163.代官を創るみたいです。
まずは町の正常化が目標ではありますが、政治や、経済に疎いので容易なことではないですね。
「それで、カオリはどうするつもりなの?私は行政についてはほとんど知らないから手伝えないわよ。」
「経済なら大丈夫ですか?」
「カオリも、意地悪ね。ダメなことがわかっていて聞いているんでしょ。」
まぁ、そうですが、アリスの拗ねた顔も可愛いじゃないですか・・・ちょっと見たかっただけです。
「そうですね、行政や経済に明るい人を用意しないといけませんね。」
「お父様にお願いして、王都から来てもらう?」
「2ヶ月近くかかりますよね?それまで行政を担うものがいないというのも困ります。いっそのこと創りますか?」
「・・・また、何かするの?」
「悪いことするわけじゃないですからね。この際、背に腹は変えられません。」
「ちなみに、何を作るのか聞いていい?」
「えっ?話の流れから代官を創るに決まってるでしょ。」
「本当に、カオリって非常識ね・・・」
「そこまでいいますか・・・アヤハ達だって、家のメイドや執事だって私が創ってるんですから今さらでしょ。」
「はぁ・・・好きにしてください・・・そういえばカオリがいろんなものを作るのを見て来ましたが、人形を作るのは初めてだわ。」
「そうでしたか?いつもと変わりませんよ・・・材料を用意して創るだけですから。」
しっかりしたものを創らないといけませんから、メインはドラゴンの素材ですね。エンシェントドラゴンのものを使いましょう。1枚だけ古龍の鱗を混ぜましょう。
「ねえ、素材ってドラゴンの素材なの・・・」
「ええ、今回はエンシェントドラゴンの素材を使おうと思います。」
「贅沢ね・・・最後の鱗は?なんか雰囲気が違うけど・・・」
雰囲気が違うですか・・・そんなことがわかるのですね・・・
「そうですね・・・アヤハ達にも使ってる素材の残りですよ・・・」
「何か聞いていい?」
「・・・・・・・・・・」
「私にも言えないようなものなんだ・・・」
ずるい言い方ですね・・・そんなふうに言われたら答えないわけにはいかないじゃないですか・・・
「古龍の鱗です・・・」
「・・・・・・・・・・」
ほら・・・黙っちゃったじゃないですか・・・驚いてるのか、呆れているのか・・・
「アリス・・・」
「いいわ・・・これからは素材については聞かないことにする・・・私の常識までおかしくなりそうだから・・・」
それって酷いですよね・・・私の常識はおかしいと言っているようなものじゃないですか・・・
とりあえず作業を続けます。行政と経済に明るくて、人当たりがいい人がいいですね・・・メガネをはめたインテリっぽい人がいいでしょうか・・・別にイケメンである必要はないですが・・・
それでは、アッセンブルドールです。目の前に繭が現れます。いつも通りです。
ついでなので、お手伝いしてもらうメイドを1人作っておきましょう。自重も、遠慮もしませんしっかりしたのを創りましょう。2つ目の繭ができました。3時間くらいですか・・・
「3時間くらいかかりそうなので、その間お茶でもしますか?」
「そ、そうね・・・カオリの非常識さには慣れないとダメなのね・・・」
「私って、そこまで非常識ですか?」
メイドさん達、そこで頷かないでください。
「じゃあ聞くけど、カオリは常識あると思ってるの?」
「・・・・・・・・・・」
「ほら、自分でも自覚してるんじゃない。私がカオリに慣れていくからいいわよ。」
その諦めの表情はやめてください。悲しくなります・・・
「ところで、アリスは教会に知り合いはいたりしますか?」
「教会ですか?」
「ええ、この町の教会がかなり小さかったですから、少し大きく造り直そうかと思うのですよ。さすがに勝手にやるとまずいでしょうから・・・」
「そうですね、お父様から大司教様に話を通してもらえるよう頼みましょうか。」
「そうしてもらえると助かります。人員も増やしてもらえると嬉しいですね。もちろん教会の建て替えは私の方でやりますよ。」
「では、お父様に手紙を書いておきますね。」
その後はゆっくりとお茶の時間です。ここしばらく甘い物を我慢してましたからね・・・少しくらいならいいでしょう。そこそこ材料もありますからショートケーキでも作ってあげましょう。もちろん苺の乗ったやつです。
ケーキは私が用意しましたが、お茶はアリスのところのメイドさんが準備してくれました。
繭が煙になっていきますね・・・ちゃんと出来ているか確認です。
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