068.杖は使わないみたいです。

 何をサービスするかくらいは考えておかないといけませんね。かといって付与をもう一つとかはいけませんし、何かおまけ的なものがあるといいのですけど考えておきましょう。

 「リリさん、深緋を置いていってもらえませんか?そのほうが早く準備が出来るので。」

 ええ、そうですよ。新しく作るのでは無く深緋の色だけ変えてしまいましょう。付与も少しいじってもいいかもしれません。

 「・・・え、服持ってない・・・」

 あ、替えの服を持ってないんですね。それでは服を1着あげましょう。銀貨5枚払うんですからいいでしょう。

 リリさんは可愛いですからね、セーラーワンピが似合うでしょう。ショウウインドウに飾ってあった物がいいでしょう。それを着せてしまいましょう。

 「では、服を1着差し上げますよ。メアリ、ショウウインドウにあるセーラーワンピースを持ってきて。」

 『かしこまりました、お嬢様。』

 そこ、男性2人。吹き出さない。アリシアさんも笑いこらえるのやめて下さい。私が恥ずかしくなるじゃないですか。

 「リリさん、そこで着替えてきてもらえますか?」

 試着室がありますからね。メアリに案内させましょう。

 「・・・ん・・・わかった・・・」



 帰ってきましたね。うん、似合いますよ。リリさんにピッタリじゃないですか。

 「リリさん、似合いますよ。」

 「・・・ありがと・・・」

 照れてますね、可愛いです。

 「それでは深緋はお預かりしますね。」

 「・・・お願い・・・」



 アリシアさん達に聞いておきたかった事があったんです。良い機会ですし、聞いておきましょう。

 「そう言えばですね、アリシアさん達に聞きたかった事があるんですけどいいですか?」

 「えっ、私達に?」

 「ええ、アリシアさんやリリさんって魔法職ですよね?」

 どうして杖を持ってないのでしょう?気になるじゃないですか。

 「私が回復系で、リリが攻撃主体かしら。」

 「杖とかって持たないんですか?」

 「「なんで?」」

 あ、またハモりましたね。よくハモりますね。

 「だって、魔法使いって杖使わないんですか?」

 アリシアさんとリリさんが顔を見合わせて何か話してますね。何か変な事言いましたでしょうか?

 「カオリさんはどうして魔法職が杖を持つと思うの?」

 「どうしてって・・・私のいた所ではそれが普通だったからでしょうか?」

 「そうなんですね、私たちは魔法職が杖を持つなんて話を始めて聞きました。私もリリも剣を持ってますよ。」

 そう言われてみれば腰に差してますね。剣というか、ダガーというか小ぶりな物ですけど。

 「なるほど、そうするとここで杖を置いても売れないですね・・・」

 「・・・待って・・・その杖、カオリさんが作るの?・・・」

 「もちろんそのつもりでしたけど。」

 「・・・使ってみたい・・・」

 そうですね、リリさんに貸し出しとかして流行らせるのも有りですか・・・武器としてそれほど不利な物では無かったはずです。確か・・・

 「突けば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにも外れざりけり」

 「・・・なに、それ・・・」

 「私のいた所で言われていた言葉ですよ。槍のようにも薙刀のようにも、太刀のようにも使える万能な武器だっていう言葉です。」

 「・・・凄い・・・」

 「と言っても、始まりは普通の棒ですけどね。」

 簡単に言葉の意味と杖の使い方を話しておきます。これも会わせて1週間後くらいには間に合わせる事を話してその日は別れました。

 帰り際、「知り合いにもここの事話しておくね」と言って帰りましたので宣伝はしてくれるようです。

 でもここの世界の魔法使いは杖を使わないのですね。知りませんでした。とりあえず簡単な杖を何本か用意してマネキンに持たせておきましょう。

 リリさんのスタッフはどんな物にしましょうか・・・それほど重くなく、突きや払いも出来て・・・シンプルさを求めるとただの棒に行き着きますね。それはまずいです。リリさんには広告塔になって貰わないといけませんからね。

 うーん、私的にいうと魔法使いの杖は「ナイトシ〇カー」なんですよね・・・うん、形はあんな感じで行きましょう。水晶の部分は服に合わせて緑色にしましょう。

 リリさんのとは別に数本作っておきましょう。魔法付与?しませんよ。魔物素材は少しだけ使いますがそれ以上はしません。

 販売価格は金貨2000枚くらいです。私のスキルってお金儲けに最適のスキルですね・・・材料費があまりかからないし、作成時間もたいして必要ないですから・・・


 今日はお風呂に入ってもう寝ましょう。明日はプレオープンです。

 あ、オープンとクローズの札作ってませんでしたよ。作ってから寝ましょう。

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