255.帝都に着いたみたいです。
「おはようございます、カオリ様。」
待っていたのですか・・・なんか逃がしませんよって感じのオーラがにじみ出てるのですが・・・
「もう、逃げたりしませんから安心してください・・・」
私の後ろにメイドさんが1人増えているのに気がついたみたいですね・・・ただ、それについては何も言ってきませんか・・・これ以上何か言って私が帰るとか言わないようにでしょうね。
「昨日のうちに連絡をしておきましたので、いつでも出発出来ますよ。」
そうですか・・・遅くなる分にはどれだけ遅くなってもいいのですが・・・
「わかりました、それでは出かけましょうか。」
「帝国で作らせた自動車を使おうと思います。感想とかあれば頂きたいと思います。」
なるほど、私を乗せてどの程度の物かを判断してもらおうって事ですか。いいでしょう。
「見せてもらおうか、帝国の自動車の性能とやらを・・・」
「はい、存分に見ていってください。」
えっ・・・私声に出してましたか・・・ネタなので、声に出していないつもりでしたのに・・・かなり恥ずかしいです・・・
サスペンションが少し甘い感じですが、まぁまぁの出来ではないでしょうか・・・こうしてみるとラッセルさんの所のサスペンションは優秀ですね。それと、シートにしてもそうです。ちょっと固めですね・・・お尻に振動がきます。ちょっと痛いですね・・・
「なかなかの出来だと思いますよ。改善点はいくらかありますが。」
「例えばどこが悪いのでしょうか・・・」
何点かの改善点を話してあげました。しっかりメモを取っているところを見ると、すぐに作り直させるのでしょうね。頑張ってくださいね。
何泊かしましたが、やはり帝国の宿屋のマットレスは硬いですね・・・貴族用の宿屋ですらこれです・・・
「帝国の宿屋のベッドは硬いですね・・・」
「えっ?貴族用の宿だったと思いますが、そんなに寝心地が悪かったのでしょうか・・・」
顔が青ざめてますよ・・・王国の宿と比べるとですよ・・・安心してください。
「うちの領地にある宿と比べるとです。普通はこんな物なのでしょう。」
「やはり王族ともなるとその位の宿を用意すると言うことですか?」
「いえ、一般の宿屋ですよ。うちの領地の宿は全てここよりいい物を使ってますね。」
「一般の宿屋でですか・・・」
考え込んでますね・・・まぁ、マットレスについてはかなりやらかしましたからね。いえ、他のことも結構やらかしてますね・・・
なんだかんだとありましたが、帝都に到着しました。ここで何日か泊まらないといけないのですね・・・お義父様に会うように簡単には会えないのでしょうから・・・
「それでは、皇帝陛下に目にかかる日が決まりましたらカオリ様を呼びに来ますのでそれまではごゆっくり帝都見物でもなさってください。」
「わかりました。ゆっくりさせて貰いますね。」
と言ってもあんまり見るところなかったのですよね・・・部屋に引きこもることにして家に帰りますか・・・
「ただいまぁ~」
帰ってきました。家でユキとユウゴを可愛がっていた方がいいですからね。それになんと言ってもアリスがいますから。
『おかえりなさい。カオリお母様。』
「アヤハ、元気にしてた?」
『はい、カオリお母様がいなくて寂しかったです。』
嬉しいこと言ってくれますね・・・
「ところで、アリス達は?」
『はい、ユキとユウゴを連れて温泉に行ってます。イロハが付き添っています。』
「アヤハは留守番?」
『はい、カオリお母様がいつ帰ってくるかわかりませんから。』
「うん、ありがとう・・・」
アヤハをいっぱい撫でてあげましょう。皆がいるとなかなか撫でてあげれませんからね。喜んでくれているようですね。
「それじゃあ、今日はアヤハとコトハと3人でゆっくりしようか?」
『『はい。』』
いい子達です。昼間っからですが、ベッドでゴロゴロしますよ。アヤハも久しぶりに甘えてきますね。イロハやコトハ、ユキやユウゴもいますから遠慮して甘えられなかったんですね。しっかりお姉さんしてくれてましたから今日は思い切り甘えていいですよ。
「カオリ様、そろそろ戻られた方がいい時間です。」
そろそろですか・・・時間の経つのは早いですね・・・もう、夕方じゃないですか・・・そろそろ宿に帰っていないといけないでしょうね・・・お昼もこちらで済ませてしまいましたから・・・
「そろそろ帝都の方に帰るね。またあとで来るからね。」
ええ、もちろん寝るのは自宅であるこの城で寝ますとも、わざわざ硬いマットレスで寝る必要はないのです。夕飯の時間に顔を出すだけです。
帝都の宿で夕食を取ってからお茶をしていると、ギルドの娘が来ましたね。
「カオリ様、皇帝陛下にお目通り出来る日が決まりましたので伝えに来ました。」
「意外と早く決まりましたね。」
「はい、カオリ様の作られた自動車に興味を持たれていたので早々に会いたいとおっしゃったそうです。」
「それで日にちはいつ?」
「明後日だそうです。明後日の朝に迎えに来ますので用意をして置いてください。急のことですので服装などは気にしないでもよいとのことです。」
そうですか・・・とは言っても気にしますよね・・・城に戻ってメイドさんに見繕って貰いましょう。普段であればアリスにお願いするのですが、いないので仕方ないです。
「わかりました。適当に手持ちの服でなんとかしておきます。」
その後、少しお茶をしながら自動車のこととかを話して別れました。帝国でもそこそこの自動車が作れることもわかりましたし、この際ポケットコイルのマットレスも渡しちゃいましょうか?自動車の座席に使っている物とは違いますからね・・・
あまりやりすぎるといけませんね・・・こっちでもやらかしていると、またアリスに何か言われてしまいます・・・
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