207.女神様の加護はすごいみたいです。

 教会の引っ越しも無事終わり、古い教会の取り壊しも終わりました。孤児院も建て終えてやっと人心地着いたところです。


 今、新しい教会でお祈りを捧げているところですが、なかなか女神様がでてきませんね・・・忙しいのか、都合が悪いときは出てこないのか知りませんがしっかりとした教会を作ったのに酷い仕打ちです・・・


 いつもなら1分も経たないうちに現れるのですが、なかなか現れないので嫌がらせ含めて30分ほどお祈りしました。さすがにバツが悪かったのか現れましたね。


 『い、忙しかったのですよ。』

 「せっかくしっかりとした教会を建てたというのに酷い仕打ちですね・・・使徒だなんて・・・」

 『そうですか?カオリは私の為に働いてくれているので邪魔はしないようにと信託を卸しただけですよ。あなたと違って私の言葉を理解出来ないのでどうやって理解したかまでは知りませんが。』

 私と違って女神様の言葉を理解出来ないですか・・・女神様の為に働くから使徒と捉えてしまったと言うことですか・・・それなら仕方ないことですか・・・

 「それでも大変な目に遭いましたから、何かしらの優遇措置を求めますよ。」

 『この世界への貢献もありますし、今後も色々してくれるというのでしたら。』

 それは私の快適な生活にもつながりますので、色々やるつもりですけどね・・・

 「でしたら、簡単なことを2つお願いしてもいいですか?」

 『構いませんよ。』

 「まず、アリスに私と同じ加護を貰えませんか?病気とか怪我とか嫌ですから・・・」

 『あなたと同じ加護ですね。わかりました、あなただけが長寿というのも不釣り合いでしょうから加護を差し上げましょう。』

 えっ・・・私が長寿ですか・・・どういうことでしょうか・・・

 『言ってませんでしたか、私の加護でも最高レベルの加護を与えたあなたは寿命が300年ほどになっているのですよ。』

 「聞いてません。」

 寿命が300年ってどういうことですか・・・アリスと別れてからずっと独り身になるところでしたか・・・

 『これでアリスもあなたと同じだけの寿命を手に入れましたしずっと仲良くして下さいね。』

 また、アリスに色々言われそうです・・・

 「ふ、ふたつめなんですが、ちょっと保留でいいですか・・・」

 女神様の簡単なことのレベルがすごいです・・・危険なことになる前にもう1度よく考えましょう。

 『そろそろ時間のようです。カオリ、よい教会を作ってくれてありがとうございます。』



 礼拝堂ですね・・・さて、アリスに叱られに行きましょう・・・丸1日くらいは色々言われそうです・・・ちょっと覚悟しておきましょう・・・



 「アリス・・・話があるのですが、いいでしょうか・・・」

 「なに、かしこまっちゃって。」

 「えっとですね・・・」

 女神様のところでした話をします・・・アリスの顔が赤くなったり青くなったりして倒れてしまいました・・・そこまで衝撃的なことでしたか・・・300年いきられると言うことですから衝撃的ですね・・・

 「イロハ、アリスをベットに運んであげて。」

 『わかりました、お母様。』

 アリスが気がつくまでベットの横に着いていましょう・・・今回は派手にやらかしてしまった自覚がありますからね・・・



 アリスが寝ている間ずっと手を握っていてあげました。その位しか出来ませんから・・・何時間かして目を覚ましたようです。

 「アリス、おはよう。」

 「おはよう、カオリって、違うでしょ・・・」

 その後は床に正座させられて2時間ほどお説教されました。丸1日は覚悟していたのですが・・・

 「今回は私の為を思ってのことだから・・・その・・・ありがと・・・」

 ツンデレですか・・・可愛すぎますが・・・

 「でも、寿命が同じになってよかったですよ。アリスがいなくなってからずっと1人なんて寂しすぎますから。」

 「わ、私がいなくなると寂しい・・・」

 何言ってるんですか、当然じゃないですか・・・おかしな事を言いますね。

 「アリスがいないなんて考えられませんよ。アリスは私がいなくても平気なんですか?」

 ちょっと意地悪ですけど聞いてみましょう。

 「へ、平気なはずないじゃない・・・いじわる・・・」



 その後はしばらくベットの上でイチャイチャしました・・・思っていた以上に2人の時間が長くなりましたからね。これからもいっぱいイチャイチャしましょう。


 「ねぇ、アリス・・・もう1ついいかな?」

 アリスの眉がピクッとしましたよ・・・表情も険しくなりましたね・・・私がまたやらかしたと思ってるんでしょうね・・・加護の話のすぐ後ですからね・・・

 「何やらかしたの・・・」

 「いえ、まだやらかしてないです・・・」

 「やらかす自覚はあるんだ・・・」

 その後、女神様に簡単なお願いを聞いて貰える話をしました。もちろんアリスの加護も簡単なお願いだったこともです。

 「この加護が簡単なお願いなの・・・」

 「そうですよ・・・ちょっと怖くなってもう一つを保留にしてきました。」

 「カオリ・・・えらいわ。いろいろ考えないとすごいことになりそうね・・・女神様の加護が簡単なお願いなのね・・・」


 その後2人であれこれ考えましたが、領地の発展の為のお願いにするのが妥当ではないかと結論付きました。

 まだ何にするかまでは決まってないのですけどね・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る