164.非常識だったみたいです。

 さて、これで2人増えたことになるのですが名前を決めないといけませんね。代官とは行っても執事のような感じですから・・・名前は・・・ギャリソン、うん、ギャリソンにしましょう。メイドの方はどうしましょう・・・アンナ、アンナにしましょう。

 これ以上増やすと名前が思いつかなくなります・・・増やさないようにしましょう・・・

 2人を起こすと、早速やることについて説明をします。さすがにそれ専門に創っただけはあります。2人とも仕事が速いです。

 問題点を洗い出し、必要なことだけ私に決済を求めてきますね。別に全部やってもらっても構わないのですが、決済くらいはやらないといけないでしょう・・・

 「本当に非常識ね・・・カオリに知識が無くても作った人形には必要な知識があるなんて・・・」

 「ええ、私もそう思いますよ。」

 この非常識な使用人達がいてくれないことには私が色々なことを覚える必要が出てきますからね。チート能力様々です。

 「ギャリソン、この領都の再建は出来そう?」

 『はい、カオリ様。人員の補充と建物の補修をカオリ様にお願い出来れば。』

 「人員の補充はしばらく時間がかかるわよ。建物の補修は私がやればすぐかもしれないけど。」

 何かギャリソンが不思議な目で私を見ていますね。

 「どうかしましたか?」

 『いえ、カオリ様に何人か創っていただこうかと思っていたので・・・』

 はぁ~・・・私が人員補給をすると言うことですか・・・足りない分を創れと・・・セバスといい、ギャリソンといい結構言ってくれますね・・・

 「ちなみに何人くらい必要なの?」

 『さしあたって、私の下で働ける者を5人ほど。』

 5人ですね・・・わかりました。私が楽する為です。創りましょう・・・力仕事が出来るものを4人と事務が出来るものを1人ですか・・・

 「ねえ、カオリ・・・人形だらけの町とか作らないわよね?」

 「ええ、予定はないですね・・・」

 でも人形の館にはなりそうですね・・・蝋人形の館でないだけいいです・・・



 「ではあとのことは任せてしまっても大丈夫ですか?」

 ギャリソン以下6名に声をかけていきましょう・・・

 『はい、運営の方はお任せいただければ大丈夫です。』

 まぁ、任せておけば良さそうですね。

 「アリス、領主の館なのですから私の部屋もあるでしょう。そちらで少し休みましょう。」

 「そうね、私も疲れたわ。主にあなたを見てたせいですけど・・・」

 酷い言われようですね。アンナに部屋まで案内してもらいます。代官が使っていた部屋は使いたくないのでアンナに言って片付けさせましょう。私達はしばらく客間を使うことにします。

 『お母様は私達を創られてから何人もの人形を創られましたが、妹は作って下さらないんですか?』

 え、あなたたち3姉妹でしょ・・・その下が欲しいの?コトハが期待のまなざしを向けてますね・・・

 「い、今のところは予定がないかな・・・」

 そんなにがっかりしないで下さい、特にコトハ。その世界が終わったみたいな目は何とかなりませんか・・・

 「カオリは、まだ作るつもりなんですね・・・」

 「え、えっとですね・・・」

 こんな板挟みの状態で創るとも創らないとも言えませんよ・・・

 「まぁ、そこまで全部含めてカオリと一緒になったんだから何も言いませんよ。でも、作るときは一言いってね。」

 「そうですね、声をかけるようにします。」



 この館もあくまでも行政府ですから私の家とは違いますね・・・もしこの領地の方に住むことになったら、家を別に作らないといけませんね。

 そういえばアリスが綺麗な岬があるとか言ってましたか・・・そこにお城を建てるのもありでしょうか・・・

 お城が欲しいとか言ってましたからね・・・材料は・・・木材と石がたくさんですか・・・石などは地盤削って何とか出来るかもしれませんが、木材はどこかで調達ですね・・・足りない分は魔力で補うのでしょうが、大きさが大きさです。分割して作ったりする必要がありますね・・・

 なんと言ってもまずは場所と材料です。


 「そういえば、綺麗な岬があるって言ってましたがこの近くなんですか?」

 「海賊が根城にしてるって話ですけどね・・・」

 「その海賊は殲滅ですね・・・」

 「カオリに目を付けられた海賊が哀れだわ・・・」

 アリスって本当に酷いですね・・・私を何だと思ってるんでしょうか・・・

 「ちょっと酷くないですか・・・」

 「でも、カオリは私の為に海賊を倒してくれるんですよね?」

 その上目遣いはダメですって・・・そうやって可愛い顔して言われてしまうとこれ以上何も言い返せなくなるじゃないですか・・・

 「が、頑張りますけど、あまり酷いこと言わないでください・・・」

 「でも、本当の事よね?海賊ごときドラゴンスレイヤーのカオリに敵うわけ無いじゃない。」

 「で、でも、ドラゴンを倒したのは私ではないですよ。」

 「あなたの作った人形。いえ、娘達が倒したんですもの同じよ。」


 ちょっと照れくさいですよ・・・

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