284.砂漠では難しいみたいです。
「子供ができるとしばらくは動けなくなってしまいますね・・・」
「いいじゃない、しばらくはここでゆっくりすれば。それこそ長生きできるのだから。」
「まぁ、そうなんですけどね・・・」
女神様の加護で寿命が300年ほどになってますからね・・・確かにまだまだ先がありますね・・・
「この子たちが大きくなるまではこの国に居て欲しいと思います。」
レイナもそう思うわけですか・・・それならば仕方ないですね・・・
クランたちが、大人になるまではここにいることにしましょう。300年のうちのたった15年ほどです。まぁ、感じる時間は一緒なので、残りがまだあるだけなのですけどね・・・
「しばらくの間はゆっくりと、この国を育てていきましょうか。子供たちと一緒にゆっくりとです。」
「そうね、あまり急いでも仕方ないのだし、たまにはゆっくりでいいと思うわよ。」
そうですね、王国では一気にやり過ぎてしまった感が否めません・・・
「帝国にはカオリの作ったものを教えてはくれないのですか?」
「そんなことはありませんよ。これから作るものをゆっくりしていくだけですからね。今までに作ったものは、これから帝国にも教えていけばいいと思うのです。」
「それでしたら、帝国も王国並みになるのですね。」
そうですね、今は王国の方がずいぶん進んでますからね、レイナとしては気になるのでしょうね。
「とりあえずは自動車は自国で作りたいです。産業は大切ですから。」
「そうね、でもまずは食べ物じゃない?砂漠のど真ん中にあるからまだ農業とか見込めないもの・・・」
「そうですよ・・・王国からも帝国からもそれなりに遠いですから・・・」
確かに2人のいう通りなのです。早くこの国でも作物が育つ環境を整えないといけないのです。
「そうですね、1番最初は農業からですね・・・失念してましたね・・・」
食べ物は自分でなんとかできてしまうので忘れてましたよ・・・あるのが当然でしたからね。ここでは全くゼロからのスタートでした・・・
「それで、カオリはどうするつもりなの?」
「えっ・・・どうするつもりって・・・」
「こんな砂漠のど真ん中で、どうやって作物を作るのかなって・・・」
「きっと、カオリなら良いアイデアを持ってるのでしょう。」
レイナ・・・その期待の眼差しはやめてください・・・アリスも私が何も考えていないことをわかっていてニヤニヤするのはよしてください・・・ハードルが高くなります・・・
「そ、そうですね・・・」
「カオリ、いい考えがあるんだ?」
アリス・・・意地悪ですね・・・ないってわかっていてさらに追い討ちですか・・・
「帝国では何を作ってるんですか?気候的にはよく似てるので同じものが作れないですか?」
「土が違いすぎるので無理だと思いますよ・・・」
やっぱり土ですか・・・砂漠に土は難しいですね・・・ごっそり土ごと入れ替えますか・・・古の塔の周りでしたら誰も使わないでしょうから大丈夫でしょうか・・・
「カオリ・・・何かおかしなこと考えてるでしょう?」
「アリス・・・別におかしなことなんて・・・」
「じゃあ、何を考えてたのか教えて欲しいんだけど?」
「えっとですね・・・」
今考えていたことを話すと、アリスもレイナも頭を抱えてしまいました・・・なぜですか?1番簡単だと思ったのですが・・・
「ねぇカオリ・・・ゆっくりやるとかさっき言ってたばかりよね、いきなり力技?」
「そうですよ・・・そんなやり方聞いたことがありません・・・」
2人とも、私がやっと考えついた方法をそこまで言いますか?
「なら、アリスは何かいい考えがあるのですか?」
「ないわよ。だって、女神様でもいきなり砂漠を普通の土地にするのはできないのでしょ?私がどうにかできるわけないじゃない。」
開き直りましたね・・・でも、何か考えてくれたっていいじゃないですか・・・できるかできないかは問題じゃないです・・・
「たくさん水を撒いたら、普通に木とかは育たないでしょうか?」
ほら、レイナは何かしら考えてくれてますよ。無理ですけど・・・
「そうですね・・・水をどこから持ってくるかでしょうか・・・」
「カオリが何処かからたくさん持ってくるとか?」
それって、私が土を入れ替えるのと何か差がありますか?レイナもどこか抜けてると思うのですが・・・
しばらく色々考えてみたのですが、即効性があるのは私が土を入れ替えるのが1番です。ただ、ゆっくりと持続可能な方法が必要です・・・それは追々考えましょう・・・最悪地盤を入れ替えて保湿性の高い土にしてしまうしかないですね・・・それはそれで力技ですけど・・・
今やれることは植林と、砂漠でも育つ植物探しですね・・・何かあるとは思うのですが、食べられるものだといいですね・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます