067.お友だち価格みたいです。

 「所でアリシアさん達はいつまでここに滞在するんですか?」

 「・・・ん・・・出来るまで待つ。」

 リリさんがアリシアさんに叩かれてますね。勝手に予定を決めようとしたのですから仕方ないでしょう。

 「えっと、ガンツさん。いつまで滞在するのです?」

 「そうだなぁ・・・俺たちの装備のメンテナンスが1週間程度だと言ってたからな。その位かな。」

 なるほど、メンテナンスの間は動けないという事ですか。

 「わかりました。では、私も1週間以内に仕上げましょう。」

 「「「「えっ?」」」」

 何ですか4人で・・・その驚きは。

 「なんですか?かかりすぎでしょうか?」

 「はぁ~~カオリさん・・・非常識な人だとは思ってましたが・・・ここまでとは・・・」

 ギルさん、そこで頷かないでください。

 「私のどこら辺が非常識なのですか?いたって普通でしょう。」

 「えっとね・・・」

 アリシアさんにまるで説教されるように諭されましたよ。魔物由来の装備で数ヶ月、魔法付与されている物なら1年は待たされるのだと・・・

 なるほど、リリさんが叩かれていた理由はその辺ですか。何ヶ月もここに滞在するなんてありえませんから。

 「カオリさん、本当に1週間で出来るの?」

 「え、ええ。大丈夫ですよ。」

 「なぁ、嬢ちゃん。前にも話したが俺たちの分は何とかならんもんか?」

 ああ、そういえば前にも何か言ってましたね。

 「スカートは嫌だったんですよね?」

 「出来れば遠慮したいな・・・」

 アンダーウエアとして、Tシャツくらいなら何とかなるでしょうか?サイズも色々ありますし。

 「ちょっと待っててください。」

 「コトハ、そこの棚にあるTシャツを何枚か持ってきてもらえる?」

 『うん、わかったぁ。』

 元気でいいですね。コトハの持ってきてくれたTシャツをガンツさんに見せましょう。

 「こんなシャツなんてどうです?鎧とかの下にでも着られますから、便利とは思いますが。」

 「これも魔物素材なのか?」

 「いえ、普通の布地ですよ。でもそれで良いのであれば、冒険者用に作り替えますけど。」

 え、また4人でぼそぼそ小声で話してますね・・・「非常識」とか「カオリさんだから」とか聞こえてきますよ。心外な。

 「ねぇ、かおりさん。それってコンルリとかの下にも着られるの?」

 「もちろん着られますよ。」

 「なぁ、嬢ちゃん。それでこのシャツはどの程度の物になるんだ?」

 ああ、どんな付与が付くのかが気になるのでしょうか?そうですね・・・この人達には広告塔になって貰う必要がありますからね。ちょっとくらいいいでしょう。

 「そうですね、物理防御とか魔法防御なんかでどうです?」

 「「「「・・・・・・・・・・」」」」

 あれ?みんな固まりましたね?どうしたのでしょうか?

 「カオリさん・・・ガンツはいくらくらいになるかが聞きたかったんだと思うの・・・」

 あ、値段の事でしたか。確か、魔物素材で3000位でしたか?Tシャツだし、フルセットでないので魔法付与しても10000位でしょうか・・・後は宣伝してくれるのを条件に半額って所でしょうか・・・

 「そうですね、何かしら付与して1着5000でどうです?」

 「嬢ちゃん、4人分頼む。」

 即決ですか。早いですね。

 「その代わり、宣伝してくれないとダメですよ。それも含めての価格です。お友だち価格ってやつです。」

 「ああ、わかってる。宣伝するくらいでその価格にしてもらえるなら安い物だ。」

 ギルさんがまた頷いてますね。

 「4人とも物理防御力アップでいいですか?」

 「それで構わない。それに、普通どんな物を付与するかなんて選べる物じゃ無いからな。」

 え、そうなんですか?アリシアさんが頷いてます、リリさんもですか・・・これはやらかしましたか?

 「えっと、誰にでもこんな付与をするわけではないですからね?そこの所はわかってもらえますよね?」

 「ああ、そこまで言うつもりは無い。これだけよくして貰ってるんだ。嬢ちゃんに迷惑かけるような事はせんよ。」

 「ああ、そうだ。今、手元に魔物素材が乏しいんですよ。ワイルドボアかワイルドディアの毛皮があると助かるんですが。」

 「何枚くらい必要だ?」

 「1枚あれば十分ですよ。」

 「これでいいか?」

 お、マジックバックですか。ガンツさんのバックから大きめの毛皮が出てきましたよ。

 「ディアですか。十分です。材料を提供してもらいましたし、少しだけサービスしておきますね。」

 「・・・サービスって何?・・・まだ、何かあるの・・・」

 リリさん、気になりますか?気になるんですよね?

 「それはですね・・・」

 「「「「ゴクリ・・・」」」」

 「まだ、考えてません。」

 あ、崩れ落ちましたね。でも、本当に何も考えてないんですよ。

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