Op.1-5第6節2拍
その様子を見届けた
「お……おいしい……」
--はむはむ
「
「……」
そして、自分のクレープの中身にクリームがあるかの確認をするが、当然そんなものはない。
「むぅ……」
と、
「……?」
そして、
「
「そ……そんなこと……言わないで……」
「ごめん」
分かり辛いが、少し怒り気味な口調の
「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
「お兄ちゃんのクレープを食べたい」
「分かった。交換しようか」
「やった」
口の中に広がるのはストロベリーの風味。
クリーム自体が甘くないためか、甘酸っぱい味がより強調されていた。
ただ、抹茶アイスは
「美味い」
「でしょ」
「
「だ……大丈夫……」
「ならいいけど……」
と、
「……っ」
ちらっと、
♪
あなたは、自宅に連れてきた人間に色々と問います。
「あなたの名前はなんていうの?」
人間は口を少し開け、「×××」と、名乗りました。
「そう。いい名前だね。そんな素敵な名前がほしいかったわ」
「お姉さんの名前は何?」
「わたしはね……」
あなたはどこか遠くを見つめます。
「わたしには名前がないの。みんなには『魔女』って呼ばれているけれど、それで問題はないかな」
「良くない」
人間は即座に、強く言い放ちました。
「名前がないと不便じゃないか?」
「そうね。これからは不便だね。×××が弟子になるんだもの」
「そしたら、お姉さんの名前は、
あかり
とか、どうかな?」
あなたは、「それでいいかもね」と言いました。
「あかり……、あかり……」
そして、あなたは、その名前を気に入りました。
なんて素敵な響きなのでしょうか。あなたは何回も噛み締めます。
「気に入ってくれた? あかり」
(その……名前、わ……わたしと……)
目の前にいる人間が微笑みかけます。
その姿は、あの時の、×××の微笑みと同じように……
♪
「……り。……あかり」
「!!」
「あ……。ご……ごめん!
「平気だ。それよりも、何回も呼んでたのに、起きてくれなくて心配したぞ」
「ゆ……夢をみてたの……」
「夢か。いい夢だった?」
思い詰めた表情をしている
「ま……まえにも話した……と、お……おもうけど……、不思議な夢」
「現実味がある夢の話だったか。また見たの?」
「う……うん」
夢で見た、自分の景色を。
すると、
「
「だ……だいじな、話……?」
「そうだ。時間は大丈夫?」
「だ……大丈夫だよ……」
「じゃ、早く行こうか。日が暮れちゃう」
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