190.引き抜くみたいです。
まずは、メアリとジェーンのメンテナンスをしましょう。しばらくメンテナンスしてませんでしたから異常がないか心配です。
「メアリもジェーンこっちにいらっしゃい。」
『『はい、お嬢様。』』
2人を呼んでメンテナンスをかけます。おや、ジェーンの腕に包帯が現れましたね・・・どうかしたのでしょうか・・・
「ジェーン、左腕・・・どうかしたの?」
『申し訳ありません。先日、鎧が倒れてきて下敷きになってしまったのです。』
「鎧って・・・他は大丈夫なの?」
メンテナンスで腕以外なんともないところを見ると大丈夫なのでしょうが、気にはなります。
『はい、お嬢様。ご心配をおかけしました。』
「鎧が倒れてくるなんて、何をしてたの・・・」
『はい、鎧を磨いていたらバランスを崩してしまい・・・』
そうでしたか、私はクリーンの魔法を使ってましたからね・・・クリエイトが解禁になったら、クリーンを付与した掃除道具を何か作りましょう。
窓のところに鳩が来ているところを見ると、ちゃんと手紙は届いたようですね。
「ところで、Tシャツは王都に送ってくれたの?」
『はい、工房の方に手配をして昨日発送いたしました。』
入れ違いですか。でも、ちゃんと仕事をしてくれていて安心しました。
『本日は王女殿下もご一緒なのですね。』
そういえば、この子たちには話してませんでしたね。
「私はアリスと結婚したので、これからは私と同じ様に接してちょうだい。」
『わかりました。では奥様とアリス奥様と呼ばせていただきます。』
屋敷と同じですね・・・まぁ、それでいいですけどね・・・
「この子たちも人形だったのですか・・・」
「ええ、そうですよ。いい子たちですよ。」
「まだ、増やすつもり?」
「どうでしょうか・・・必要なら増やすと思います。」
「きっと増えるのでしょうね・・・」
呆れられてしまいましたね・・・でも、増えるんでしょうね・・・
昨日はあのあと、ゆっくりとお風呂に浸かってから、コトハのマッサージを受けました。アリスはイロハにしてもらってたみたいですが、痛くないのでしょうか?不思議です・・・
今日は、工房と、商業ギルドをまわって、その後ガンテツさんのところに行きましょう。私が留守の間いろいろ迷惑をかけたでしょうから。
工房の方は挨拶だけで終わったのですが、商業ギルドの方は結構大変ですね・・・
「スズキ侯爵。事業を拡大しませんか?」
「えっと・・・事業って・・・」
「今ある工房では生産が大変でしょうから、もっと大きな工場を作りませんか?」
「あれで十分なのでは?」
「いえいえ、今後もっと売れる様になりますよ。ですから・・・」
現在の売上、購買層の拡大・・・いろいろ話をされて、商業ギルドができる限りバックアップしますとまで言われました・・・
私の店が儲かると、イザベラさんの成績に繋がるんでしたね・・・だから積極的なんですね・・・でも、いろいろ調べてますね・・・かなり有能なのではないでしょうか・・・
「わかりました。では工場を大きくすることにしましょう。土地を探しておいてもらえますか?」
「はい、三箇所ほど見繕ってありまして・・・」
この子やっぱり物凄くできる子ですね・・・
「あなたみたいな子が、うちで働いてくれたら助かるのにね・・・」
「えっ・・・雇ってもらえるのですか?」
「でも、ギルドの職員ですよね?」
「商業ギルドって安定した職業ではあるけれど、あまりお給料よくないんですよ・・・こうして良い商人と巡り合わないと給料は上がりませんから・・・」
「意外と大変なんですね・・・」
「それで、雇っていただけるんですか?雇っていただけるならすぐにでも退職届出してきます。」
この子、行動力ありすぎますね・・・でも、悪い子じゃないと思います。
「アリスはどう思います?」
「私は商売のことはよくわからないけど、有能だとは思うわよ。」
アリスもそう思いますか・・・頭の回転が速いし、要領もいいのですよね・・・いっそのこと雇って、繊維関連全部丸投げしますか?
「そうですね。しばらく考えさせてもらって、それから返事をしましょう。それでいいですか?」
「は、はい。よろしくお願いします。」
管理職1人ゲットですか?イザベラさんを雇っておけば、私は領地の方を見れば良くなりますからね。いろいろ私のことを話さないといけなくなりますが、人材確保のためなら仕方ないとも思えます。
私を信用してもらうためにはそのくらいはしないといけませんからね・・・信用無くして信頼はあり得ないでしょうから・・・
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