287.大森林だったみたいです。

 「ねえ、カオリ・・・何があったの・・・」

 「えっ・・・何がですか?」

 城に戻ってきていきなりアリスから詰問されています・・・

 「そうですね、カオリはちゃんと説明すべきだと思います。」

 「ちょっと、レイナまで何を言い出すんですか・・・」

 「カオリは、女神様に森を作って貰えるよう頼みに行ったのよね・・・」

 「ええ、そうですよ。森は作ってくれるとのことですのでしばらく待っていればいいと思いますよ。」

 「そうなんですね・・・カオリ、窓の外の大森林を見てからもう1度説明して欲しいわ・・・」

 えっ・・・大森林ですか・・・この城は窓が少ないですからね・・・隣の部屋を覗きに行きましょう・・・



 アリス達の言い分がよく分かりました・・・そうですね、このオアシスでもあっという間に作ったんです・・・森を作るにしてもこの程度のことと行ってましたね・・・

 私はてっきり数ヶ月かけて森が出来るのかな・・・なんて思ってましたよ。教会から出たときにはもう出来ていたのですね・・・

 それも、鬱蒼と覆い茂るような大森林ですね・・・木の伐採が大変そうです・・・


 「アリス・・・別に変なことは頼んでないの。本当だから・・・」

 「まぁ、カオリがそう言うのなら変なことは言ってないって信じてあげるわ・・・」

 なんか、仕方がないから信じました・・・みたいなことになってますが、この際仕方ないです。信じて貰えただけいいとしましょう。


 「それで何をお願いしてきたの?」

 「普通に、森を作って貰う事は出来ないかを聞いただけですよ。」

 「それがどうしてこうなるのでしょうか?」

 「レイナ・・・私が聞きたいです・・・」

 「それで女神様は承諾して下さったんですよね?」

 「ええ、ここから王国まで全部を森にするのがいいか、帝国までかを聞かれました・・・」

 「「えっ?」」

 そう言う反応になりますよね・・・だって普通じゃないですもの・・・馬車で2週間ほどかかる距離を森にするなんて言ってるんですよ・・・

 「だから、半分ずつにして貰う事にしたんですよ・・・」

 「カオリ・・・半分ずつって・・・ここから1週間程度森が続くってこと?」

 「多分そうだと思いますよ・・・私だって驚いてるんですから・・・あまり質問しないで下さいね・・・」

 「そうね・・・女神様のご厚意なのですね・・・」

 「女神様に半分ずつ森にして欲しいと言ったら中途半端なやり方だと言われてしまいましたよ・・・」

 「そ、そうなのね・・・」

 さすがにアリスも言葉がなくなったようです・・・レイナに至ってはもう呆けているようです・・・口が開いてますよ・・・私達だけだからいいですが、女の子としてどうかと思いますよ・・・



 「とりあえず、朱殷しゅあんを飛ばしてこの周辺の地図を作らせますね。」

 「そ、そうね・・・地図は必要かもしれないわね・・・」

 「方々に木材の伐採をお願いしないといけませんね・・・」

 「そうね・・・でも、結構かかるわよ・・・時間もだし人材も・・・」

 『母様、私が切ってこようか?』

 そういえば、イロハは剣でサクサク木が切れるのでしたね・・・

 「そうね・・・お願いしようかしら・・・アヤハがついて行ってくれれば方向もわかるわよね?」

 『はい、カオリお母様。最短距離の方がいいですか?』

 「ねぇ、カオリ。イロハって木を切るのが上手いの?」

 「ええ、剣でサクサク切っていきますよ。」

 「それって、おかしいと思うわ・・・」

 ええ、私もそう思いますよ・・・でも事実なので仕方ないじゃないですか・・・

 「アヤハ、最短距離じゃなくてもいいわ。この間、車で通った道は覚えてるわね?その上でいいわ。」

 『はい、わかりました。キクとあの3人も連れて行きますね。』

 あの3人というのはムラクモ、ミタマ、ハバキリのことでしょう・・・

 「ええ、あの子達も使えそう?」

 『はい、根っこを掘る位はできると思いますから。』

 なんか、評価が低いですね・・・あの3人ってそれほど性能が良くないのでしょうか・・・

 「それならば、コトハが私のそばにいてくれるのね。」

 『はい、カオリかぁさん。』

 ホワイトも、セバスもいます。ここほど安全なところも無いでしょう。



 アヤハ達を見送って、私達は部屋でお茶会ですね・・・

 「それにしてもカオリの所の娘達はすごいですね・・・」

 「でしょ?本当に規格外だから・・・レイナも早くなれないとダメよ。」

 「そうですね・・・カオリだから・・・でいいんですよね。」

 「そうね、それでいいわ。そうとしか言えないでしょ?」

 「はい・・・」

 ちょっと、2人とも何言ってるんですか・・・私が規格外とか・・・カオリだから諦めるとか・・・おかしくないですか・・・

 「2人とも、酷いですよ・・・」

 「ねぇ、カオリ・・・魔王を倒すようなドラゴンを作ったのは誰だったかしら?」

 「はい、ごめんなさい・・・アリスの言っていることは正しいです・・・」

 その辺りのことを言われると辛いですね・・・でも、そんなことを言いながらも私に優しくしてくれるからアリスのことは好きですよ。もちろんレイナも好きですからね。


 「アリスもレイナも大好きですよ。」

 「ちょっ・・・いきなり何を・・・」

 「カオリ・・・」

 あれ?2人とも真っ赤になってどうしたんですか?いつも言ってることじゃないですか。大好きだって。

 なんですか、不意打ちで言われると恥ずかしいですか・・・それでしたらこれからは不意打ちで言ってあげましょう・・・私のことを規格外とか諦めるとか言っているお返しです・・・このくらいならいいでしょう。

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