189.魔王はおいとくみたいです。

 アリスにはなんとかしますと言ったもののどうしましょうか・・・女神様から何かしらの力をもらえるはずですがそれも併せて考えないといけません・・・

 なんと言っても、魔王がどれほどのものかがわからないと対策すら立てられません・・・私が守られるだけの存在では、アヤハ達が戦えないので私の防御力の強化でしょうか?それとも攻撃力?

 考えることいっぱいです・・・何にしてもエルダードラゴンを倒してしまった為パワーバランスが崩れたというなら仕方ありません・・・



 「ねぇ、カオリ・・・危ないことはやめてね・・・」

 「そうは言われても、アリスを守る為ですから少しくらい無茶をしますよ。」

 「で、でも・・・」

 「なんとかなりますよ、アヤハ達もいますしね。」

 「う、うん・・・」




 魔王ですか・・・数年先ですよね・・・出てくる前に倒すって有りですかね・・・女神様に聞けば場所くらいはわかると思うんですよ。

 そこに質量兵器を嫌というほど落としてやればなんとかなるのではないでしょうか・・・人が少ないところなら地形が変わったって問題ないでしょう。

 そうですね、魔王が出てくるまで待つなんてナンセンスです。勇者とかじゃないのですから、正面から戦おうなんて考えるからダメなんですよ。


 まぁ、上手くいけばの事ですが・・・とりあえずその方向で進めましょう。

 魔王に関してはいったん保留です。わからないことが多すぎるので、また女神様に色々聞きましょう。




 「魔王のことはいったん置いといて、明日はタイランスに出かけませんか?」

 「ねぇ、カオリ・・・魔王よ、世界の危機なのよ?どうしてそんなに平然としていられるの?」

 「う~ん・・・なんとなく方針が決まったから?」

 「カオリ・・・魔王を倒せるって言うの?」

 「たぶん・・・」

 「たぶんって・・・」

 「だって、エルダードラゴンと同じくらいの強さらしいですから・・・」

 「ごめんなさい・・・カオリの判断基準を見誤っていたわ・・・」

 「私の判断基準って・・・」

 「普通じゃ無いって言ってるの・・・普通はエルダードラゴンなんて倒せないし、魔王と戦おうとも思わないの・・・」

 確かにそれは言えてますね・・・だけど仕方ないじゃないですか・・・倒しちゃったものは・・・

 「でも、大好きなアリスを守る為なんですから、戦うほかないじゃないですか。」

 「国を守る為じゃなくて?」

 「う~ん・・・それはついでですね。アリス守ることが国を守ることになっちゃっただけです。」

 「私の為・・・私の・・・カオリが・・・」

 なんかブツブツ言い始めましたね、顔を赤らめながらクネクネし始めました・・・悪い病気でないといいのですが・・・

 あっ、いえ・・・わかってますよ。そんな鈍感ではありませんから。

 とりあえずはしばらくほっておきましょう。後はメイドさん達に任せておきましょう。

 「アヤハ、明日はタイランスに行くからね。しばらくメアリ達にも会っていないし。」

 『はい、お母様。きっとメアリ達も喜びます。』

 そうですね、喜んでくれると嬉しいですね。でも、「どちら様でしたっけ?」なんて言われないでしょうね・・・少し気がかりです・・・




 ゆっくりとした旅ならば馬車を使うのですが、とりあえずタイランスに行くだけが目的なので扉を使いましょう。

 「今回は扉を使うけど、私とアリスそれとメイドさん1人でいいかしら?」

 「ええ、いいけど・・・5人まで通れるのよね?」

 「そうですよ。何かあったときの為に2人分空けておきたいのです。」

 何かあったときの為、余裕を見ておくことは大事ですよ。

 行く先はタイランスの私の部屋でいいでしょう。誰かの目に付くこともありませんし、確実ですから。



 ほんとこの扉は便利ですね・・・一瞬でタイランスまでこれました。私が来たのがわかったのでしょうか・・・下から誰か来ますね。まぁ、誰かってメアリ達しかいませんけどね。

 『お嬢様、お帰りなさいませ。』

 メアリ・・・扉を蹴破るほどの勢いで部屋に入ってくるのはどうかと思うけど・・・

 久しぶりと言うこともあるので許しましょう。

 「うん、ただいま、メアリ。元気だった?」

 『はい、お店の方も順調です。』

 そう、お店も順調なのですね。でも、私としてはお店よりもあなたの方が気がかりですよ。しばらくメンテナンスしてませんでしたからね。

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