Op.1-4 わたしの魔法、あなたの魔法
Op.1-4第1節
あなたは、魔法という普通ではない現象を巧みに使いこなし、人々を助けていました。
しかし、その行動はあなたたちにとっては良いものでしたが、あなた以外にとっては有害であることを知りました。
あなたの心の奥底にしまい込んだ『わたし』が徐々に芽生える感覚を覚えます。
あなたがわたしの声に浸食され、運命の二択を迫られていました。
一つは、この奇跡の力を使い、人々の希望となってもらうこと。
そして、もう一つは……
♪
「あれ……」
と、目を覚ました
「か……かわいい……きもちよさそ……う」
身体を起こすことを忘れ、真上から聞こえる、一定のテンポで刻まれた
「ま……また、ひ……膝枕、してもらっちゃったなぁ」
起こさないように、壊れないよう繊細な手つきで雅の身体を自分のほうへ倒す。
その際に自分の胸に頭が当たり、「もぅ、む……胸まくら……でも、いいかなぁ」と、つぶやくが、羞恥心のほうが勝った。顏を赤らめ、
足もまっすぐ延ばそうとしたが、
「お……起きたらび……びっくりするかなぁ」
と、少し笑みをこぼす。
今まで魔法を使った反動で寝ることはあったが、こんな夢を見ることはなかった。
「……」
変わりに詠唱スピードや威力は〈
しかし、今回は
二人で一つではなく、二人で二つの魔法の再現。それができると思いはせると、自然と楽しく、この大変な作業も楽にこなせる。
今は午後三時。あと二時間で下校せざるを得ない時刻になるため、次、
それが、
♪
しばらくすると、
「お……おはよ」
「おはよう」
と、
「って、僕、寝てたんだ」
「すやすや……って、ね……寝てたよ」
「寝ないって思ってたのに……やっちゃったな」
「ごちそうさま」と、
「なんか言った?」
「な……なんでもないよ」
と、
「今何時だ?」
「もうすぐ帰らないと」
と、
ふわっと舞う髪の毛が、
女の子特有の香りが心臓に悪い。
「み……
「また明後日」
とだけ言い、
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