194.お祖母様と呼ぶみたいです。

 シャーロット様のところに来ています。あの後、シャーロット様も着物を作らせたようで、着物でのお出迎えでした。メイドも着物にエプロンですか・・・徹底してますね。メイドさんはみんな着付けを覚えたのでしょうか・・・大変ですね・・・


 「シャーロット様、ご無沙汰しておします。」

 「まぁまぁ・・・シャーロット様だなんて他人みたいな・・・アリスと同じようにおばあさまと呼んでくれないのかしら?」

 「えっと・・・お祖母様・・・」

 「アリスもカオリもよく来てくれましたね。」

 私たちがきたことを大層喜んでくれました。アリスが言った通りですね。やっぱり孫は可愛いものなのでしょう。

 「お祖母様、これ、お土産です。」

 「まぁ、何かしら?」

 メイドさんに渡そうとしたらお祖母様に持っていかれました。本当はダメですよね?

 「カッパとエビのお菓子です。」

 「あのお菓子ですね。」

 「ええ、やめられないし、止まらないあのお菓子です。」

 「それじゃあ、お茶を用意させましょうね。」

 緑茶ですか・・・あるのですね。紅茶があるのですから当然と言えば当然ですね。

 お祖母様とは色々な話をしました。もちろん自動車の話もしましたし、計画中の鉄道の話もです。


 「そうすると、自動車を使えばカオリの領地まで1週間ほどで行けるのね。」

 「そうですね、そのくらいで行けると思いますよ。」

 「オートマ限定でも大丈夫かしら?」

 「大丈夫ですよ、ゴーカートみたいなものですよ。」

 「ねえ、カオリ。おーとまとか、ごーかーとっていうのは何なの?」

 ああ、異世界の話ですからね。アリスにはわからない言葉ですね。

 「そうですね・・・オートマというのは運転の難易度だと思ってください。ゴーカートというのは自動車の種類ですね。」

 ちょっと違うのですが、この方がわかりやすいでしょう。

 「お婆様とカオリしかわからない話をして、私は除け者なの・・・」

 拗ねちゃいましたか?ついつい盛り上がってしまいましたからね。

 「ごめんね。アリスを除け者にするつもりなんて、これっぽっちもないですよ。」

 「クスッ・・・そんなのわかってるわよ。ちょっと揶揄ってみただけ。」

 ちょっとした悪戯ってことですか・・・私達しかわからない話をしていたのも事実ですから、そう言った話は少し控えましょう。

 「カオリの領地まで1週間で行けるのであれば気楽に孫の顔を見に行けますね。」

 「少し先になりますがお祖母様にも自動車をご用意しますね。」

 お祖母様にも自動車を用意しましょう。できれば領地で作れる様になった後がいいですね。あっ、お祖母様に渡すのは私が作りますよ。当然ですよね。



 夕食までご馳走になって、屋敷に戻りました。さすがに、和食はまだ用意できないようで、現在試行錯誤中だそうです。

 何か作れそうなものがあれば今度提供しましょう。お祖母様の為なので、自重無しで作りますよ。

 海から遠いためにお刺身が食べられないのが残念なのだそうです。領地で採れた魚を私が運んでこればいいのですね。次に来るときは持ってきましょう。

 私の空間収納であれば時間経過は無視出来ますから、いつでも新鮮なお刺身を食べることが出来ます。



 「アリス、明日にでも領地に向けて出発したいのですが・・・」

 「構わないわよ、でもその前に食料とか少しは買い出しした方がいいと思うわ。」

 そうですね・・・いくら私がスキルで料理を出せるからといって全く食料を持っていないというのもおかしな話ですからね。

 「わかりました。明日は色々買い出しをして、明後日くらいに出発しましょう。」




 昨日は、食料や足りない物を買い込みました。足りない物といってもほとんど食料だけだったんですけど・・・夜は町や村に泊まる予定ですので、野営も必要ありません。自動車のスピードであれば、1日で村から村への移動が出来ますからね。

 本当ならもう少し速く走ることも出来るのでしょうが、道が舗装されていないので揺れが激しくなるのですよ・・・

 サスペンションをもっとしっかりしたのにすればいいのでしょうが、今の速度でもうまの4~5倍の速度ですから十分でしょう。


 さて、領地に向けて出発です。自動車のテストもかねてですからね、1週間から10日ほどかけてゆっくり行きますよ。

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