【400PV達成!】魔女の血脈と十三人の歌姫
紅葉紅葉
第一楽章 魔女の子孫
Op1-1 恥ずかしがり屋の少女
Op.1-1第1節
「にぃ、おはよっ!」
「ぎゃああああああああっっっ!!!」
「ぐふっふぉおおあ!?」
「おはよ……」
「はいっ!」
「にぃ、はいこれお弁当! 早く学校に行かないと遅刻しちゃうよっ!」
「……なあ
「えへへ〜。にぃのことが大好きだから、つい抱きしめたくなっちゃうんだよね! ほら、ぎゅーってして! ぎゅーって!」
「誰がするか。お前も年頃なんだから、いい加減異性であることを気にしろ」
「え、でもにぃは特別だよ? だってにぃだもん!」
と、持論を語り出した事に
……なお、先ほどのお弁当の中身がどうなっているかは考えないことにする。
「むー。頭だけなの? まあいいや、もう時間もないし、私は先行ってるからね!」
と、文句をいいつつも、撫でられて嬉しかったのか元気な足取りで
今日から始まる学園生活に胸を高鳴らせ、「よし、行くか」とつぶやき、家を後にした。
♪
楽器を使って奏でられた曲は『魔法』となり、非科学的な現象が起こる。その系統は多様に渡り存在する。
そんな魔法を使う人達を育成する学園がディーバ魔法学園だ。
そこへ通う生徒は〈
魔法は誰でも出せるわけではなく、
そのため、〈
事前に
教室の扉を開けると、すでに
たった今、扉を開けた
男女比は三対七だろうか。女子の方が多いという印象。
まあ、それは予想していた雅であったが。
誰も話をしていないという状況。明らかに普通の雰囲気とは違い、ピリッと張り詰めていた。
暫く経って始業の鐘が鳴り響き、それと同時に担任の先生が入ってきた。
担任の先生、
なんとか自己紹介を終え、席に戻る。そして次の人が前へ立つ。
「……わ、わたしは……
紅色の瞳を持ち、可愛らしいリボンで結ばれた黒い髪の毛の、長いツインテールの女の子。毛が無操作に跳ねていて、左前髪にピン留めがされていた。背丈は普通の女の子より小さい。
恥ずかしがり屋なのか、目線は明後日の方向に、声は小さく、途切れ途切れに話すので、聞き取り辛かった。
だけど、他のクラスメイトと違う印象がある、恥ずかしそうにしている
自己紹介を終えた
じーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それと、ものすごい視線を左隣から感じていたことも。
「はい、これで自己紹介は終了。予鈴が鳴ったら講堂に集合するように。以上」
「……なあ、
「……(コクッ)」
「なんで僕のこと見てるんだ…?」
「……な、なんか…気になるなーって……思っちゃって……」
「気になる……? 僕がそんなにおかしいのか?」
「そんなんじゃないよ。……なんかねー、
「ちょっと待て、感度ってなんだよ感度って!?」
「えーっとだな、感度って表現はちょっとこう言うところでは言わない方がいいと思うぞ…?」
「そ、そうだよね……じゃあ、あそこがきゅんきゅんしちゃう? っていうか…」
「それも色々とアウトだからね?」
「えー、……そしたらどうやって……説明したほうがいいのかな〜」
「いや、説明しなくていいから! 説明すると全部ダメな方に進むから!」
「えー……そ、そしたら……」
また勘違いされそうな事を言いそうだったので、
「とりあえず
「そうだよね……、勘違いすると……い、色々と濡れちゃうもんね…」
「だからその言動だよ!? 僕が言ってるの!?」
キーンコーンカーンコーン
「……あ、あとで話の続き……」
「わかった」
予鈴のチャイムが聞こえたため、
♪
講堂で入学式を終えた新入生は教室へ戻り、明日の連絡事項を伝えられた後、そのまま解散。下校となった。
楽譜だった。
音符が連なって描き終わっている楽譜。まだ書きかけで半分くらい埋まっている楽譜。五線譜のみ書かれている楽譜。
楽譜には、この世に魔法を再現させるための
「想像している音とちょっと違うんだよな」
と、つぶやく
再現したい魔法を想像していると、ふと響いてくる旋律があるのだが、それと同じメロディーを楽譜に書き起こす。弾いてみて、想像しているものが浮かばないなら違うので想像からやり直す。
地道で、時間のかかるのに、集中力も必要な作業である。
もう何度目になるかわからないくらいのやり直しをして書いたが、「これも違う」と呟き、書き直そうとする。
「……何が……違うの?」
「うわぁっ!?」
集中していた
その声に振り向くと、
「……待たせちゃって……ごめん……ね?」
「大丈夫」
「……片付けしながら聞いてもらえると……いいんだけど」
と、一言前置きをし、
「……
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