252.ホワイトは強かったみたいです。
「ねぇ、アリス。今、女神様に聞いてきたんだけど、魔王が復活したんだって。」
「えっ・・・」
「それでね・・・」
「待って・・・魔王って・・・カオリがドラゴン作って・・・」
「えっと、だから・・・」
「ちょっと、待って・・・考えが追いつかないから・・・まずは、お父様に連絡して・・・」
ブツブツ言い始めましたね・・・魔王の事を話したいんですが、私が話そうとするとすぐ遮るんです・・・完全にテンパってますね・・・
「アリス・・・もう、大丈夫だから・・・」
「何が大丈夫なの・・・魔王よ、魔王・・・」
その後アリスをなだめるのに1時間ほどかかりましたが、ようやく落ち着いたようです。
「アリス・・・魔王の話の続きを話したいんだけど・・・いいかな?」
「う、うん・・・ごめんね・・・取り乱しちゃったね・・・」
「仕方ないですよ・・・事が事ですから・・・」
「それで続きって・・・」
「私が作ったドラゴンがいたでしょ?」
「えっと・・・ホワイトだっけ?」
よく名前を覚えてましたね・・・
「そうです。あの子が瞬殺してくれたみたいです。女神様が事後報告だって・・・」
「・・・・・・・・・・」
「えっと・・・アリス?」
完全に呆けてますね・・・事が事ですからね・・・いきなり魔王が復活したって話されて、すぐにもう倒されてましたって・・・
私の話し方が悪いのですか?でも順を追って話すとこうなりますよね?こういう時は結果から話した方がいいのですか・・・次は気をつけることにしましょう・・・次はないと思いますが・・・
「ねぇ、カオリ・・・報告してくれるのはいいんだけど・・・寿命が縮んだわよ・・・」
女神様の加護があるからたいしたことはないと思いますが、言わないでおきましょう・・・何言われるかわかりませんからね・・・
「私も女神様に聞いたばかりですからね・・・」
「別に教えてくれなくてもいいような事よね・・・何もなければそのように過ぎてくだけだもの・・・」
「そうですね・・・ホワイトからも特に魔王を倒したという報告は来てませんでしたからね・・・」
「そうなの?ホワイトが魔王を倒したのならカオリの所に何か言ってきてもいいと思うのにね?」
そうですね・・・ちょっと気になるので後でホワイトの所に行ってみましょうか・・・
「ちょっとホワイトの所まで行くけど、アリスも来る?」
「やめとくわ。炬燵でぬくぬくしてた方がいいし・・・」
そうですか・・・炬燵が気に入ったようで何よりです・・・
「イロハ、一緒に行きますか?」
『アリス母様の傍にいます。』
えっ・・・アリスの傍にいるのですか・・・別にいいのですけど・・・なんか複雑な気分ですね・・・
「アヤハ、一緒に行きましょうか?」
『カオリお母様、ユキとユウゴに遊ぶ約束をしているのですが・・・』
そうですか・・・ユキとユウゴですか・・・それなら仕方ありませんね・・・
「コトハは一緒に来てくれる?」
『うん、コトハがカオリかぁさんと一緒に行くよ。』
「コトハ、いい娘ですね。」
ギュッと抱きしめてあげましょう。頭も撫でてあげますよ。アヤハもイロハも悔しそうな顔をしないように。先にあなた達に声をかけたのですよ?あなた達は用事があったのでしょう・・・
扉を使ってホワイトの所に行きましょう。こっちは領都ほど寒くないですね・・・なるほど火山が近くにあるので多少暖かいのですね。
『ご主人様、久しいのう。ここ1年くらい顔を見ておらん気がするぞ。』
そんなに経ちますか?そこまで経ってないような気もしますが久しぶりなのは認めます。
「そうね、あなたから異常があったとかの連絡がないから安心してたの。」
『確かにこちらは何も異常はないぞ。』
「おかしいですね・・・女神様にあなたが復活した魔王を倒したと聞いてきたのですが・・・」
『魔王・・・いや、記憶にないぞ・・・私はいつも通りこの辺りを徘徊して狩りをしているくらいだが・・・』
「そうですか・・・」
『そういえば半年ほど前にめずらしい魔物を見つけて倒したぞ。』
めずらしい魔物ですか・・・
「その魔物の素材とかは何か残ってますか?」
『角がめずらしかったので取ってあるぞ。ご主人様が欲しいというなら持っていくといい。』
ちょっと鑑定してみましょう・・・
<魔王の角>
強大な力を持った魔王の角。多大な魔力が角に内包されている。
やっぱりですか・・・ホワイトにとっては魔王もちょっと変わった魔物程度ですか・・・
「ありがとう。それじゃあ、この角は貰っていくわね。これからもこの地を守ってあげてね。」
『うむ。何をすればいいのかよくわからんが、今まで通りでよいのならまかせておくといい。』
「それでいいわ。何かあったら呼んでちょうだい。これからはもう少し来るようにするわ。」
「待っておるぞ、ご主人様。」
女神様の言うとおり、魔王は倒されてましたね・・・それにしても変わった魔物ですか・・・魔王も哀れですね・・・
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