【ヴォイド・イグジスタンス】
えっとー?このよく分からんスキルは何なんだろうか?
ゲームにはなかったはずだ。
ルオンの固有スキルはあった。
ブリーダーやテイマーのほとんどが持っているスキルだったしね。それはいい。
問題は俺の固有スキル【ヴォイド・イグジスタンス】っていうやつだ。
俺の記憶が間違っていなければ、そんなスキルはゲーム内では存在していなかったと思う。
つまりはこのスキルは漫画とかではお馴染みな、召喚させられてきた英雄とかにしか存在しない激レアスキルだったりするわけだな?
確かに俺もなんでかは、知らないけれども召喚されたよ?
だけど、王座の真ん前とかじゃなくて家と転移で、しかも超田舎のど真ん中に堕ちてくるっていうこのシチュエーションはないでしょうが!?
念のためにルオンにも聞いてみるか?もしかしたらこいつは何か知っているかもしれないしな。
「何ですか、このスキル?初めて見ました!」
結果、ルオンも知らなかった.........。
マジかよー。どうしたらいいんだ?
ゲーム内の知識は今のところあまり役に立たなさそうだなぁ…。
どーしたもんかなぁ…。
「あのぉ…。ここに入ってもいいですか?」
なんかと邪魔しちゃ悪いと思ったらしいルオンの小声の許可が、考えていたため上の空であった俺を現実に引き戻した。
「はぁ?、ここってどこだよ…。」
「えっと、この家です!」
と彼が自信満々に指出したのは俺が出てきた建物、即ち俺の実家ということなんですけど…。
「おう、別にいいけどぉ!?」声が裏返ってしまった。
どうなってるんだ、これ⁉
確かに先ほどルオンが指差し、入ろうとしている建物は先ほど言った通り俺の実家なんだろうけど、見た目が全くと言って変わっていた…。
元々は、都市の近くに建てられた分譲住宅のうちの一つとして建てられたものである。なので、ちょっと分けられた家との区別化として三階建てではあるけどそれ以外は、少しシックな外観の普通の一軒家だったの!
だったのに.........いつの間にかRPGとかに出てきそうなウッドハウスになっていた。
何で⁉ちょっとそういうことを考えたけどさぁ…。
『この場所にそのままの家じゃどう考えたって釣り合わないからこういう感じだったら溶け込むだろなぁ…。』とは考えたけども…
何で具現化を果たしているの⁉
もう訳分かんねぇわ.........
これは俺のキャパオーバーしてるんですけど…。
もうほんとに訳分からんから!
頭痛くなってくる!っていうかもう痛いし!
それに、さっきバトルで久々に動いたから疲れた…
これ以上動けない…。
玄関先に置いてあった、ソファーに横になってそのまま睡魔に負けそう…
なときに一言、
「.........現実で…少しだけ...日の目を浴びたかったなぁ…。」とうわ言を言って寝た.........
その後、彼から七色の光が発せられ、彼を飲み込み 消えた ー
ピピピピーーーー
「だぁ!うるせい!!何でアラームが鳴ってるんだよ!! おい、ルオン!!すまないが止めてくれ!」
と、この家のどこかにいる推しに対して頼むが、物音ひとつしない。
どうなっているのだ?仕方ない、自分で止めてくるか…。
ベットから出て、横にある勉強机に置いてある目覚ましを止める。
「ふぁああ…。ネミィ。もっかい寝るか…。」と元居た場所に戻りその暖かに埋もれようとして、気づいた。
「うん?何で俺ベットに寝てるんだ?玄関のソファで寝てたと思うんだが?」
分からない…。
「おーい、ルオン!どこにいるんだ?かくれんぼとかしてないで出て来いよ。」
声をかけてみるが、同様に物音ひとつしない…。というよりも人の気配そのものがないのである。
どうなってるんだ? 後ろにあるベランダから外の様子を確認する。
予想では、前見た森か、それか川をイメージしていたのに、
予想を超えた、元居た世界の見慣れた東京の都市の様子だった。
「何がどうなってるんだよー!!?」
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