254.ツケが回ってきたみたいです。
「ただいま・・・」
「おかえり・・・カオリ、どうかしたの?」
あっ、何かあったことはわかりますか・・・顔に出やすいのですね・・・
「ええ、ちょっと困りごとが・・・」
「ホワイトのところに行ったのよね?魔王絡み?」
「いえ、違うのですが・・・ちょっと・・・」
「もぅ・・・なんなの?」
これは、お義父さまのところに行って、一緒に説明した方がいいですね・・・怒られるのは一度で済ませたいです・・・
「お義父さまにも聞いてもらいたい話なので、一緒に王都まで来てもらえますか?」
「また、なんかやらかしたのね・・・」
「はい・・・」
認めましょう・・・私がやらかしたわけではないのですが、巻き込まれたのは確かです・・・
「はぁ~・・・お父様にもってことはかなり大事かしら・・・」
「そこそこ・・・ですか・・・」
大きくため息をついてますね・・・
「早めに行った方がいいのよね・・・」
「はい、今日中に報告したいですね・・・」
その後、扉を使って王都のお城まで行きました。もちろんアリスも一緒です。緊急なので、アリスの部屋に出ることにしましょう。ここ何年か、使われてないはずですが、いつも綺麗にしてありますね。
「急ぎみたいだから、直接お父様の執務室に行くわよ。」
あれっ?急ぎでなくともいつも直接行きますよね?この間も、いつも直接行っているって言ってましたよね・・・
「お父様、いらっしゃいますか?」
アリス・・・扉を開けてから声をかけるのはどうかと思いますよ。中で誰かと会ってるとかあったら大変でしょ?
「なんだ、アリスとカオリか。どうかしたのか?」
書類仕事ですか・・・ちゃんと仕事もするのですね・・・後ろに宰相さまが立ってます・・・監視されながらの仕事ですか・・・
「お義父さまにご相談したいことがあって・・・」
「相談だと・・・厄介ごとか?」
お義父さままでそんなふうに思っているのですか・・・
「えっとですね・・・」
さっき、帝国のギルドまで行って来たことと皇帝に呼び出されたことをかいつまんで話します。
アリスとお義父さまが同じように眉間に手を当ててます、やっぱり親子ですこう言った時の仕草が同じなんですね。
「ねぇ、カオリ・・・どうして1人で帝国に行くのよ。」
「そうだぞ、わしも帝国には行きたいと常々思っておったのにだな・・・」
怒るとこ、そこですか・・・皇帝と会うことになってしまったとかは良いのですか?
「ご、ごめんなさい・・・今度改めて連れて行きます・・・」
「まぁ、それなら・・・」
「うむ、約束だからな。」
いえ、私が聞きたいのはこれからの対応についてです・・・また次の機会に連れて行くとかじゃないのですよ・・・
「お義父さま・・・私はどうすれば良いですか?王国の貴族として会う必要があるのですよね?」
「うむ、そういうことになるな。アリスと結婚しているのだから、王族として会ってもらうことになる。」
王族としてですか・・・私って、いつの間にか王族の末席にいるのですね・・・とんでもないことです・・・
「アリス・・・」
「今回は、私は行かないからね。」
「えっ・・・来てくれないんですか・・・
」
「カオリが1人で帝国に行くからよ・・・」
こんなところで寄り道のツケが回ってくるのですか・・・
「お義父さま、親書とかは・・・」
「今回はいらんだろ?急なことであるからな。」
そうですか、公式の訪問ではないので必要ないということですか・・・今回は私に丸投げってことですね・・・いつも私がやっていることですから何も言えません・・・
一応、簡単な作法とかを教えてもらいましたが、不安いっぱいですね・・・アリスのところのメイドさんを1人借りていくことにします。何かあった時にアリスのところのメイドさんは頼りになりますからね。
いきなり人が増えるのも不自然なんで、私のお供はコトハだけです。何か不都合があれば扉を使って逃げましょう・・・
いろんなことのツケが一気に回ってきた感じですね・・・明日からしばらく帝国でお仕事です・・・
王族としての最初の公務?が帝国で皇帝に会うだなんて大変すぎます・・・このまま逃げるとか・・・それはありえませんね・・・王国に大切なものが増えすぎました・・・この世界に来たばかりでしたらきっと逃げてると思うんですけどね・・・
アリスはいますし、ユキやユウゴ・・・色々関わりすぎましたから・・・
大変ではありますが、頑張りましょう。宿に泊まるたびうちに帰れば良いのです・・・アリスやユキ、ユウゴの顔を見て頑張れば良いのですよ。
皇帝に会って、お仕事が終わったらみんなを連れて観光でもしましょう・・・
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