157.結婚式は疲れるみたいです。
色々ありましたが、明日は結婚式です。ウエディングドレスは自分で作りました。もちろん前世のウエディングドレスです。この世界のウエディングドレスってすごく質素なんですよ。良く言えばシンプルって事なんですが・・・せっかくの結婚式ですし、綺麗なドレスが着たいじゃないですか。
レースなんかもふんだんに使って頑張って作りました。頑張ったのはスキルですが・・・アリスに見せたら自分の分も作って欲しいと言われましたよ。別に言われなくても作るつもりでしたが・・・
よく、結婚前に不安がいっぱいでマリッジブルーになるとか聞きますが、私は大丈夫でしたね。アリスの方も特に結婚後の生活に不安はないのか、そう言ったことはないようです。
貴族になったことで家名を名乗ることになったのですが、いろいろ考えた結果「鈴木」を名乗ることにしました。やっぱり本来の姓を名乗りたいじゃないですか。結果、「カオリ・フォン・スズキ」ということになりました。アリスは「ダーナ」も名前の一部のようで、「アリステレア・ダーナ・スズキ」となるようです。呼び方は変わりませんけどね。
結婚式はもちろん教会で行います。同性婚ということで、結構華やかにはなりますね。なんと言っても2人とも異世界のウエディングドレスなんですから。
ウエディングロードが狭いでしょうね・・・このドレス裾が広いですから・・・なんとかなるでしょう・・・多分・・・
当日、やっぱり狭かったですね・・・普通のドレスより幅が広いですからね。1人ずつ通っても結構狭かったです。神父様の前まで来ると、周り一面ドレスの裾ですごいことになっていました・・・綺麗なんですけどね・・・
式もつつがなく進行してゆき、誓いのキスとなりました・・・やっぱりあるのですね・・・誓いのキス・・・同性なんですがそれでもするんですか?えっ、やっぱりする・・・わかりました・・・覚悟を決めましょう・・・
アリス・・・私だって恥ずかしいんですからね。そこで頬染めてテレテレしないでくださいよ・・・
「アリス・・・」
小声で名前を呼んであげて、そのまま・・・
ほんと恥ずかしかったんですからね・・・2度としませんからね。あっ、人前ではってことですよ。2人きりでなら考えなくもないです・・・いえ、きっとするんでしょうね・・・うん、嫌じゃありませんから・・・べ、別にそう言った趣味があるとかではないですからね。ほんとですよ。
女神様が出て来るかとも思いましたが意外と出て来ませんでしたね・・・せっかくなので祝福くらいしてくれてもよかったのですが、流石にそれはなしですか・・・私は女神様の加護がありますが、アリスに祝福くらいくれてもいいと思うのですよ。今度直談判してみましょう。
この世界では「加護」と「祝福」があるそうなのです、「加護」を持っている人はほとんどいないとのことですが、「祝福」を持っている人はいるそうです。
教会での式が終わると、馬車に乗ってパレードなのだそうです・・・さすがに王女殿下の結婚式ですからね、そのくらいはしないといけないのでしょう・・・
オープンカーならぬ、オープン馬車で王都の主要なところを回りながらお城まで戻るのだそうです・・・にこやかに手を振ってますが、アリスがやるのはわかりますが、なぜ私まで手を振っているのでしょうか・・・私を知っている人なんてたかがしれているでしょう、手を振る必要ないんじゃないでしょうか。
「カオリ、面倒でしょうけどちゃんと手を振っておいてね。貴族なんだからそのくらいしないとダメなの、わかった?」
そうでしたね、自分が侯爵だって自覚がほとんど無いのでそう思うのでしょうね・・・
「そうでしたね、侯爵になったのを忘れてました。」
お城に着く頃には疲れがピークに達してましたよ・・・これでやっと休めますね・・・
「この後は、パーティの出席しないといけないからもう少し頑張ってね。」
「えぇ~・・・疲れてるんで、欠席でいけませんか?」
「ねぇ、私達の結婚パーティなのよ?主役が欠席ってありえないでしょ・・・」
そんなにあきれた顔で見ないでくださいよ・・・言ってみただけじゃないですか・・・欠席出来ないことくらいわかってますよ・・・そうですね、主役でしたね・・・
パーティは立食パーティのような感じですが、私達の所には私の知らない方々が挨拶に来てます。アリスが先に挨拶をしてくれているので、相手の名前がわかりますが、アリスが言っていた覚えないといけない貴族の名前ってやつですね・・・なるべく覚えましょう・・・
ダンスはアリスに習っておいてよかったですね・・・他の人と踊ることはありませんでしたが、アリスと踊ることになりましたから・・・なんとか練習どおりに踊れたので、アリスには感謝ですね。
パーティが終わった頃にはもうクタクタで、部屋着に着替えるとそのままベットに倒れ込むようにして寝てしまいました・・・
翌朝、花嫁をそのままにしておいて寝るだなんて酷いと怒られました・・・でも、本当に疲れてたんですよ・・・許してください・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます