ができないけど、1人で3人分の氷魔法を放つならちょうどいいと思うし。
倒せないってことはないでしょう!
「じゃあそれで行ってみよう!」
「…倒せると思うけど、ダンジョンの部屋が大変なことになりそうと思うのは僕の気のせいかな?」
「おそらくそうなるでしょう。その時はおじい様にお願いするしかないでしょう」
クリスとリアンさんが何か言ってるけど、まあ大丈夫でしょう!
ダンジョンなんだから、上級魔法でも耐えられるはずだよ!
…フラグとかじゃないからね!
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年末より家族で風邪が大流行中でついに私にも熱の脅威が…!
誤字脱字ありそうですけど、すみあません。
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