195.相談があるみたいです。

 テストを兼ねて、自動車を走らせています。街道がそれほど整備されていないため、スピードはあまり出せないのですが、馬車よりはずっと早いです。

 馬車の3倍から5倍くらいのスピードでしょうか・・・試験運転の時よりずっと早くなってますね。やはりサスペンションとゴムタイヤのおかげでしょうか。

 その代わり、ゴブリンの魔石は5時間ほどで空になりますね・・・1日走るつもりなら途中で取り替える必要があるというわけですね。多少でも魔法が使える人であれば魔力の充填はできる様なので、予備で何個か持っていても大丈夫でしょう。

 町や村でも交換できる体制をとるといいかもしれません。ガソリンスタンドならぬ魔石スタンドですね。

 何にせよ、ゴブリンの魔石に需要ができるのはいいことです。今までゴミの様に扱われてきたものですから・・・

 取り替え方法ですか?電動自転車を参考にしてます。持ち手があって、差し替える様にしました。魔石は適当に中に放り込んでる様な状態です。意外と使えるものなんですね。


 所々ぬかるみがあったりしますね・・・少し街道整備をした方がいいのでしょうね・・・王様に相談しましょうか・・・

 「ねぇ、カオリ・・・スピード出し過ぎじゃない?」

 「そうですか?馬車の3倍くらいだと思いますよ?」

 「十分早いわよ・・・」

 「もう少し早くできますが、道があまり良くありませんからね・・・」

 「街道の整備ですね・・・結構大変な事業ですよ。」

 やっぱりそうですか・・・距離が短ければ自分でやるのですが・・・さすがに王都と領地の間では距離がありすぎます・・・国に任せるのが得策ですね・・・領地付近は私がなんとかしてもいいのですが・・・



 1日走らせて村に到着しました。今日はここで宿泊ですね。一応貴族ですからね・・・お金を落としていかないといけません・・・面倒ですが、仕方ないことです。

 「ねぇ、アリス。相談があるのですが・・・」

 「カオリの相談って・・・ちょっと怖いわね・・・」

 「酷いですね・・・町や村の宿屋を整備したいと思うのだけど、宿屋ごと買い取って運営するって有りだと思う?」

 「運営って、カオリが?」

 「運営って言っても大したことじゃないですよ。設備投資ってお金かかりますよね?だから私がやればいいかなって思って・・・」

 「領地内でならいいと思うけど、領地の外だと問題が出るかもしれないわね。」

 「そうなんだ・・・」

 ベッドとかをいい物に替えてお風呂も作ろうかと思ったのですが・・・領地内の小さな村では声をかけてみましょう・・・ある意味領地の発展に繋がるかもしれないですしね。



 いつものベッドと思うとかなり硬いですね・・・寝心地が良くないです・・・やはり領内の宿屋の改革は必要です。

 私が作ってしまうといけないので、ラッセルさんに大量発注ですね。



 そんな感じで4日ほど走らせるとやっと領地に入りました。次の村は私の領地内なので宿屋の件も大丈夫ですね。少し声をかけておきましょうか。領内なら大丈夫だとアリスも言ってましたしね。


 今日宿泊する村は少し小さな村ですね・・・馬車で移動すると飛ばしてしまう村ですか・・・それで宿屋がないのですか・・・もちろん村長宅に宿泊ということになります。

 自動車が普及してくると、ここが宿泊するのにちょうど良い距離になりそうですね・・・その時にでも村長と話し合う必要が有りそうです。




 やっと領都の一つ手前の町ですか・・・ここはそこそこ大きな町になりますね。それでもやはりベッドはイマイチですね・・・

 ベットの改革は必須です。早急に進められるように考えておきましょう。

 「領都まで後1日ね。本当に10日でついちゃったわね・・・信じられないわ・・・」

 「宿泊する村の関係で10日かかってしまいましたが、村や町の位置によっては1週間で着きそうですね。」

 「10日で十分よ。今までは1ヶ月かかってたんですからね。」

 そう言われればそうですね・・・どうしても前世のことを考えるともっと短縮出来るのではないかと思ってしまいます。もっとゆったりと考えないといけませんね。



 翌日・・・やっと領都に辿り着きました。領主の館に戻って、やることを精査して準備を始めましょう。とりあえずは領都の地図を用意して、教会の増築の為の土地を融通してもらわないといけません。

 ついでといっては何ですが、領都も少し手をかけてやった方が良さそうですね・・・

 やれそうなことはやってしまった方が良さそうです。アリスに怒られない程度でやりましょう・・・

 アリスに怒られるのは嫌ですし、何よりアリスに泣かれてしまうのはもっと嫌ですから・・・

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