193.カッパとエビみたいです。
ここ2日ほど、狩りをしたり、町中でデートしたりしてアリスと過ごしました。まぁ、デートと言ってもぶらぶらしただけですけど・・・タイランスって特に見るところないんですよね・・・
アリスは私と一緒に出掛けられればそれでよかったようでイチャイチャしながら歩いていただけです。まわりから生暖かい目で見られていましたが、アリスが喜んでいたので無視することにします。昼間はアリスを可愛がりましたから、夜はアヤハ達を可愛がってあげましたよ。不公平はいけませんからね。
今日は、商業ギルドでギルドマスターとお話しです。イザベラさんを引き抜くことになりますからね。少なからず迷惑をかけることになりますから、しっかりと話し合いをしておきます。
結果としてはアリスの言っていた通りになったのですが、あまりにも簡単に行きすぎて拍子抜けしました。やはり貴族ってそれなりに権力があるのですね・・・私が侯爵だからですか・・・
イザベラさんは引き継ぎもあるということなので、来月からうちで働いてもらうことになりました。しばらくは店舗を任せましょうか・・・もう1人誰か雇って貰えば、メアリとジェーンを私のところに呼び戻せます。
こうして考えてみると、いいことだらけですね。
「ねえ、アリス。いろいろやることが増えてきたので、教会を早めに立てたいと思うのですけど・・・」
「1ヶ月後って言いましたよね?」
「でもですね・・・」
「言いましたよね?」
「それはそうなのですけど・・・」
「カオリの自動車で領地まで行くと何日くらいかかりますか?」
「そうですね・・・1週間から10日くらいでしょうか?」
「そう・・・なら、カオリの自動車のテストを兼ねて領地に向かいませんか?」
「領地についたら、教会を作ってもいいのですか?」
「それでいいけど、だからと言ってスピードを出しすぎるのはダメだからね。」
なんだかんだ言って、アリスは優しいですね・・・
「わかってますよ。では一旦王都に戻ってから準備をしましょう。」
王都のお店はうちのメイドに任せてあるので大丈夫だと思いますが、もう一人いた方がいいですね。王都と比べるとタイランスのお店の方が暇でしょうから、メアリを王都に連れて行くことにします。これで王都のお店が少しくらい忙しくなっても大丈夫でしょう。
一月ほどしたらイザベラさんを受け入れるために、タイランスまで戻ってこればいいのです。結構忙しいですが、時間は取れますね。
王様には会いましたが、シャーロット様には会ってませんでしたね。一度ご挨拶だけしておくことにしましょう。同じ異世界人ですし、お婆様になるのですから・・・
「シャーロット様に会いに行こうと思うんですけど、ご迷惑になりませんよね?」
「あら、可愛い孫が2人して会いに行くのよ。迷惑なんてありえないでしょう。」
「自分で、可愛いって言いますか?」
「カオリは私のこと可愛いって思わないの?」
「可愛いですけど・・・」
「カオリもすごく可愛いですよ。だからいいじゃない。」
なんかはぐらかされた気がしますが、まぁいいとしておきましょう。
念のため、先触れを出してご予定を確認しておきます。いくら孫が会いに行くと言っても、相手は王族なのですからちゃんとするところはちゃんとするべきでしょう。
シャーロット様のところには2日後に伺うことになったので、少し時間ができましたね。
何かお土産でも持って行きましょう。幸い料理スキルは禁止されてませんし、お菓子や料理は作ることができます。
シャーロット様はポテチが好きでしたからね、今回はカッパとエビのお菓子を作っていきましょう。手が油でベタベタするから箸を使って食べた記憶があります。シャーロット様はどうだったんでしょうか・・・
「カオリ、なにしてるの?」
「シャーロット様のところに持って行くお土産を作ってるんです。」
「味見してもいいかしら?」
「いいですよ。食べ始めるとやめられませんよ。」
「そ、そうね・・・止まらないわ。」
なんて会話をしながら結構な量を味見してしまいましたので、追加で作っておきます。
ほんとやめられませんよね、このお菓子・・・
今日はシャーロット様の所に行くのですが、せっかくですからまた着物を着ていきましょう。もちろんアリスにも着せますよ。作り帯ですから着付けも簡単です。アヤハ達の分はいいのですが、私とアリスの分は振り袖ではおかしいので留め袖にしておきましょう。別に振り袖でもいいのですが、既婚者?ですからね・・・
「これって、カオリがいた世界では代表的な服だったんですよね。」
「そうですよ。」
「イロハ達が着てるのと少し違うようだけど・・・」
「そうですね、私達のが留め袖。イロハ達が着てるのは振り袖と言います。留め袖は既婚者が着る着物ですね。」
「私とカオリが結婚してるから留め袖なのね・・・」
さて、これで準備も出来ましたし、シャーロット様のところに向かいましょう。
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