288.使えない子だったみたいです。
『どうして私達がこんなことしなくちゃならないの・・・』
『ミタマだっけ、次もカオリ母様に直してもらえるといいね・・・』
『イロハ、カオリお母様がせっかく直したのですから簡単に壊してはダメよ。』
あれでも、木の根っこを抜くくらいには役に立つでしょうから・・・
『はい、姉様・・・よかったね、姉様がああ言ってくれて・・・』
『ミタマもカオリお母様の役に立たないのでしたら、もう一度封印してもらいますからね。』
『わ、わかったわよ・・・』
『たいして力もないのだから木の根っこを抜くくらい手伝いなさい。』
『剣であんな大木をサクサク切るあの子が異常なだけでしょ・・・』
『あのくらいならコトハでもできるわよ。』
戦闘に不向きなあの子でもできることが、この子たちにはできないのですから、使えない子たちと言われても仕方ないでしょう・・・
『あなた達はみんなおかしいのよ・・・あの女も含めて・・・』
『ねぇ、それってカオリ母様のことを言ってるの?』
あっ、イロハが切れましたね・・・カオリお母様のことをあんなふうに言ったらああなるのはわかっていたでしょうに・・・
『えっ、アヤハ・・・この子を止めてよ・・・』
『カオリお母様のことをあんなふうに言ったのです・・・仕方ないと思いますよ・・・イロハ・・・カオリお母様が後で直せる程度になさい。』
『うん、両手両足切り飛ばして、アイテムボックスにしまうから大丈夫。』
『ちょっと・・・キク・・・助けなさいよ・・・』
『無理なのです・・・カオリ様のことを悪く言ったらダメだと教えたはずなのです・・・』
キクはそんなことを教えていたのですね・・・正解です・・・でも教えられたことができないのなら仕方ありませんね・・・
『ムラクモとハバキリは根っこの除去をお願いね。出来るわよね?』
『『も、もちろんです・・・』』
『ところで、ミタマは木の根っこ掘りをやりたい?どうしてもやりたいならイロハに言ってあげるけど。』
『や、やりたいです・・・根っこ掘り・・・すごくやりたくなってきました。』
『イロハ、今回は見逃してあげなさい。次は問答無用で切り飛ばしてもいいから。』
『わかった・・・』
イロハ、そう残念がらないように・・・そう言ったところをカオリお母様に注意されるのですよ・・・
『イロハ、そこをもう少し左に行って。3本くらい左の木を伐採して下さい。』
『うん、この木でいいんだよね。』
もう一本左です・・・イロハ・・・ちゃんと数えてから切りなさい・・・
『もう一本左です・・・』
『えっ・・・一本くらい余分でもいいよね?』
『ふぅ・・・そうですね・・・この辺りを休憩所が作れるように整地しましょうか・・・』
『じゃあ、この辺り10本くらいまとめて切るね。』
本当にまとめて切りましたね・・・流石にこれが出来るのはイロハだけです。私もこれは無理です・・・
『アヤハさん・・・さっきから随分正確に道を指示してるけど、今どこを進んでいるかわかるの?』
『もちろんですよ。私は今いる位置を上空から見えますから、細かいところまでは分かりませんが、方角くらいは分かりますよ。』
ムラクモは意外と冷静に話をしますね・・・ミタマとは違って使えそうな子でです・・・ハバキリは・・・おとなしすぎますね・・・作業は黙々とやっていますが・・・
『イロハ、そのくらいでいいわ。根っこを掘るのが追いついてないから。』
『4人もいて遅いよ・・・ミタマがサボってるんじゃないの?』
『サボってなんかいません・・・あなたが早すぎるだけです・・・そうよね・・・』
あっ、全員顔を背けました・・・ミタマと同じにはなりたくないということでしょうか・・・ミタマはイロハに目をつけられましたからね・・・そのことをよくわかってるのですね・・・残りの2人は賢いようです。
『キク、ミタマがサボらないようにみていてください。』
『はいなのです。しっかり見張っておくのです、だからイロハも安心するのです。』
『さぁ、明後日までに砂漠までの道を作り終えますよ。』
『明後日までって・・・馬車で1週間かかる距離だと聞いてましたよ・・・』
『ムラクモ、私たちは休憩なしで進めるのですから3日もあればつけますよね?』
『それは・・・』
『それにあなたたちはお母様が修理した時に随分強化されているはずです。木の根っこの除去作業くらいならできるでしょ?』
そのくらいできないと困りますよ・・・カオリお母様の役に立てません・・・
『さぁ、頑張っていきますよ。』
『はいなのです。』
キクだけは元気ですね、キクはいつも役に立ってくれてますからねこの中では1番使える子だと思いますよす。
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