020.魔法が使えるみたいです。

 ギルドのお抱え運送業者になってしまったようです。私の穏やかな異世界ライフは何処へ向かってゆくのでしょうか?

 まぁ、この町を拠点として色々旅を出来るというのはいいですね。

 旅支度なども始めなければいけませんが、末っ子を作ってからですね。それにただただ運送業者をやるわけではありませんから自分でも何か売り歩くのもいいでしょう。そこで何を売るのがいいか考える必要がありますね。


 まずはこの汚れた体をなんとかするために魔法を買いに行きましょう。クリーンの魔法でしたっけ。必要ですよ、絶対。本当なら毎日でもお風呂に入りたい所ですが、どうやらお風呂などと言うのは貴族か大商人くらいしか入れないらしいです。お湯を沸かすのが結構大変なのだそうです。金銭的な意味で・・・

 クリーンの魔法をスキルとして授かったような人はそれだけで暮らしていけるくらいには小金を貯められるそうです。

そういえば街中で子供が小遣い稼ぎしているのを見ますね。20人に1人くらいは持っている人がいるらしいです。冒険者だと60%以上は習得しているそうです。女性に至ってはほぼ100%だそうです。納得の数字ですね。

 ここが魔法屋ですか。怪しい雰囲気の店かと思いましたが意外とまともなお店ですね。

 から~ん・・・ドアベルですか、目の前に店主らしき人が座ってますが意味あるのでしょうか?奥にいるときもあるでしょうからきっと意味あるのでしょうね。

 「すみません、クリーンの魔法が欲しいのですがありますか?」

 無いとは言わないと思いますが訪ねましょう。そのほかにも便利そうな魔法があれば買っておきたい所ですね。攻撃魔法?いりませんよ物騒です。防御魔法なら買ってもいいですね。値段次第ですけれども。

 「クリーンの魔法かい?金貨30枚だよ。」

 30枚ですか、微妙な値段ですね。一般市民には高いですが冒険者には安いでしょう。でも金貨30枚出すなら他のものを買う。そんな所でしょう。

 「他に便利そうな魔法はありませんか?これから旅に出る予定なんですよ。」

 「そうだねぇ、ウオーターなんてどうだい?金貨40枚だよ。ファイヤーも買ってくれるなら全部で金貨100枚にしてやるよ。」

 火と水、確かに必要ですね。それとクリーンですか。全部で110枚の所を100枚ですか・・・上手いですね。

 「わかりました全部貰います。それと防御魔法なんてありますか?」

 「プロテクションかい?あるにはあるが、使い勝手が悪い上に高いよ?」

 は?使い勝手が悪い・・・どうしてでしょうか。とても便利そうに思うのですが・・・

 聞く所によると、盾を使える技能が無いと上手く働かないそうです。盾職が盾無しでも大丈夫になるという魔法だそうです、しかも効果時間も短い。なるほど使い勝手が悪いですね。

 「わかりました先ほどの3つをください。支払いはカードでいいですか?」

 「ああ、大丈夫だよ。」

 こうして、スクロールのようなものを3本貰い店を出ます。とりあえずクリーンだけはすぐに覚えましょう。あとは宿に帰ってからです。

 クリーンのスクロールを開くと、びっしりと文字が書いてありますね。よく解らない文字ですが何か不思議と頭の中に入ってきます。これがスクロールの能力なのでしょうか・・・気がつくとクリーンの魔法が使えるような気がします。とりあえず自分に使ってみましょうか。

 「クリーン」

 おお~、体が光ったかと思うと綺麗になりましたよ。服も体も・・・いいですね。アヤハとイロハにもかけてあげましょう。特にイロハは先ほど返り血を浴びてますからね。うん、2人とも綺麗になりましたね。


 今日は宿ではなく外で食べるのもいいですね。美味しそうな物を探しましょう。空間収納にしまっておく分も一緒に探しましょうか。

 「アヤハ、イロハ美味しそうなものが売っていたら教えてくださいね。」

 『はい、お母様。』

 『母様はどんな物が食べたいのですか?』

 う、もっともな意見が返ってきましたね。私が何を食べたいのかを聞き返してくるとはイロハもなかなかやりますね。

 「そうですね、美味しいお肉が食べたいですね。」

 『母様、ではあそこで串焼きが売ってますがいかがでしょうか?』

 いいですね・・・串焼きですか。見に行きましょう。アヤハ、何悔しそうな顔してるんですか?貴女お姉さんでしょう。そのくらい我慢なさい。

 「おじさん、これ何のお肉なの?」

 「おお、これかい。ワイルドボアの肉だよ。1本銅貨1枚だぜ。6本で大銅貨1枚だ。どうだい?」

 「では12本貰いましょうか。6本ずつに分けてもらえますか?」

 半分は収納行きです。あとは2本ずつ頂きましょう。なかなかいい味がついてますね。塩味ですか。塩だけではなく何か隠し味がありますね、わずかな甘みが感じられますね。

 なんて、食通でもないのでここまでです。美味しければいいのです。

 串焼きをもぐもぐしながら散策を続けます。

 『お母様、あそこで冷たいものを売っているようです。』

 のみものですか?いえ、違いますね旗のようなものに文字が書いてあります。<氷>ですか・・・日本語で書いてあるわけではありませんが何か感じるものがありますね。行ってみましょう。

 アイスキャンディー?いえ、違いますね。ただ単に木の棒をさして凍らせただけですか・・・でもこれなら持ち歩きながら食べることが出来ますね。ただ、高いですね・・・氷1本買うのに銀貨2枚ですか?え、氷魔法を使ってる?じゃないとこの暑い中氷なんて無理だとか・・・なるほど、正論ですね。

 いただきましょう。いい勉強になったと思って、でも買うのは1本だけですよ。さすがに氷だけに銀貨2枚は高いです。

 1人で食べるつもりかって?そんなことするわけ無いじゃないですか。先っぽを少し囓って残りをアヤハに渡します。

 「アヤハ、イロハと2人で半分ずつ食べなさい。」

 姉妹で仲良く食べるんですよ。アヤハ、そこでなぜ私が囓ったあとを死守しようとしてるんですか?2人で仲良く食べればいいじゃないですか?あと、イロハもそこでアヤハから強奪しようとしないように。私の囓ったあとがいい?2人ともどうしたんでしょうか?



 それなりに収穫はありましたね。アイスキャンディはいいかもしれませんね。でも牛乳とかがいりますか。探さないといけませんね。それと氷魔法が必須と・・・これも考えておきましょう。

 

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