160.お城が欲しいみたいです。
領地に向かって出発と思いきや・・・馬車の前で一悶着です。誰が私と一緒に乗るかだそうです・・・そんなこと考えてなかったです・・・
そうですね・・・私とアリス、これは決定でしょう・・・アリスのところのメイドさんを1人とうちの子を誰か1人ですね。あとはもう1台の馬車ですね。誰か1人が護衛として馬に乗って貰えばいいでしょう。
アヤハ達がジャンケンを始めましたか・・・最近は何かあるとジャンケンで決めてますね。平和的でいいです。今回はコトハが勝ちましたか、ではコトハが私と一緒の馬車ですね。
一応、荷物などは馬車の中にも載せてはありますが、それとは別に私の空間収納にたっぷり入ってます。アリスにもかなり大きめに作ったマジックバックを渡しましたし、メイドさん達にもそこそこの大きさのものを渡しました。何かあっても大丈夫なように準備をしておくのは大切ですよね。
「ねえ、カオリ・・・このマジックバック、すごく嬉しいわ・・・でもね・・・」
「でも、なんですか?」
「うちのメイドにも渡してるわよね。」
「ええ、準備は大切ですから。」
「はぁ・・・カオリといるとマジックバックにありがたみがすごく薄れるわ・・・」
「どういうことですか?」
おかしいですね、喜んでもらえるならわかりますが、ありがたみが薄れるとはどういうことでしょう?
「マジックバックって、そんなにホイホイ出てくるようなものじゃないでしょ?」
「でも、作っている人も居るのですよね?」
「ええ、小さいやつでしたらね・・・」
「渡したやつだって、そんなに大きくないですよね?」
確かに何かあるといけないので、アリスのだけはかなり大きめに作りましたが、100人乗っても大丈夫な物置3個分くらいです。メイドさんのは小さな物置1個分ですから常識範囲でしょう。ちゃんとバックの大きさもリュックサックくらいにしましたしね。
「カオリ、この大きさのマジックバックってあまりないのよ。そうね、大きな組織で1個持ってればいいほうかしら?」
「そうなんですか?冒険者ギルドは持ってますよね?」
「ここまで大きいのではなかったはずだけどね。」
物置1個分ですから・・・大した量じゃないと思ったのですが・・・
「ひょっとしてまたやらかしましたか?」
「ええ、ひょっとしなくてもやらかしてるわね。」
「今度から先に相談することにします・・・」
「その方がいいと思うわ。」
アリスに注意されてしまいました・・・確かに私よりアリスの方が常識があるのかもしれませんね。頼りすぎるのもなんですが、そのくらいは頼ることにしましょう。
「古の塔から帰ってくる時は余裕がなくてあまり気にしてなかったけど、カオリの馬車って本当に揺れがないわね。」
「こっちの馬車って、お尻が痛くなって辛かったんですよ。だから揺れないように色々取り入れました。」
「確かにお尻は痛くないけど、このクッションも相当いいものよね?王家の馬車でもこれほどの物は使ってないわよ。」
「そうですか・・・でも、ラッセル商会から売り出すはずですよ?」
「そうなの?」
「ええ、作るって言ってましたから。」
採算が合えば売り出すのでしょう。ラッセルさんならかなりの利益を出すのでしょうね。売り上げは折半でしたっけ?期待しておきましょう。
「ところで、領地までってどのくらいかかるんですか?」
「カオリ・・・地図は?」
「いえ、見てませんよ。」
「普通、領地までの道順とか、途中の宿場とかの確認ってするわよね?」
「アヤハに全て任せました。」
「そう・・・アヤハは優秀だものね・・・でも、カオリも確認しようね。」
アリス・・・ちょっと怖いですよ・・・はい、これから確認しますから・・・そんなに凄まないでください。
「ア、アリスは地図を持ってますか?見せてほしいなぁって・・・」
「仕方ないですね・・・」
なんだかんだ言って見せてくれました。途中4つほど街や村を経由していくそうです。結構遠いですね。海辺の街ということは国の端っこということでしょうか・・・途中、街に滞在することとか考えると、1ヶ月ほどでしょうか・・・結構かかりますね。
「カオリ、それほど急がなくてもいいですから普通の速度で走らせてくださいね。」
そういえば、アリスは私の馬車がかなり速く走れることを知ってましたね。
「わかりました、では普通に走らせますね。」
ゆっくり行くのもいいでしょう。領地に行くとは言っても新婚旅行的な意味合いもありますしね。
「ところでカオリはどちらに住む予定?」
「どちらというと?」
「だから、領地に屋敷を構えてそちらに住むのか、王都邸に住むのかよ。」
そういうことですか・・・どちらがいいでしょうね・・・
「アリスはどちらがいいのですか?お嫁さんの意見は聞くものですから。」
自分で決めるのがめんどくさいわけではないですよ。やっぱりお嫁さんの意見は重要だと思っているだけです。本当ですよ。
「そうね、王都の方が便利はいいと思うけど、領地を見て回ってからでもいいかな?」
「では、そのようにしましょう。領地が気に入ったら領地に住めばいいのですから。」
「そうね、その時は大きなお城みたいなのを立ててくれると嬉しいわ。」
「お城ですか・・・考えておきます。」
「ふふっ・・・冗談だから気にしないで。」
冗談ですか・・・でも考えておきましょう。アリスが欲しいというなら、少しくらい頑張ってもいいでしょう。
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