156.恥ずかしいみたいです。
結局女神様に聞きたいこと何にも聞けずでしたね・・・仕方ありません、今回は諦めるとしましょう。教会にはまたこれば良いのです。
それでは領地の情報を色々集めないといけませんので、まずはお城に行って領地のことを聞いて来ましょう。どこの領地をもらうかまでは決まりましたが、その領地の細かな情報については後日となっていました。海賊の件もありますし、情報は早めに手に入れておくべきですね。多分海戦になるでしょうから、船を用意しないといけないでしょう・・・
「アリスは領地のことをどのくらい知っているのですか?」
「そうですね・・・お婆さまの好きな海産物があることと、とても綺麗な岬があるということくらいでしょうか。」
「海賊のこととかは知らないんですか?」
「そう言ったことは知りません。」
そうですか・・・やはりその手の情報はお城で聞かないといけないようですね・・・
お城で聞いて来た情報によると、海賊はガレオン船3隻のようですが、魔法使いを何人か載せているようです。近づくと魔法で攻撃をしてくるとのことです。やはり大砲ではなく魔法なのですね・・・
他国から流れてきた賊のようで、この国にはあの大きさの船はないそうです。
海の向こうとの取引とかはあまりやっていなかったようですね・・・戦艦というものがないのですね・・・
結果、漁船が沖に出ることができず街も廃れてしまったとのこと・・・最近は商船もその海域をルートから外したそうです・・・
やっぱり、海賊をどうにかするしかないですね・・・
「アリス、領地には何時ごろ行きますか?」
「私はいつでもいいのだけど・・・やっぱり式の後の方が・・・」
テレテレしながら言わないでください、私まで恥ずかしくなってきます。
「早めに行きたいところではありますが、準備もしなければいけないですね。それでは式の後にしましょうか・・・」
結婚式は1ヶ月後という話でしたからその後に新婚旅行感覚で領地に行きましょうか・・・海賊を殲滅しに行くのが新婚旅行というのもどうかと思いますが・・・仕方ないですね・・・
「私の用事はこれで終わりですが、アリスはどこか行きたいところはありますか?」
「カオリと一緒ならどこでもいいですよ。」
恥ずかしいじゃないですか・・・まぁ、特に行くところもないようですので帰りましょうか・・・
屋敷に戻ると、メイドさん総出でお出迎えですか・・・かなり恥ずかしいですね。
私たちの呼び方については、私だけ「お嬢様」ではおかしいということで、「カオリ奥様」と「アリス奥様」となったようです。まぁ、「旦那様」と呼ばれなければよしとします。
食事までまだ時間もありますし、お茶にでもしましょうか・・・
「アリス、何か食べますか?」
「えっ、カオリのいたところの食べ物?」
「まぁ、簡単に出せるものになりますが・・・」
「もちろん頂くわ。」
「セバス、お茶の用意をお願いできるかしら。」
『かしこまりました、カオリ奥様。』
なんかむず痒いですね・・・
小麦がありますから、クッキーでも作りましょうか・・・それなら後でメイドさん達にも分けてあげられますからね。今はダメですよ。一応、仕事中でしょうから。
クッキー自体はこの国にもあるようですが、それほど甘くありませんし、ちょっと硬かったです。柔らかめのものがいいですね・・・「田舎のお母さん」のようなクッキーがいいですね。
ゆっくりとお茶の時間を楽しみましょう。まるで貴族のような時間ですね・・・そういえば貴族になったのでしたね・・・貴族っぽいこととかも色々覚えないといけないのでしょうか・・・
「そういえば、一応侯爵になってしまったようだけど、何か覚えないといけないこととかありますか?」
「そうね、基本的にこれといったことはないですが、主要な貴族の名前は覚えておいた方がいいわ。あとは、ダンスができるといいと思うわよ?」
ダンスですか・・・無理ですね・・・運動神経が悪いとは言いませんが、とても覚えられるとは思えません・・・
「貴族の名前は大丈夫だと思うけど、ダンスも必要?」
「カオリを社交界に引っ張り出すつもりはないから大丈夫だと思うけど、一応簡単に覚えるといいわよ?」
そうですか・・・少しは覚えるよう努力してみましょう・・・
「努力しますね・・・」
「もしよければ、私が教えてあげましょうか・・・」
教えてくれるのですか・・・それはありがたいですね。
その日から、1日1時間くらいダンスのレッスンがありましたよ。アリスがそれは嬉しそうに教えてくれましたよ。
半ば冗談のような感じで、アリスをお嫁さんに欲しいとは言いましたが・・・アリスはなぜ私に好意を向けてくれるのでしょうか・・・ちょっと不思議ですね・・・
「ちょっと変なことを聞くのですが・・・アリスは私のどこが好きなんですか?」
「え、えっと・・・頼りになるし、かっこいいし、何より私のことをお嫁に欲しいって言ってくれたし・・・」
「かっこいいはあまり嬉しくないですね・・・私は可愛いと言ってもらった方が嬉しいので・・・」
「でも、古の塔では私を助けてくれたし・・・私にとっては王子様です・・・」
王子様というのはあまり嬉しくないですが、同性での結婚が認められてるこの世界ではありなのでしょうね・・・
「そうなのですね・・・えっと・・・これから、よろしく願いしますね・・・」
「私の方こそ・・・よろしくお願いします。」
改めて言葉にすると恥ずかしいですね・・・
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