第7話 優しいターゲット

今回のターゲットはオレオレ詐欺グループのリーダーで元締め的存在だった。

依頼主は敵対するマフィアといつもと同じような仕事内容だった。

みかんは店長からターゲットの所在がある程度わかったので、

明日新しい武器のテストをするとの連絡があった。


みかんが自宅でくつろいでいると、誰かが訪ねて来た。インターフォンのモニターを覗くと何と今回のターゲットだった。心臓をバクバクさせながらみかんは

『どちら様ですか』とビビりながら尋ねた。すると相手は紳士的な態度で

突然訪問したお詫びと飼っている猫が家出し、探していて、首輪に埋め込まれているGPSがみかんが住んでいるアパートを指していたのでひと部屋づつ周っているとのことだった。


猫の特徴と首輪の色でターゲットが探しているのがみかんが保護した子猫だと

わかった。一瞬考えたが玄関のドアを開けて招き入れた。すると子猫が

ターゲットの方に走り出し『ミャー、ミャー』とまるで会いたかったと

叫んでいる様だった。


『ショコラ!』とターゲットが呼びかけた。


(その風貌で『ショコラ』ってとみかんは少し引いてしまったが

本当に探していた猫だと確信した。)


その後、ターゲットが感謝を述べ後日、御礼をしたいとの申し入れをしたがみかんはやんわりと断った。結局ターゲットが猫を連れて帰ることになった。




ここまでは、良かったんだよなあ。


高橋ユウトは安達太良山を眺めながら回顧した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る