279.砂漠でバイクみたいです。

 騎士団のところに来ています。王国から来た騎士ですから、面識のある人もちらほらいますね・・・よく王都には顔を出してますからね。


 「女王陛下に敬礼。」

 騎士団のところに来たらいきなりこれです・・・アリス・・・後ろでドヤ顔はやめてください・・・あなたがそうするように言ったのですか?私が嫌がることわかっていたでしょう・・・

 「今まで通り普通に接してくれると助かるわ・・・」

 「そう言われると思っておりましたが・・・」

 「アリスですか?」

 「それは・・・」

 そうなのですね・・・答えられないと言う事はそうなのでしょう。沈黙は是です・・・


 「今まで通り、カオリ様でいいわよ。と言うか、そうしてください。」

 「承知いたしました。カオリ様。」

 「うん、お願いね。」

 「ところで、本日はどのようなご用件で・・・」

 「ええ、ここでは馬が使いにくいでしょ?だからこれを使ってはどうかと思って、持ってきたの。」


 バイクを空間収納から出しましょう。まだ試作といった感じなので、カウルとかは付けてませんが、試すには十分でしょう。

 「バイクですか?」

 「ええ、市販のものより少し大きくして色々いじってあるけど、どうかと思って・・・」

 「私たちは鎧も着ておりますし、重量的にかなり難しいかと・・・」

 なるほど・・・鎧ですか・・・確かに重いですからね・・・

 「軽い鎧とかであればいいのですか?」

 「え、ええ。軽くて丈夫なものがあればいいのですが、そういったものは高価で、支給されませんから・・・」

 「アリス・・・何人かを試験的に近衛騎士としてそばにおきたいんだけど・・・」

 「バイクから、鎧まで全部カオリが用意して試してみたいのよね?」

 さすが、アリスです。わかってますね。

 「何人くらいまでならいい?」

 とりあえずですから、4人くらいで試してみたいですね・・・

 「どうせ、カオリのことだから最終的には全員に配りたいんでしょ?」

 あっ・・・それもバレてますか・・・

 「正直な話、砂漠で金属鎧はどうかとは思っているんです・・・もっと軽いものがあればと・・・」

 「確かに足場が悪いものね・・・カオリのいう事はわかるけど・・・」

 「我ら騎士としましては、主人を守るための盾として重くともしっかりしたものを着ておきたいのです。」

 「わかりました。なら、私が全員分用意します。今着ている鎧より軽くて丈夫なものを。それならいいですよね?」

 「カオリ・・・またやらかすつもり?」

 「自分の国の、自分の騎士団です。思い切りやらかします。今回は最初から言っておきますね。」

 「まぁ、何も言わずにやらかすよりはいいかしら・・・」

 呆れられてしまいましたね・・・でもいいですよね自分の国の自分の騎士ですから?

 アリスからの許可も出ましたし大丈夫ですね。


 「あっ、もちろん後で来る帝国の騎士にも同じように渡しますからね。」

 「カオリ・・・帝国の騎士のことも覚えてくれていたのですね・・・」

 「もちろんですよ。ここに来たら、もうこの国の騎士となってもらえるのでしょ?でしたら、もう私の身内同然です。」

 「ありがとう・・・カオリ・・・」

 涙流してまで喜ぶ事ですか・・・別に大したことを言っていないような気がしますが・・・

 ちょっと待ってください・・・なんで、王国から来た騎士まで泣いているんですか・・・訳がわかりません・・・


 「ねぇ、カオリ・・・解ってないようだから言っておくけど、貴女ってどう贔屓目に見たって女神様から愛されていると思うの。その貴女が身内だって言うのよ・・・どんな地位や称号よりその一言が嬉しいに決まっているわ。」

 あっ・・・そう言う事ですか・・・私は家族同様ですよってそんな軽い気持ちだったのですが・・・そう言うふうに捉えられるんですね・・・これからは気をつけましょう・・・


 「では、防具の方は一度考えてからまた持ってきますね。そのバイクはおいていきますので、乗ってみて感想をください。」

 「はい、承知いたしました。」

 とりあえず、これでいいでしょう・・・鎧や盾の素材なんかはまた考えましょう・・・ポリカーボネイトやジュラルミンなんていいかと思うのですが・・・警察とかでも使ってましたよね?あとは、カーボン繊維とかでしょうか・・・

 まぁ、色々作ってみましょう・・・


 「また、変なもの作るのよ・・・」

 「そうですね、楽しみなところもあるけど、ちょっと怖いですね・・・」

 アリスもレイナも小さな声で話しているつもりでしょうが、聞こえてますよ。

 確かに変なものを作るかもしれませんね・・・でも必要なら仕方ないでしょう・・・



 「結構色々決まってきましたね。ここまでできればあとは任せておいても・・・」

 「ダメよ・・・」

 「えっ・・・もう私がやらなきゃいけないことなんてないでしょ?」

 「まだまだ、書類仕事が増えてくるわよ。セバスが頑張ってくれてるしね。」

 書類仕事ですか・・・嫌ですよ・・・全部セバスに丸投げしたらダメでしょうか・・・ダメですか・・・私がやらないといけないことがどうしてもあるのですね・・・領主をやっている時より多そうです・・・


 えっ?たいして仕事なんかしてないでしょうって?それはそうですけど・・・書類仕事は大変なのですよ・・・

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