253.トラブル体質みたいです。

 魔王の角ですか・・・とりあえずは私の空間収納に死蔵ですね・・・今度女神様に押しつけるのが1番でしょう・・・何かと交換して貰えると1番いいのですが・・・



 用事も終わったのですぐ帰ってもいいのですが、ちょっとだけ寄り道をしましょう。この扉があるので、どこに行こうとちょっと寄り道程度にしかなりませんしね。

 先日の入金のこともありますし、帝国の商業ギルドに顔を出しておくのもいいですね。どの位自動車が売れているとかも聞いてみたいです。




 砂漠の近くの町ですね・・・どこか安全な場所に出られますかね・・・町の近くの砂漠が1番安全と言えば安全なのですが・・・町の中にいきなり扉が出てくるのはまずいでしょうから・・・


 と言うことで町の近くの砂漠に扉を出して見ました。町の近くですし、バイクで十分走れそうです・・・



 前回の女の人がいればいいのですが・・・カウンターを見渡すと・・・いましたよ。そこそこ忙しそうではありますが、今まだはカウンターで忙しそうにしてましたが、今は後ろで指示を出す立場のようですね・・・昇進でもしたのでしょうか?

 とりあえずはカウンターにいる他の人に声をかけましょうか。

 「えっと、すみません。あの奥にいる人と話をしたいのですが?」

 とりあえず呼んで貰えればいいですからね。

 「どちら様でしょうか?お約束とかがありましたでしょうか?」

 すごく怪訝そうな目で見られますね・・・女神様の加護のおかげか、こちらに来た頃からあまり成長してませんからね・・・そう、どこもかしこもです・・・

 「約束とかはないのですが・・・ダメですか?」

 「・・・確認してまいります。」

 その胡散臭い物を見る目はやめて下さい。こっちを見てくれましたね。軽く手を振ってみましょう。慌ててこちらに走ってきますね・・・何をそんなに急いでるのでしょうか?

 「カオリ様、ごぶさたしております。あちらでお話しをさせて頂きます。」

 すぐ個室に移動ですか、さっきカウンターにいた人にお茶の準備とか指示してますが別にいいですよ・・・


 「うちの者が失礼なことを言ったりしませんでしたか?」

 失礼なことは言われませんでしたが、胡散臭そうな目は向けられましたね・・・

 「いえ、別にそんなことはなかったですよ。」

 お茶をしながら話をしましょう。どうやら私との契約で昇進したようです。今はカウンター業務を仕切るリーダーだそうです。よかったですね。

 「自動車はどうですか?結構な額が振り込まれたようですが・・・」

 「おかげさまで、好調です。それでですね・・・」

 やっかいごとの匂いがします・・・

 「そうだ、用事を思い出しましたのでこれで・・・」

 「そ、そんな・・・皇帝陛下からカオリ様を連れてくるよう言われてるんですよ・・・」

 やっぱりですか・・・やっかいごとですね・・・

 「私は今日ここに来ませんでした。あなたと会ってもいませんし、何も聞いてません。」

 「それは無理じゃないですか・・・」

 ですよねぇ~・・・

 「それでもですね、私は王国の貴族なんでお義父・・・いえ、国王陛下の許可が必要で・・・」

 「いま、なんて言いましたか?国王陛下が父親だと言いかけませんでしたか?」

 「聞き違いじゃないですか・・・」

 「私・・・大変な人を相手にしてるのかしら・・・」

 なんかブツブツ言ってますね・・・でも、皇帝陛下なんていやですよ・・・

 「なんにしても、許可も必要ですしまた後日ですね・・・」

 「もう来ないとか言いませんよね・・・」

 「その手がありましたか・・・」

 「だ、ダメです、今から会いに行きましょう。すぐ準備させます・・・」

 いやですよ・・・王様とか、皇帝とか面倒ごとばかりじゃないですか・・・あ、お義父様は仕方ないですよアリスのお父様ですから・・・



 結局逃げられませんでしたね・・・一応ですが、王国の貴族なんですけどね・・・貴族なら皇帝陛下に挨拶位して下さいですか・・・正論ですね・・・正論には弱いです・・・

 「とりあえず、宿でも取りますんで出発は後日でもいいですか?」

 「それは・・・そうですね・・・今からと言うのは無理ですから・・・宿の方はこちらで手配させて頂きます。」

 宿の手配もしてくれるのですか・・・助かりますが逃がす気はないって事でしょうね・・・まぁ、逃げようと思えばいつでも逃げられますけどね・・・




 良い宿を手配してくれましたね・・・貴族相手ですから当然と言えば当然なのですけど・・・

 ちょっと扉使って家に帰りましょう・・・アリスに怒られに帰らないといけません・・・お義父様にも小言を言われるでしょう・・・

 ちょっと寄り道のつもりが大変なことになってしまいましたね・・・

 『カオリかぁさん・・・トラブル体質?』

 「えっ・・・」

 『アリスかぁさんが言ってた。「カオリはトラブル体質だから」って・・・』

 アリス・・・酷いじゃないですか・・・否定出来ないのが辛いのですが・・・

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