ドールズ ～ドールマスターとなった少女は異世界で娘達と旅をする～

２８９．アヤハを甘やかすみたいです。

　『カオリお母様、帝国側の伐採が終わりました。』

　終わりましたって・・・まだ１週間経ってませんよね・・・

　「早いですね・・・」

　『はい、少し頑張りました。』

　少しどころじゃない気がします・・・

　「レイナ・・・帝国側の伐採が終わったそうでよ・・・」

　「早くないですか・・・」

　「ええ、私もそう思いますが、アヤハがそう言っているので、できたんだと思いますよ・・・」

　「アヤハ・・・ありがとうね・・・」

　『はい、レイナお母様。』

　『姉様、ずるいです。イロハも頑張りました。』

　「イロハもありがとうね。」

　変なところで、主張しますね・・・まぁ、主に木を伐採したのはイロハでしょうから、仕方ないですか・・・

　『それでは、カオリお母様。王国側も伐採してきます。』

　「アヤハ、１日くらい休んで行きなさい。」

　『でも、早くできた方がカオリお母様も嬉しいですよね？』

　それはそうなのですが・・・アヤハ達のことが心配ですよ・・・頑張りすぎですからね。

　「たまには、アヤハと一緒に寝ようかと思ったんですが・・・」

　『カオリお母様、１日休憩していきます。』

　やっぱり、甘えたいのですね。アヤハはいつもイロハやコトハの次ですからね。今日はいっぱい甘やかしてあげますよ。

　『カオリ母様・・・』

　「イロハは私と一緒じゃ嫌かしら？」

　『そんなことないよ・・・レイナ母様と一緒に寝る。』

　イロハはレイナと一緒ですか。最近はアリスのところにべったりでしたからね。レイナに甘えるのもいいでしょう。コトハは・・・アリスのところに行ってますね。

　クラン、クルミ、クオンはメイドさんもいますし、アヤハ達も面倒をみてくれるので助かってます。ミルクですか？もちろん自前のものを使ってますよ。ただ、もう３人も産んでいるのにあまり大きくなりませんね・・・何がって・・・言わせないでください・・・

　翌日、アヤハ達は王国側の森を伐採すると言って出かけていきましたが、ミタマがげっそりとしていたようですが何かあったのでしょうか・・・まぁ、何かあったのならアヤハが報告してくるでしょう。報告がないということは特に何もなかったのでしょう。

　また、数日で帰ってくるのでしょうね・・・

　「ねぇ、カオリ。ミタマがかなり疲れた顔をしていたようだけど、あの子達って疲れたりするの？」

　「いえ、しないはずですが・・・コトハ、あなたたちって疲れたりするの？」

　『しないよ・・・一日中働いていられるけど、普段は人と同じように生活するようにってカオリかぁさんが言っていたから、ちゃんと寝てるよ？』

　なるほど、アヤハ達は不眠不休で仕事してたんですね・・・どおりで早いはずです・・・帰ってきたら少しお説教です・・・

　「キク達は疲れたりするのかな・・・」

　『キク達も私と同じだから疲れたりはしないと思うよ。』

　「そうですか・・・では帰ってきたらミタマに直接聞いてみましょう。体に不調があるなら、調整してあげないといけませんからね。」

　それにしても予定よりずいぶん早くに森が出来てしまいましたね･･･女神様に感謝すればいいのでしょうが、素直に感謝できない私がいます･･･なぜでしょうね･･･

　きっと聖女にされたのがまだ心の中にくすぶっているからでしょうね･･･さすがに聖女は無いと思うんですよ･･･

　「これで、畑も作れますし、家を作る材料の確保が出来ますね。」

　「そうね、ここまで早く森ができるなんて思わなかったけどね･･･」

　「いくら女神様にお願いしても、何年もかかると思ってましたから･･･」

　レイナ、私だってそう思ってたんですよ･･･こんなにいきなり出来るだなんて誰も思いませんよ･･･

　「木材はイロハの切ってきた木材があるからそれを先に使いましょう。」

　「そうね、畑も早く作らないといけないけど、まだテントや馬車で生活している人もいるそうだしね。」

　「なるべく早く職人を手配しないといけないですね･･･もし遅れるようなら私がやってもいいですよね？」

　「う～ん・・・それはやめておいた方がいいわね。」

　「なぜですか？私がやれば早く家が建ちますよ。」

　「聖女様の建てた家、などとプレミアがつくに決まってますよ。」

　「レイナ、いくら何でもそんなことにはならないでしょう。」

　２人ともなんでそんな目で私を見るのですか？本当にプレミアがつくんですか？

　「やらない方が良さそうですね･･･」

　「そうですね・・・そうして貰えますか。」

　「わかりました、レイナは職人の手配をお願いできますか。帝国側の道はできていると思いますから。」

　「ええ、わかったわ。帝都まで送って貰える？なるべく急ぎ出来て貰えるよう頼んでみます。」

　レイナを帝都まで送って、アリスも王都まで送りました。どうせ、アヤハ達は数日で王都側の森も伐採するのだから早めに話を付けておくのだそうです･･･

　それがいいかもしれないですね･･･

　私ですか？お城でお留守番ですよ。クラン、クルミ、クオンの３人がいるのですから子守です。本当に可愛いのですよ。