Op.1-1第2節
「えっ?」
呆然してしまう
「……実はわたしはね、ま……魔法が使えないの」
「魔法が使えない…?」
「……うん、わたし一人ではできないんだよね……。だから、わ……わたしには一緒にやってくれる〈
一拍置いてから
わたしは歌うことしかできない、〈
〈
〈
「
「……う、うん。そうだよ。……今までは、わ……わたしが楽器を弾きながら……魔法使ってたから、誤魔化せてた……」
〈
歌うだけでは魔法を再現できない。
魔法を再現するためには、楽器による演奏は必要不可欠であるため、〈
〈
これからは「ライブ」で戦うことになるため、共に戦ってくれる〈
「……
(本当に僕なんかがパートナーとして努めてもいいものか)
「……わかった。僕でよければこれからよろしくね」
と、
その言葉に対して、
「わ、わたしも……これからよ……よろしくおねがいしますっ!」
妹である
♪
♪
「にぃ、何やってるの!?」
すると、教室のドアがガラッと勢いよく開けられ、それと同時にそんな声が聞こえた。
「ねえ、にぃ。そこにいる女の子と今まで何をしてたのかな?」
「……な、何もしてな」
「そうじゃないよね?抱き合ってたよね?」
「あ、あの……」
「そういえば先輩、名前はなんですか?」
「し……
「そうですか、先輩。私のにぃに抱きついて、何やってたんですか?」
「わ……わたしの
「よくないですっ! 私の……私のにぃに抱きつくなあああああああ!!!!」
と、教室中に響き渡る声。
名前を聞いたのに、『先輩』と呼び名を変えず、抱きついてた
「と……とりあえず、抱き合ってたの……は置いといて」
「先輩。置かないでください」
「この子、こ……
「置かれた!?」と、驚愕の表情を見せる
「妹の
「にぃまで……まあいいよ。私は
「じゃないからな?ただの妹だからな?」
「そ……そうなんだね。こ、
「た……大したことじゃないんだけど、わ……わたしってひとりっこだから……」
「一人っ子か、退屈しそうだな」
「……でも、ほ……本読むのが好き……だから、退屈……は、してなかったよ……?」
「私はにぃがいるから遊び道具になってるけど」
「
「やーだ!にぃ成分とらないといけないもん!」
「にぃ成分ってなに!?」と
「た……退屈じゃなかったけど、いもうととかいたらもっと……たのしかったんだろうな〜って」
「それは、当然ですっ!」
「僕のことを毎朝サンドバッ……」
「にぃは黙ってて」
「は……はい」
「にぃ、女の子の一人っ子って結構辛いものなの」
「
「にぃ、それ以上言ったらどうなるかわかってるよね……?」
と、思い切り脛を蹴られた
目が笑っていない
「わ……わたしはつらくないし、大丈夫だから、
「先輩がそう言うのであればいいんですけど、本当に辛くなったら言ってくださいね!私が相談役になってあげますから!」
「あ……ありがとう。その時は……よろしくね」
その言葉を聞いて、
「あ、いけない! もうこんな時間! にぃ、先に帰ってるから、先輩に変なことはしないでね!」
「……おう」
「じゃ、まったね〜!」
と、教室にあった時計を見るや否や、早々に立ち去る
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