022.3人目が出来たみたいです。

 煙が晴れると、真っ白い馬が2頭います。私が望んだとおりの馬です。毛並みもホーンドラビットの毛皮から出来ているせいか、きめ細やかな良いツヤがあります。これならば魔物とか言われずに済むでしょう。それになんと言っても馬の人形ですから空間収納にしまえると言うことですね。これが一番でしょう。あとはしばらく時間をかけて馬車を作るだけでしょうか。そうしたら出発出来そうですね。鞍と鐙を付けてしまっておきましょう。


 「さて、では今日は帰りますよ。明日に備えて準備もしないといけませんから。」

 『はい、お母様。』

 『は~い。』

 アヤハはしっかり者で、イロハは自由な子ですね。2人とも可愛い子です。本当はあと1人創ってから万全の体制で行くのがよいのでしょうが、ふわふわのお布団の誘惑には勝てそうにありません。明日はスワニー討伐です。

 今日はイロハの番でしたっけ?魔力補充・・・抱き枕の順番を確かめます。私はどちらでも良いのですが、2人にとっては譲れないものがあるようです。好きにさせましょう。

 イロハを抱き枕にして眠ります。寝る前には念の為アヤハの弓とイロハの双剣の整備をしておきます。破損チェックというやつです。リペアをかけてみましたが何の反応もなかったことから大丈夫だったのでしょう。

 何かあったらあったで大変なのですが・・・これで準備も出来て明日はふわふわお布団です。



 雨ですね・・・うん、雨です。どうしましょうか・・・雨の中スワニー討伐ですか・・・嫌ですね。延期しましょうか・・・ふわふわお布団は魅力なのですが、雨の中、森を歩くというのはなんとも言えませんね。



 仕方ありません。こっそりとここで3人目を創りましょう。宿屋で3人目を創ると、変な目で見られそうだったので今まで避けてきましたがこの際です。いったん空間収納に入って貰ってから外で出してあげるとしましょう。とにかく今日は3人目です。

 「アヤハ、イロハと2人で下に行って朝食は部屋で食べるからと言って3人分運んできてもらえる?」

 『はい、お母様。イロハ行きましょ。』

 『はい、姉様。』

 仲が良いですね。昨晩の争いが嘘のようです。なぜ私の隣を争うのでしょう。まだ子供って事でしょうか?

 さて、材料を用意して始めましょうか。私を守って戦ってくれるアヤハとイロハ。それに対して町とかでの情報を集めてくれるような子が欲しいですね。小柄で、すばしっこい子。そんな子が良いです。私と違って自分のことはちゃんと守れるくらいには強くないといけないけどね。

 「アッセンブルドール」

 人が1人、入れるくらいの繭が出来ましたね。4人部屋で良かったです。でないと狭くなってしまいますからね。

 2人が帰ってきたようです。では、3人で朝食にしましょう。朝はパンとスープですね。一応サラダもついていますがドレッシングはないですね。どこかにありませんかね。商業都市ならあるでしょうか・・・期待が膨らみますね。

 簡単に食事も済ませましたし3人目の服も作っておきましょう。みんな同じというのも何ですからこの子のは少しデザインを変えましょう。アヤハとイロハのはサイドスカートになってましたが、それを両面に持ってきましょう。後ろも繋げて前だけあいてる感じ。あとは、情報収集というと何か、身を隠すようなフード付きの服が欲しくなりますね。パーカーのような、ポンチョのような・・・特殊迷彩で、周りの景色に溶け込むような?まぁ、そんな感じ。残っている素材色々入れてみましょう、それなりのが出来るでしょう。ブーツも足音がしないものが良いですね。デザインは私たちのと同じです。

 繭が2つ出来ましたね。え、どちらも2時間半ほどかかりますか?ではほとんど同じくらいに出来上がりますね。

 『母様、その子はどんな名前にするのですか?私の妹になるんですよね?』

 イロハは気になるようですね。お姉さんになるんですから気になりますよね。

 「そうですね・・・コトハ・・・コトハにしましょう。」

 『コトハですか。イロハとコトハ可愛い妹が2人になるんですね。』

 アヤハも嬉しそうですね。良かったです。3人とも仲良くしてくださいね。


 「コトハは特に戦う必要も無いしたいした武器も必要ないので私のナイフをあげましょうか・・・」

 え、なんですか・・・2人して睨まないでください。私何かしましたか?

 『母様、それはいけないと思う。』

 『私もそう思います。』

 え、なんで私のナイフをあげるだけでしょ?なんでいけないの?

 『母様のものをもらうだなんでずるいです。私も欲しい。』

 『1人だけ特別はあまり良くないかと思います。』

 私の物をあげるのがダメなの?え、お古なのに?そうですか、私が使っていた物というのが特別だって事なんですね。本当に甘えんぼさん達ですね。可愛いです。

 仕方ありません。コトハ用にナイフを新しく作りましょう。それなら良いんでしょ?

 私が使っているナイフより少しだけ長め。護身用ではなく一応戦闘用のナイフ。もちろん鞘付で・・・前は鞘を忘れたからね。

 うん、1時間ほどで出来そうですね。だいぶ魔力を使った感じがありますね。

 コトハが出来上がってからお昼でしょうか・・・コトハもつれて外でお昼を食べたいですね。雨もだいぶ小ぶりになってきたみたいですし。どこかでお昼を食べてそのままギルドですね。今日はアリスさんもきっといるでしょう。


 ちょっとの時間差で服が先に出来ますね。アヤハ達の物とほぼお揃いです。デザイン的にはあまりかわりませんがこんな物でしょう。

 コトハの方が出来上がったみたいです。イロハよりも5センチくらい小柄な子ですね。それでも私より少し身長がありますね。まだ私は成長途上のはずです。きっとイロハぐらいまでは成長するはず・・・

 「コトハ、起きなさい。」

 ゆっくりと目を開けてこちらを見ていますね。

 『かぁさん?』

 今度はかぁさんですか・・・母親には変わりないんですね。呼び方がかわるだけですか・・・

 「ええ、そうですよ。コトハのおかあさんですよ。」

 にっこりとしてますね。イロハのように飛びついてきたりはしないようです。でも手を差し出してきますね。起こして欲しいんでしょうか?甘えんぼさんですね。起こしてあげましょうか。

 「ほら、1人で起きられないの?甘えんぼさんね。」

 もちろん手を差し出して起こしてあげますよ。ああ、そこから抱きついてくるんですね。本当に甘えんぼさんですね。

 「ほらほら、いつまでも抱きついていないで服を着なさい。」

 用意しておいた服を渡します。

 『かぁさん。着せて欲しいな。』

 『コトハいいかげんになさい。お母様が困ってるでしょ。服くらい自分で着なさい』

 困ってませんが、まぁ、アヤハに任せてみましょうか。お姉さんぽいこともさせてみましょう。

 『ごめんなさい、姉様・・・』

 自分で着るようですね。アヤハの時もしてあげたのですから最後だけ手伝ってあげましょう。ちゃんと着れているかチェックです。襟を整えてあげてできあがりです。


 「コトハ、ちょっとの間だけ我慢してこの中に入っていてもらえるかしら?」

 空間収納を開けます。

 『はい、かぁさんがそう言うのなら入るけどちゃんと出してよ。』

 もちろん出しますとも。宿を出たらすぐにでも出しますよ。宿の裏手に回ったらすぐです。


 そうしてコトハを宿の外に連れ出して4人でお昼ご飯を食べに向かうのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る