006.町へ行くみたいです。

 アヤハと話しながら待つこと2時間。繭が煙になってきました、ちゃんとした馬になっているでしょうか。

 大丈夫なようですね、馬です。魔物素材が使われているのでその毛皮が使われているのでしょうか、毛並みが何かおかしい気がしますがどこから見ても馬でしょう。


 うん、鞍がないですね。鐙などとセットで作っておきましょう。そんなに時間はかからないでしょう。アッセンブルオブジェクトを使って作っておきます。


 アヤハと地図を見ながらこのあたりのことを話し合うことにします。最初にどの町に向かうのか、どの位時間がかかりそうかなど考えることはたくさんあります。

 どうやらこの近くには町が2つあるようですね。少し小さめの町と言った所と大きめの都市といった感じでしょうか。

 最初は小さめの町に行こうかと思います。

 アヤハのこともありますしあまり大事にならないよう人が少ない方が良いのではと思ったからです。

 アヤハと2人で移動することにしましたのでわたしも何か武器を持った方が良いでしょうか?ちゃんとした武器などは町に着いてからそろえるとしてナイフでも作りましょうか。

 さっきまで着ていたブーツにに少しですが鉄が使われていますね、革もありますし小さなナイフとそれの鞘を作ります。

 さすがに簡単な物は早く出来ますね。素材の量にも関係があるのでしょうか。要検証ですね、時間があるときに調べてみましょう。


 余った素材はすべて空間収納にしまっておきましょう。この素材であと2人、作るつもりですし。古龍素材は貴重です。私では決して手に入れることが出来ないでしょうから、そもそも古龍なんて何処にいるのでしょうか・・・


 さて、馬に鞍を付けて準備をします。え?馬に乗れるのかって・・・当然です、アヤハに頼みます。私が乗れるはずありません。後ろに乗せてもらえばいいのですから。

 「アヤハ、馬には乗れますか?」

 『はい、大丈夫ですけどお母様が創られた馬ですしお母様の言うことを聞いて勝手に歩いてくれるのでは?』

 「えっ・・・」

 馬のほうを見ると<当たり前だろ!>のような顔をして嘶いていますね。そうですか、そうですね、普通の馬じゃないという事を忘れていました。ありがたく乗せてもらいましょう。


 安全地帯を出るとまだしばらく森の中を進まねばならないようです。小道は続いているものの馬で走ってゆくのはまだ無理そうです。私が馬の背に乗りアヤハにひいてもらうことにしましょう。

 アヤハには作っておいた弓を持たせ、周りを警戒してもらいながら森の中を進むことにします。ひょっとしたら魔物が出るかもしれませんから。

 途中、ワイルドボアというイノシシのような魔物に遭遇しましたが近づく前にアヤハが撃退してくれました。『お母様には指1本触れさせません。』だそうです。ほんと、頼りになります。


 森を出ると街道のような所に出たのでアヤハに前に乗ってもらい町に向かって馬を走らせます。もちろん安全運転。ゆっくりとです、落ちたらしゃれになりません。

 街道はそこそこ整備されているようで馬車などがすれ違えるくらいには幅が広いようです。近くの町までは2日ほどかかるようなのでどこか安全そうな所で1泊しないといけませんね。そういえばテントやシュラフのようなものは一切持ってませんでしたね。何か考えておく必要がありそうですね。


 だいぶ先ですが馬車が止まっているように見えますね。トラブル?ではないようですね。近くに行ってみれば分かるでしょうか、危なそうであればアヤハに守ってもらいながら逃げるとしましょう。

 「アヤハ、この先に馬車が止まっているようですがもし危なそうならすぐに逃げるからね。お願いね。」

 『はい、お母様。でも、どうやらあそこで野営をするようですよ。馬をつないで、火を焚いているのが見えますし。』

 「えっ・・・アヤハ、あんな遠くが見えるの?まだかなり先だと思うけど・・・」

 『はい。お母様が創ってくださったこの体の性能がとてもいいのであのくらい先であれば普通に見えますよ。』

 「そ、そう・・・それは良かったわ・・・」

 とんでもない性能になったんじゃないかしら・・・1度アヤハのステータスも見ておいた方がいいかなぁ、鑑定すれば見えるかしら?

 「アヤハ、ちょっと鑑定させてね。貴女の性能をしっかりと把握しておいた方がいい気がするの。」

 そう言ってアヤハを鑑定してみる。


 名前:アヤハ

 種族:アルティメットドール

 性別:女性

 年齢:0才(外見20才)

 HP:100%

 MP:100%

 状態:正常


 天眼通

 武芸百般

 物理耐性(大)

 魔法耐性(大)


 ん?天眼通・・・なにそれ。もう一回、天眼通を鑑定。


 天眼通

 遙か彼方までを見通す力。


 「はぁ?」

 おっと、つい変な声を上げてしまいました・・・でもなんですかこのとんでもスキル。遙か彼方までを見通すことが出来るって何ですか・・・ひょっとして千里眼か何かの上位スキルですか?

 『お母様、私どこか変なとこがありましたか?』

 私が変な声を上げてしまったからでしょうか、アヤハが不安そうにしてます。

 「大丈夫よ、何でも無いから。アヤハの出来があまりにも良かったのでビックリしただけよ。」

 ええ、本当にビックリしましたよ。どうやったらこんな性能になるんでしょうか。古龍の素材でしょうか・・・それしか考えられませんね。


 「それじゃあ、あの馬車の所まで行ってもし大丈夫そうであればそこで一緒に野営させてもらいましょうか。」

 ちょうど良い野営地であるようですしご一緒させて頂きましょう。ついでに色々情報を仕入れられるといいですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る